2 / 8
夫達と出会い番になる
しおりを挟む
「森……?」
ミクは目の前に広がる光景が変わり、街中でない事に首を傾げる。
「まぁ、いきなり現れたら吃驚させちゃうからいいけど……。インベントリでも確認しようかな」
インベントリを開くと、手紙、食料類、衣服、食器類、数えるのがめんどくさくなるくらいのお金、など入っていた。
手紙を読むらしい。
――――
愛しの我が子ミクへ
これを読んでいるという事は無事に着いたみたいだな。
この世界名はルレスタで、其方がいる所はカリーノ王国、カリーノ王都付近の森の中だ。
インベントリの中を見たのなら分かると思うが、それで料理を作って、商業ギルドにでも登録して売ればいい。
カリーノ王都の教会には御触れを出しておいた、気が向いたら教会に行ってほしい。
カリーノ王国は多種族が住む国だから安心していい。
夫達にはすぐ会える、心配するな。
―省略―
父ベグジョルマより
――――
手紙には長々と世界の事などが書かれていたらしく、ミクはベグジョルマへ心の中で感謝を述べた。手紙から目を離したミクは目の前に三人の男が居るのをみて驚いた。
「えっと、何か?」
そう問いかけると、黒髪赤目の男が口を開いた。
「君から番の匂いがする……」
男が言った事に最初分からなくて首を傾げるが鼻に掠る匂いが三つ香ったのに気づいた。
黒髪赤目の男からは夜の匂いがし、シルバーブロンドの髪に深緑の目の男からは森の中の風の匂いがして、ベビーブルーの髪にスカイブルーの目の男からは澄んだ水の匂いがした様だ。
「わたしもします」
「俺も、するな」
「貴女もわたし達から匂いがしますか?」
「え? あ、うん。三人から其々違う匂いがするわ」
三人の男は顔を見合わせ頷いた。
「僕達の番になってくれないかな?」
「……! それはとっても嬉しいけど、色々説明しないといけない事があるから移動しない?」
「説明とはなんでしょう? 気になりますが此処だと危ないのは確かですね。移動しましょう」
四人は森を抜け、少し道を歩くと門が見えた。列が出来ている所に並び順番を待っている。
「次! 身分証をお願いします」
ミク以外の三人は冒険者ギルドのカードを出した。
「君も身分証を」
「あ、持ってません。商業ギルドに登録しようと思ってたので……」
「じゃあ、この水晶に手を翳してくれ」
言われた通りに手を翳したが何も起こらなかった。
「はい。ありがとう、もういいよ。あと通行料一〇〇〇ビデ払ってもらっていいかい?」
インベントリから一〇〇〇ビデを出して門番へ渡す。
「確かに受け取りました。では中に入っていただいて結構です」
四人は中に入って行った。
「僕達の家があるからそこで話しをしようか」
「分かった」
ミクが頷いたのを見て歩き出す、その後に続いて歩く。暫く歩いていると一つの家の前で三人は歩みを止めた。扉を開けてミクを中に入るのを促され入って三人も入る。リビングに入りソファーに座る様促され座り、四人は向き合った。
「これで話しが出来るね。まずは名前と種族だけでも教えておいた方がいいかな?」
「そうですね、そうしましょう」
「あぁ」
三人はお互い頷き合い黒髪赤目の男から口を開く。
「僕はアベル。魔族だよ」
黒髪赤目の男はアベルで魔族だそうだ。
「わたしはルネです。ハイエルフですよ」
シルバーブロンドの髪に深緑の目の男はルネでハイエルフだそうだ。
「俺は、ジル。竜人だ」
ベビーブルーの髪にスカイブルーの目の男はジルで竜人だそうだ。
「私はミク。神の子よ」
「神の子? 君が?」
「えぇ、見せた方が早いかな……?」
神の子発言にアベルが首を傾げるから、ミクはステータスを見せた方が早いと判断して三人に見せる。
「これは……!?」
「「……っ!?」」
ルネは声を出して驚いていて、アベルとジルは声が出ない程驚いている。
「このステータスの出鱈目さ……本当に神の子みたいですね」
「……」
「見た感じ本物みたいだしね、それでこれが説明したかった事?」
ルネはミクのステータスに関心していて、ジルは黙ったままで、アベルは首を傾げながらミクを見る。
「それもあるけど、私別の世界から来たの……」
ミクは地球に居た頃の事を掻い摘んで話した、ベクジョルマは父親だとも話す。番同士になると寿命がなくなる事も話した。それでも番になりたいか聞いた様だ。すると直ぐに返事をしたのはアベルで頷いた、そのすぐ後にルネとジルも頷いた。
「どうして直ぐに頷いてくれたの?」
「魔族、ハイエルフ、竜人は元々寿命が長い生物だから」
「寿命がなくなると言われてもあまり気にならないですよ」
「それより番は一生に一度だからこれを逃すと次はない、俺達はまだ若い方だから番に会えて内心では歓喜している」
「成る程、じゃあ番にしてもらえると?」
三人の言葉に嬉しそうに首を傾げる。
「勿論! むしろお願いしたいのはこっちだよ、ね?」
「あぁ」
「勿論です。では手を出しましょう」
四人は手の甲を上にして左手を出す。ミクは三人に、三人はミクに魔力を流す。
「「「「我々はここに番になる事を誓う」」」」
其々の手の甲には金色の薔薇が光り輝いていた。
ミクは目の前に広がる光景が変わり、街中でない事に首を傾げる。
