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5 寝床
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「まぁ見てて?」
お母様の魔法のおかげか体が軽い。
私は手頃な枝を風魔法で切り落とし二又の長い棒を手に入れた。
それを上が二又になるよう岩から少し離れた所に突き刺し立てる。
それを支柱にして岩との間に適当な棒を渡したら骨組みの完成だ。
あとは岩からその枝にどんどんと枝を乗せていき、長い枝はどんどんと立てかけていった。
「あっと言う間に屋根と壁だけど…枝だけだとちょっと隙間大きくない?風で枝も落ちないかしら?」
そう小首を傾げるお母様に乾いた枝を拾い集めるよう頼んで私は作業を続けた。
「あらまぁ!スゴイわシェリー!いえ、マサオ?」
枝をいっぱい集めて戻ったお母様が驚いてくれて私はとても満足する。
先程の枝が沢山立てかけてある壁には木の皮を見つけただけ乗せたあと落ち葉を被せたのだ。
落ち葉が飛ばないよう更に適当な枝を乗せたり立てかければ完成である。
外からみれば岩の前に落ち葉のトンネルがあるみたいだ。
寝る予定のスペースにも落ち葉を敷き詰め、ロープとナイフが入っていた袋が大きく丈夫そうだったので開いてシート代わりに被せておいた。
その後、外にも石でカマドを組んでいく。
組みながら気が付いた。
「私、新しい魔法を覚えたかもしれない…?」
先程から大きな枝も握りこぶしのような石も運んでいるが重く感じない。
無意識に腕力が欲しい時、魔力を体に巡らせている。
「あらあら、身体強化の魔法かしら?」
「お母様、分かるの?」
「んー…何となく?勘がいい、みたいな?」
そういうとテヘッと笑った。
時折、特殊能力で『鑑定』というスキルを持つ人がいるとは聞くが…それではないのかしら?
「あー違うわね!ハッキリは分からないもの。でもなんとなーく分かるのよねぇ?すこーしだけあるのかしら?」
本人にも分からないならどうしようもない。
「あれかしらね、マサオが男だから記憶との身体能力差を埋めるために発現したのかしらね?」
キャッキャと楽しそうにされると戸惑ってるのが馬鹿らしくなってしまった。
「ラッキー、てことでいっか」
そう笑うとお母様も「良いと思うわ♪」と笑顔を返してくれる。
こんな状態でも気楽で明るい。
追放がお母様と一緒で本当に良かった…。
魔法で出来たカマドに火を付けパンを炙る。
無事だったバターを付けて夕食にした。
日が落ちると寒くなってきたのでお湯を飲もうと思って気付く。
「コップが無かったね」
スープが入れられそうな木のお皿をカゴに入れてくれてあったので今日はそれをコップの代わりにした。
(明日…竹を見つけたらコップを作ろう)
そんな事をボンヤリ考えているとお母様があくびをしている。
確かに今日は疲れてしまった。
木と落ち葉のテント?に二人で寄り添うように入りブランケットをかける。
思っていたよりかなり快適だ。
「中は温かいのねぇ」
そういうお母様に私はニヤリとドヤ顔で自慢した。
「じゃーん!コレのお陰よ!」
落ち葉テントの隅に作ってある小さな小さなカマド。
うっかり中を触らないよう周りに枝をぐるっと斜めに挿してある。
「カマド…?でも火は燃えてないわよ?」
そう、カマドの中にあるのは握りこぶしくらいの大きさの一つの石。
小さなカマドはコレでいっぱいいっぱいだ。
「水を1滴落としてみて?」
お母様が指先から水を垂らすとジュッという音を立ててあっという間に蒸発する。
「石を焼いておいたの。夜は冷えそうだからストーブ代わりに作っておいたのよ」
想像通り外より暖かさを感じられて満足だ。
「さっすがシェりぃ、にぇ~…」
分かりやすく寝ぼけてながらも褒めてくれるお母様。
落ち葉のフカフカもお気に召したらしくウフフと笑いながら寝落ちてしまった。
(交代で見張りとか…せめて起きてる方が良いよね…。あとで起こしてもいいかなぁ?)
そんな事を考えつつも体を休ませるため横になっているとお母様の体温が伝わってくる。
一緒に寝るなんていつぶりだろう。
懐かしいような、少し嬉しいような、そんなくすぐったいような気持ちをと感じているうちに…だったのだろう。
いつの間にか私も眠ってしまっていた。
それも、お母様が先に起きるくらいグッスリと。
うん、マサオのせいということにしておこう!
