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第1章 異世界でも俺はこき使われる
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その後はなにも物音がしなくなったので単に寝返りを打っただけなのかもしれない。
そこで、俺はそういえばドゥーガルドたちが何も食べていないことに気づいた。
一応、川の水を汲んで空瓶に入れ枕元にそれぞれのテントに置いているが、食べ物は置いていない。
苦しそうに肩で息をしていたので、食事どころではないと思ったが、時間もたったし、もしかしたらお腹もすいてきてるかもしれない。
俺は布を川の水で濡らして絞ると、鞄の中から干し肉とパンを取り出し、それらを持ってドゥーガルドのテントの入り口の布をめくった。
「ドゥーガルド、大丈夫か?」
「……ん」
ランタンをかざしてテントの中を照らすと、ドゥーガルドがもぞもぞと体を起こした。
眠気まなこが俺の姿をとらえた途端、こっちが驚くくらい見開いた。
そして慌てて何かを自分が被っている布の中に隠した。
「え、なに、どうした?」
「……い、いや、なんでもない」
そう言いながらもそのらしくない慌てぶりはどう見てもなんでもなくない。
まぁ、詮索するのもよくないから、何にもないことにしよう。
「ならいいんだけど、よかったらなんか食べる? 一応、干し肉とパン持ってきた。あと、もしまだ体が熱かったらこれ額に置いてみて。濡れた布。これけっこう気持ちいいから」
枕元に置いてあとは好きに使ってもらおうとテントの中へ入っていった。
だが、たわんでいた布に足がひっかかりそのままドゥーガルドの上に倒れてしまった。
「うわ、ごめ……っ!?」
慌てて立ち上がろうとした俺の手に何かが当たった。
俺が手をついたのはドゥーガルドの下半身部分。
布越しだが、その感触には男であれば誰でも憶えがある。
「え? あ、もしかし勃って……」
動揺のあまり言い掛けた無神経な言葉を俺は慌てて飲み込んだ。
や、やべぇ、とんでもねぇことを言うところだった……!
男同士でも下半身事情を知られるのは恥ずかしいことだ。
ここは何も気づいていない振りして去るのが思いやりというものだ。
「……あ、えっと、じゃあここに置いとくから好きな時に食べて。それじゃあお大事に……」
「待ってくれ!」
ドゥーガルドが俺の腕を掴んだ。
こちらを見上げる目は縋るような必死さがあった。
「……お前はこの病気のことを知っているのか?」
「え? 病気?」
目をパチパチとさせる俺に、ドゥーガルドは深刻そうに頷いた。
「……淫食花と戦ってからどうも体が熱くて……それに下半身の一部分が熱を持って固くなっているんだ。今までにないことだ。恐らく淫食花の毒か何かにやられたんじゃないかと思ったんだが……」
俺は目を剥いた。
え? もしかしてドゥーガルドって……?
そこで、俺はそういえばドゥーガルドたちが何も食べていないことに気づいた。
一応、川の水を汲んで空瓶に入れ枕元にそれぞれのテントに置いているが、食べ物は置いていない。
苦しそうに肩で息をしていたので、食事どころではないと思ったが、時間もたったし、もしかしたらお腹もすいてきてるかもしれない。
俺は布を川の水で濡らして絞ると、鞄の中から干し肉とパンを取り出し、それらを持ってドゥーガルドのテントの入り口の布をめくった。
「ドゥーガルド、大丈夫か?」
「……ん」
ランタンをかざしてテントの中を照らすと、ドゥーガルドがもぞもぞと体を起こした。
眠気まなこが俺の姿をとらえた途端、こっちが驚くくらい見開いた。
そして慌てて何かを自分が被っている布の中に隠した。
「え、なに、どうした?」
「……い、いや、なんでもない」
そう言いながらもそのらしくない慌てぶりはどう見てもなんでもなくない。
まぁ、詮索するのもよくないから、何にもないことにしよう。
「ならいいんだけど、よかったらなんか食べる? 一応、干し肉とパン持ってきた。あと、もしまだ体が熱かったらこれ額に置いてみて。濡れた布。これけっこう気持ちいいから」
枕元に置いてあとは好きに使ってもらおうとテントの中へ入っていった。
だが、たわんでいた布に足がひっかかりそのままドゥーガルドの上に倒れてしまった。
「うわ、ごめ……っ!?」
慌てて立ち上がろうとした俺の手に何かが当たった。
俺が手をついたのはドゥーガルドの下半身部分。
布越しだが、その感触には男であれば誰でも憶えがある。
「え? あ、もしかし勃って……」
動揺のあまり言い掛けた無神経な言葉を俺は慌てて飲み込んだ。
や、やべぇ、とんでもねぇことを言うところだった……!
男同士でも下半身事情を知られるのは恥ずかしいことだ。
ここは何も気づいていない振りして去るのが思いやりというものだ。
「……あ、えっと、じゃあここに置いとくから好きな時に食べて。それじゃあお大事に……」
「待ってくれ!」
ドゥーガルドが俺の腕を掴んだ。
こちらを見上げる目は縋るような必死さがあった。
「……お前はこの病気のことを知っているのか?」
「え? 病気?」
目をパチパチとさせる俺に、ドゥーガルドは深刻そうに頷いた。
「……淫食花と戦ってからどうも体が熱くて……それに下半身の一部分が熱を持って固くなっているんだ。今までにないことだ。恐らく淫食花の毒か何かにやられたんじゃないかと思ったんだが……」
俺は目を剥いた。
え? もしかしてドゥーガルドって……?
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