「まぁ、いきなり現れたら吃驚させちゃうからいいけど……。インベントリでも確認しようかな」
インベントリを開くと、手紙、食料類、衣服、食器類、数えるのがめんどくさくなるくらいのお金、など入っていた。
手紙を読むらしい。
――――
愛しの我が子ミクへ
これを読んでいるという事は無事に着いたみたいだな。
この世界名はルレスタで、其方がいる所はカリーノ王国、カリーノ王都付近の森の中だ。
インベントリの中を見たのなら分かると思うが、それで料理を作って、商業ギルドにでも登録して売ればいい。
カリーノ王都の教会には御触れを出しておいた、気が向いたら教会に行ってほしい。
カリーノ王国は多種族が住む国だから安心していい。
夫達にはすぐ会える、心配するな。
―省略―
父ベグジョルマより
――――
手紙には長々と世界の事などが書かれていたらしく、ミクはベグジョルマへ心の中で感謝を述べた。手紙から目を離したミクは目の前に三人の男が居るのをみて驚いた。
「えっと、何か?」
そう問いかけると、黒髪赤目の男が口を開いた。
「君から番の匂いがする……」
男が言った事に最初分からなくて首を傾げるが鼻に掠る匂いが三つ香ったのに気づいた。
黒髪赤目の男からは夜の匂いがし、シルバーブロンドの髪に深緑の目の男からは森の中の風の匂いがして、ベビーブルーの髪にスカイブルーの目の男からは澄んだ水の匂いがした様だ。
「わたしもします」
「俺も、するな」
「貴女もわたし達から匂いがしますか?」
「え? あ、うん。三人から其々違う匂いがするわ」
三人の男は顔を見合わせ頷いた。
「僕達の番になってくれないかな?」
「……! それはとっても嬉しいけど、色々説明しないといけない事があるから移動しない?」
「説明とはなんでしょう? 気になりますが此処だと危ないのは確かですね。移動しましょう」
四人は森を抜け、少し道を歩くと門が見えた。列が出来ている所に並び順番を待っている。
「次! 身分証をお願いします」
ミク以外の三人は冒険者ギルドのカードを出した。
「君も身分証を」
「あ、持ってません。商業ギルドに登録しようと思ってたので……」
「じゃあ、この水晶に手を翳してくれ」
言われた通りに手を翳したが何も起こらなかった。
「はい。ありがとう、もういいよ。あと通行料一〇〇〇ビデ払ってもらっていいかい?」
インベントリから一〇〇〇ビデを出して門番へ渡す。
「確かに受け取りました。では中に入っていただいて結構です」
四人は中に入って行った。
「僕達の家があるからそこで話しをしようか」
「分かった」
ミクが頷いたのを見て歩き出す、その後に続いて歩く。暫く歩いていると一つの家の前で三人は歩みを止めた。扉を開けてミクを中に入るのを促され入って三人も入る。リビングに入りソファーに座る様促され座り、四人は向き合った。
「これで話しが出来るね。まずは名前と種族だけでも教えておいた方がいいかな?」
「そうですね、そうしましょう」
「あぁ」
三人はお互い頷き合い黒髪赤目の男から口を開く。
「僕はアベル。魔族だよ」
黒髪赤目の男はアベルで魔族だそうだ。
「わたしはルネです。ハイエルフですよ」
シルバーブロンドの髪に深緑の目の男はルネでハイエルフだそうだ。
「俺は、ジル。竜人だ」
ベビーブルーの髪にスカイブルーの目の男はジルで竜人だそうだ。
「私はミク。神の子よ」
「神の子? 君が?」
「えぇ、見せた方が早いかな……?」
神の子発言にアベルが首を傾げるから、ミクはステータスを見せた方が早いと判断して三人に見せる。
「これは……!?」
「「……っ!?」」
ルネは声を出して驚いていて、アベルとジルは声が出ない程驚いている。
「このステータスの出鱈目さ……本当に神の子みたいですね」
「……」
「見た感じ本物みたいだしね、それでこれが説明したかった事?」
ルネはミクのステータスに関心していて、ジルは黙ったままで、アベルは首を傾げながらミクを見る。
「それもあるけど、私別の世界から来たの……」
ミクは地球に居た頃の事を掻い摘んで話した、ベクジョルマは父親だとも話す。番同士になると寿命がなくなる事も話した。それでも番になりたいか聞いた様だ。すると直ぐに返事をしたのはアベルで頷いた、そのすぐ後にルネとジルも頷いた。
「どうして直ぐに頷いてくれたの?」
「魔族、ハイエルフ、竜人は元々寿命が長い生物だから」
「寿命がなくなると言われてもあまり気にならないですよ」
「それより番は一生に一度だからこれを逃すと次はない、俺達はまだ若い方だから番に会えて内心では歓喜している」
「成る程、じゃあ番にしてもらえると?」
三人の言葉に嬉しそうに首を傾げる。
「勿論! むしろお願いしたいのはこっちだよ、ね?」
「あぁ」
「勿論です。では手を出しましょう」
四人は手の甲を上にして左手を出す。ミクは三人に、三人はミクに魔力を流す。
「「「「我々はここに番になる事を誓う」」」」
其々の手の甲には金色の薔薇が光り輝いていた。
応援ありがとうございます!
21
お気に入りに追加
23
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる