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ミクの手料理とお店の従業員探し

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 ミクは家に帰ると張り切って夕食を作る事にした様だ。
 まずインベントリからコメ、玉ねぎ、ニンニク、セユの実、酒、ミリョンの実、砂糖を取り出し、水を用意する。コメをまず洗い、水を約三十分程浸し、合間に玉ねぎをすりおろし、ニンニクを細かく切り、フライパンにセユの実、酒、ミリョンの実、砂糖、水を入れ、すりおろした玉ねぎとニンニクを入れ、中火で沸騰するまで煮て、沸騰したらすぐに火を止め器に入れる。コメは予め鍋で水を浸していたからそのまま火にかける。沸騰するまで中火で、沸騰したらそのまま約二分程炊き、少し火を弱め、そこから約三分、そして一番弱い火にして約五分から七分炊く。
 続いてインベントリからオーク肉と牛脂、塩、ブラックペッパー、ガーリックパウダーを取り出す。オーク肉を一.五cmに四枚切る。切ったオーク肉に塩、ブラックペッパー、ガーリックパウダーを両面にかけ、フライパンを強火で温め、牛脂を投入しオーク肉を入れる。片面に焼き目がついたら肉をひっくり返し、フライパンに蓋をして弱火にして約二分程で火を止め、まな板に移し約一分程待ち、お皿に盛り付ける。
 最後にレタス、水菜、きゅうり、胡麻、セユの実、シュの実、砂糖、ミションの実、ごま油、生姜を取り出す。レタスと水菜は手で適当な大きさに千切り、きゅうりは輪切りにする。それを器に盛り付け、生姜をすりおろし、胡麻、セユの実、シュの実、砂糖、ミションの実、ごま油、すりおろした生姜をいれ混ぜサラダにかける。ご飯をお皿に盛り付け、全ての料理をテーブルに並べ、本を読んだり、武器の手入れをしているアベル達に声をかけるミク。
「ご飯出来たよー」
「良い匂いしてたからすっごく楽しみだよ」
「ステーキか良いな」
「ミクの手料理楽しみです」
 ミクとアベル達はそれぞれ椅子に座りお祈りをしてまずはジルが一口オーク肉を食べた。
「……! 美味い……!」
「うわぁあ、これオーク肉だよね? 今までより倍以上は美味しい!」
「とても美味しいです。サラダも美味しいです。ミクの料理店はすぐに人気になりそうですね」
「良かった。……ぉお! オーク肉ってこんな味なんだ~美味し~い。あ、ご飯、この白い穀物なんだけどお肉と一緒に食べるともっと美味しいよ!」
 ミクはアベル達の感想や顔色を見てニコニコと微笑み、ミクもオーク肉を一口、口に入れると一瞬吃驚した顔になり顔を綻ばせる。そして、思い出した様にご飯の説明をすると、アベル達はその通りにオーク肉を一口含みご飯も一口、口に入れ味わう様に噛むと、其々目を見開き、顔が蕩ける様に見えたミクは。
(イケメンの蕩けた顔って破壊力ヤバいのね……初めて知ったわ……)
 と思いながらニコニコと微笑みつつ食事を続けている。それから夕飯を食べ終えた面々はミク、ルネ、アベル、ジルの順番でお風呂に入り各々、部屋に行くなり、リビングで寛ぐなりしている。ミクは今日もホットミルクをちびちび飲んで寛いでいたが飲み終わったのかコップを水面台の所に置いたら残ってたルネに声をかけて部屋に戻ってベッドに横になって眠りについた。
 翌日起き出したミクはベッドから降りてインベントリから服を出して着替え、ドレッサーに近づいて椅子に座り、引き出しから櫛を取り出して髪を梳く。
「今日はスカーフを一緒に三つ編みにしてピンで纏めて留める様にしようかな」
 梳き終わったらインベントリから色々なスカーフの中から気分で紺色とクリーム色が混ざったスカーフを選んで取り出し、スカーフと髪を手早く三つ編みにして、三つ編みの所をくるくると内巻きに巻きつけピンで留め、全体を適度にほぐす。鏡を見て最終確認をしたら、椅子から立ち上がり、部屋を出てアベル達が居るリビングに行き四人で朝食を食べ、今日はどうするのかの話になって、昨日食べたミクの料理ならすぐにお客さんがいっぱい来て、手が回らない事があるだろうとなって従業員を雇う事にした様だ。そうと決まればとミク達は商業ギルドに行くことにした様だ。
「おはようございます。本日はどの様なご用件でしょうか?」
 受付嬢がミク達を笑顔で出迎える。
「お店で働いてくれる従業員を探してて、料理人一人と接客三人程なんですけど」
「分かりました、詳しくは別室で対応させていただきます。ついて来てください」
 ミク達は受付嬢の後について行くと個室に案内された。
「料理人が一人と接客三人との事ですが、合ってますでしょうか?」
 受付嬢の言葉に頷くミク。
「では、雇用内容を教えてください」
 ミクは事前にアベル達に聞いていたのよりいい条件を受付嬢に話した。
「本当に大丈夫ですか……!? 破格の条件すぎて人が殺到してしまいますよ!?」
「そうなるだろうとは思います。なのでそちらで振るいにかけていただけませんか? そこからは私が選びますので」
「それは勿論、任せてください。十日後の茶の日、十九日には選別してお渡ししますのでそこからお選びいただけたらと思います」
「分かりました。選んだ後面接をしたいんですけど場所提供していただけますか?」
「大丈夫ですが使用料をいただきます。料金は大銅貨三枚です」
「分かりました。……大銅貨三枚になります」
 受付嬢の言葉に頷きインベントリから大銅貨三枚丁度出した。
「では十日後お待ちしてます」
 受付嬢は軽く頭を下げたのでミク達はそのまま個室を後にした。
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