きっと僕は幸せに

紫紫ヶ岳ぱぷる

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食べ物?

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 綺麗な人がダイニングルームにあたるテントに入るとパパンと手を叩いた、すると忽ち広い机と椅子が現れてクロスに食器カトラリーが出てきた、凄い。
  双子に運んで貰ったのは綺麗な人の隣となる席だった。
 コン、コンコン、コンコンコン、コンコンコンコン
 今度はノックをすると美味しそうな食べ物がお皿の上に出てきた…机とかと一緒に出さないのは何故なんだろう。
 でもごはんの匂いがしない、食べ物の匂いじゃなくてまるでなんだか石炭の匂いがする。
 体が食べてはダメだと言っている、何故か化け物みたいなよく分からない体になり何も見えなくなる…そんな妄想が頭を駆け巡った、何故だろうか。
「ベスタには私が食べさせてあげましょう、とてもとても美味しいよ、たあんとお食べ」
 そう言うと綺麗な人は僕にちぎったパンをくれた、名前を言った覚えがない。
「有難うございますでも、沢山は…申しわけないですがそんなに食べられそうになくて…」
「あら、そうなのかい?でもできるなら1口は食べて欲しいな」
「あ、あはは」
 悲しそうな顔をされてしまった、僕はこの人に逆らいたくないと思った。
 食事をしている皆が僕とこの人の会話に耳を立ている気がする。
「じゃあ飲み物はいかが?喉が渇いてるでしょう?」
「え、あ、飲みます…」
 僕が飲みやすいようにゆっくりグラスを傾けて飲ませてくれた。
 紫色の飲み物が僕の喉を通り過ぎる音が自分の肉を伝い自分の耳に聞こえてくる、がこの現象は他の人もあるものなんだろうか、この音が他の人にも聞こえてたら大分煩い気がする。
 あと、他の人たちの咀嚼音や食器の音を痛い程感じる。
「お味はどうだい?」
 口の中に入れたら甘い匂いが微かにした気がするが味と言った味がしない、他の人たちは美味しそうに食べたり飲んだりしているが何故そんなことが出来るんだ?いや、きっと僕の舌がイカれてしまったのかもしれない、じゃなきゃあんなに美味しそうに頬張るはずがない。
「とっても美味しいです」
「そうかい、それは良かった」
「えへへへ」
「どんな味がしたんだい?」
「え?」
 なんて説明したらいいんだろうか。
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