お母様の魔法のおかげか体が軽い。
私は手頃な枝を風魔法で切り落とし二又の長い棒を手に入れた。
それを上が二又になるよう岩から少し離れた所に突き刺し立てる。
それを支柱にして岩との間に適当な棒を渡したら骨組みの完成だ。
あとは岩からその枝にどんどんと枝を乗せていき、長い枝はどんどんと立てかけていった。
「あっと言う間に屋根と壁だけど…枝だけだとちょっと隙間大きくない?風で枝も落ちないかしら?」
そう小首を傾げるお母様に乾いた枝を拾い集めるよう頼んで私は作業を続けた。
「あらまぁ!スゴイわシェリー!いえ、マサオ?」
枝をいっぱい集めて戻ったお母様が驚いてくれて私はとても満足する。
先程の枝が沢山立てかけてある壁には木の皮を見つけただけ乗せたあと落ち葉を被せたのだ。
落ち葉が飛ばないよう更に適当な枝を乗せたり立てかければ完成である。
外からみれば岩の前に落ち葉のトンネルがあるみたいだ。
寝る予定のスペースにも落ち葉を敷き詰め、ロープとナイフが入っていた袋が大きく丈夫そうだったので開いてシート代わりに被せておいた。
その後、外にも石でカマドを組んでいく。
組みながら気が付いた。
「私、新しい魔法を覚えたかもしれない…?」
先程から大きな枝も握りこぶしのような石も運んでいるが重く感じない。
無意識に腕力が欲しい時、魔力を体に巡らせている。
「あらあら、身体強化の魔法かしら?」
「お母様、分かるの?」
「んー…何となく?勘がいい、みたいな?」
そういうとテヘッと笑った。
時折、特殊能力で『鑑定』というスキルを持つ人がいるとは聞くが…それではないのかしら?
「あー違うわね!ハッキリは分からないもの。でもなんとなーく分かるのよねぇ?すこーしだけあるのかしら?」
本人にも分からないならどうしようもない。
「あれかしらね、マサオが男だから記憶との身体能力差を埋めるために発現したのかしらね?」
キャッキャと楽しそうにされると戸惑ってるのが馬鹿らしくなってしまった。
「ラッキー、てことでいっか」
そう笑うとお母様も「良いと思うわ♪」と笑顔を返してくれる。
こんな状態でも気楽で明るい。
追放がお母様と一緒で本当に良かった…。
魔法で出来たカマドに火を付けパンを炙る。
無事だったバターを付けて夕食にした。
日が落ちると寒くなってきたのでお湯を飲もうと思って気付く。
「コップが無かったね」
スープが入れられそうな木のお皿をカゴに入れてくれてあったので今日はそれをコップの代わりにした。
(明日…竹を見つけたらコップを作ろう)
そんな事をボンヤリ考えているとお母様があくびをしている。
確かに今日は疲れてしまった。
木と落ち葉のテント?に二人で寄り添うように入りブランケットをかける。
思っていたよりかなり快適だ。
「中は温かいのねぇ」
そういうお母様に私はニヤリとドヤ顔で自慢した。
「じゃーん!コレのお陰よ!」
落ち葉テントの隅に作ってある小さな小さなカマド。
うっかり中を触らないよう周りに枝をぐるっと斜めに挿してある。
「カマド…?でも火は燃えてないわよ?」
そう、カマドの中にあるのは握りこぶしくらいの大きさの一つの石。
小さなカマドはコレでいっぱいいっぱいだ。
「水を1滴落としてみて?」
お母様が指先から水を垂らすとジュッという音を立ててあっという間に蒸発する。
「石を焼いておいたの。夜は冷えそうだからストーブ代わりに作っておいたのよ」
想像通り外より暖かさを感じられて満足だ。
「さっすがシェりぃ、にぇ~…」
分かりやすく寝ぼけてながらも褒めてくれるお母様。
落ち葉のフカフカもお気に召したらしくウフフと笑いながら寝落ちてしまった。
(交代で見張りとか…せめて起きてる方が良いよね…。あとで起こしてもいいかなぁ?)
そんな事を考えつつも体を休ませるため横になっているとお母様の体温が伝わってくる。
一緒に寝るなんていつぶりだろう。
懐かしいような、少し嬉しいような、そんなくすぐったいような気持ちをと感じているうちに…だったのだろう。
いつの間にか私も眠ってしまっていた。
それも、お母様が先に起きるくらいグッスリと。
うん、マサオのせいということにしておこう!
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