好きを好きなだけ

鈴卜優

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LOVE 4

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碧と連絡が取れなくなってから1週間が経ってしまった。

最初は忙しいだけかなと思っていたが、必ず返事をくれていたのに既読にしかならない。

2日経った頃には避けられていると気づいた。

(どうしてだろ…碧くん。)
あの夜気持ちが通じてうまくいっていると思っていた。

もしかして雰囲気に流されただけで本当は嫌だったのではとか俺の事嫌いになったのかもとかもしや、会えない間に他に好きな人ができたとかぐるぐる考えて項垂れていた。


連絡が取れないとなると会うすべはなく、本社に用があったとしても滅多に会うことはない。

(会って話がしたい…。これで終わりは嫌だ。)


「おい、なんだよ。その顔は?成田くんに振られた?」

よっぽど酷い顔をしていたのだろう。
杉谷に聞かれる。
今日はメイク撮影の打ち合わせをしていてサブアシスタントとして杉谷も本社に来ていた。

撮影の準備やメイクの練習が終わり仕事帰りに本社の目の前にあるカフェに来ていた。

ここで碧と話をするために仕事が終わるまで待っていようと思っていたのだ。杉谷が付いてきたのは予想外だが。

「……連絡無視されてる。」
「はぁ?お前なんかしたの?」

(俺はそれを聞く為にここにいるんだよ。)

「俺が聞きたい。でも正直、聞くの怖い。他に好きな人いるとか言われたら死ぬ。」

(俺はもう碧以外考えられない。)


「お前、ちゃんと真剣に気持ち伝えたか?」
「好きとは言ったってこの前言ったじゃん。」
じっと杉谷がみてくる

「本当か~この前だろ、最初じゃん?お前まぁ男前だしなんか軽くみえるんだよ。誰にでも優しいし、ちゃんと真面目に丁寧に伝えたか?」

そう言われドキッとする。

(伝えたけどそのまま流れで好きって言った感じだな…。すぐあんな事したし…)

「ほらな。やっぱり。」

そう言われてぶすっとする。

(碧に会ったらちゃんとあの時の事言おう。)

顔だけじゃなく俺が碧を本当に心から好きになった日の事。

「ってあれ?成田くん?なんか遠くから見てもカッコ良さそうな男といるぞ。」

その言葉に杉谷の見ている方向をみる

するとそこには碧と碧より頭一つでかい白のバケットハットに薄いサングラスをかけたおしゃれな男と抱擁していた。

(なに、なにあいつ……碧くんに触るな)

ぶわっと独占欲と困惑した気持ちが身体中を駆け巡る。

「あっ!おい!」 


杉谷の言葉を無視し、すぐさま店をでて碧のところへと走って向かう。

碧の近くに来て「碧くん!」と碧の手を掴む。

そこには突然手を掴まれ困惑した碧とびっくりしている男が朝也をみている。

そしてやけにかっこいい男が怒った顔で
「なに?あおの知り合い?」そう言った。



 


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