からふる〜名前に色が入っている殺人鬼達の殺人回想録〜

望月ナナコ

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三時間後に目覚ましがけたたましく鳴り始まりを告げた時、ボクはとても神聖な気持ちで目が覚めた。

少し寝ただけなのに頭がとてもスッキリして爽快だった。これがアドレナリンってやつなのかなかな?ああ、どうしてこうも人を殺す前の目覚めはボクにいつも幸福をもたらすのだろう? 

鏡の前に立ち見なりを整え、ローズの香水を振り撒いた。その時の端正なボクの顔立ちは、見る人が見れば悪魔に見えただろうね。

・・・ミキはもう、起きているかな?

せっかく最後の自然睡眠なのだ。ボクが無理矢理起こすのは美学に反するからね。ボクは軽くストレッチをして身体のコンディションを整えた。

よし、行くか・・・。

コツン、コツン、コツン、コツン・・・。

ボクとミキ以外誰もいないこのだだっ広いだけの廊下は足音が良く響くんだよね。

ふぅ・・・。

ボクは防音室の扉の前で深呼吸をし昂る気持ちを一旦平行に戻すよう努力した。

ーーーカチャ。

扉を開けるとそこには震えながら戸惑っているミキがいた。

「・・・・・サトルさん・・・?」

・・・あ、よかった。起きているみたい。タオルケットの下でかすかに動いているミキを見てこれ以上待たなくていい事に安堵した。

「・・・・・やあ、目覚めたかい?気分はどう?」

「サトルさん・・・これ・・・これはどういう・・・。」

この状況下で目覚めた時の女性の反応はそれはもう様々さ。多くの女性はパニックになってヒステリックを起こし、大声を出して子供のように泣き叫ぶ。場合によってはボクに汚らわしい罵詈雑言を浴びせてくる子もいるくらいだよ。

「ミキは・・・運命って、信じるかい?」

それなのにこの子は・・・怖いだろうに健気にこの状況をなんとか飲み込もうと子犬のようにプルプル震えながら聞いてくるじゃないか。

「・・・運命、ですか?」

ミキ・・・君はやっぱり最後まで他の子達とは違う世界を見せてくれるんだね。あのパーティーの中でこの子を選んで本当に良かったと心から思った。

ボクは感動し、嬉々とした表情でゆっくりと服を脱いでいった。そして全裸になり、ミキの前に立つ。

「君とボクが出会ったあの日から、もうこの結末は決まっていたのかもしれないね。」

ミキ・・・ボクは今、自信があるよ。ボクは今姉さんじゃなくて君に興奮しているって事。

「・・・結末?」

もしかしたら、今日、姉さん以外と達する事が出来るのだろうか?ミキならばボクにまた新しい可能性を見せてくれるのかもしれない。

「ミキの事は愛しているよ・・・それは嘘じゃない、信じて欲しい。でも・・・だからこそ、今日もう一度ボクと一つになって欲しい。」

その時伝えた言葉に嘘は無かった。

「そう、これから本当の意味でボクの一部になって欲しいんだ。」
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