没落令嬢カノンの冒険者生活〜ジョブ『道具師』のスキルで道具を修復・レベルアップ・進化できるようになりました〜

もう書かないって言ったよね?

文字の大きさ
25 / 121
5日目

魔法の杖進化

しおりを挟む
「結構増えましたね。ちょっと倒したら、明日の朝に起きて、また収穫ですね」

 カノンはベッドから起きて、晩ご飯を食べて、ゴロゴロした後に確認した。
 結構どころか、氷フライムが256匹に増えている。
 訓練所の部屋よりも12倍も広く作りすぎると、こうなるのは当たり前だ。

「はい、パトラッシュ。この餌で一匹ずつ連れて来てください」
「クゥーン」

 パトラッシュにミノタウロスの肉の首輪をつけると、囮になる仕事を与えた。
 飼い主が無い知恵を使ったとしても、これは酷すぎる。
 それでもドボドボ歩いて、パトラッシュは仕事場に向かった。

「何だ、お前はフラ?」
「餌の時間だワン。こっちに来るワン」
「また牛肉フラか? 勘弁してほしいフラ」

 パトラッシュに誘われて、嫌々ながらも氷フライムがやって来る。
 家の中には、進化させた二本の火の杖——業火の杖を持ったカノンが待っている。

【名前=業火の杖 種類=武器(短杖) 
 レベル=10(必要経験値0/170) 進化レベル=20 損傷率=0% 
 攻撃力=39 魔法攻撃力=39
 その他の効果=火魔法『火弾(消費MP10)』『大火弾(消費MP20)』を使用可能】

「エイッ!」

 氷フライムが見えた瞬間、カノンは大火弾を二つ発射した。

「フラ~~~ッ‼︎」

 身体と同じ大きさの大きな火弾を当てられて、氷フライムが焼き氷にされている。
 大きな火の玉が空中から落ちて、地面を転がり回って動かなくなった。

「うーん、これは家を燃やさないように注意しないといけませんね。まあ、水の杖があるから大丈夫ですね」

 魔法薬を飲んでMPを回復すると、カノンは氷フライムの収穫を始めた。
 右手に業火の杖、左手に烈風ダガーを持って、素早い動きで氷の砲弾を避けて、至近距離から大火弾を発射する。
 氷の砲弾に気をつけて、冷たい身体に触らなければ、氷フライムはそこまで怖くない。
 パトラッシュの体当たりで、地面に落ちた氷フライムにも大火弾を発射して、一人と一匹で倒しまくる。

「パトラッシュ、休憩しますよぉ~」
「ワン!」

 氷フライムを107匹倒すと、カノンは休憩した。
 30分働いただけで休憩できるなんて、快適な職場だ。
 家に入ると、レベル20になった業火の杖を進化させた。

【名前=爆火の杖 種類=武器(短杖) 
 レベル=20(必要経験値0/540) 進化レベル=30 損傷率=0% 
 攻撃力=59 魔法攻撃力=59
 その他の効果=火魔法『火弾(消費MP10)』『大火弾(消費MP20)』『大火爆弾(消費MP30)』を使用可能】

「ふぅー、この調子なら明日には、全部進化させられますね」
「ワゥーン♪」

 アイテムポーチからジャムパンを取り出して、カノンはゆっくりお茶している。
 パトラッシュはソーセージが挟まった、ケチャップとマスタードの辛いパンを食べている。

 現在のパトラッシュのレベルは22だ。
 自分のレベルが上がって、装備のレベルも上がっている。
 パンが美味しく、仕事にも余裕が出来たから、帰り道に荷車を引く以外は楽しい。
 
「さてと休憩終わりです。10匹ぐらいまで倒したら、餌を置いて、あとは朝まで寝ますよ。パトラッシュは見張りをお願いしますね」
「クゥ~ン」

 楽な仕事はない。飼い主の命令は絶対だ。
 パトラッシュが悲しそうに鳴くと、仕事を再開した。

「フラッ~‼︎」
「きゃああ! こ、これは危なすぎます!」

 大火爆弾という、直撃した氷フライムが粉々になる大きな火弾にカノンが驚いた。
 身体に氷フライムの肉片が、ビシィバシィ当たってきた。
 強力な魔法を素人が使うと、自爆するのも時間の問題だ。
 カノンは危ない爆火の杖から烈風の杖に変えた。

「フラッ~‼︎」
「うん! こっちの方が良いですね! 他の杖も試しましょう!」

 魔法の杖の試し撃ちが始まった。
 大風乱刃という、複数の緑色の大きな風刃を飛ばして、氷フライムを切断した。
 魔物の弱点よりも、自分と相性の良い杖の方が戦いやすい。

 火、氷、闇は弾。地、雷は槍。水、光は柱。風は刃だった。
 カノンのお気に入りは槍と刃の魔法だ。
 複数の氷フライムを一撃で串刺し、切断できる効率的な魔法だ。
 
「ふぅー、流石に疲れました。もうお風呂に入って寝ましょう」

 仕事時間は1時間ちょっとだ。
 疲れたカノンは見張りをパトラッシュにお願いした。
 家の風呂場に水と火の杖を使って、温かいお湯を用意した。

「ふはぁ~~~♪」

 ゆっくり半身浴で疲れを取って、激疲れのパトラッシュに、回復薬と魔法薬の牛乳割りを皿に渡した。
 パトラッシュの長い夜が始まる。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 番外編『旅日記』

アーエル
ファンタジー
カクヨムさん→小説家になろうさんで連載(完結済)していた 【 異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 】の番外編です。 カクヨム版の 分割投稿となりますので 一話が長かったり短かったりしています。

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

異世界に来ちゃったよ!?

いがむり
ファンタジー
235番……それが彼女の名前。記憶喪失の17歳で沢山の子どもたちと共にファクトリーと呼ばれるところで楽しく暮らしていた。 しかし、現在森の中。 「とにきゃく、こころこぉ?」 から始まる異世界ストーリー 。 主人公は可愛いです! もふもふだってあります!! 語彙力は………………無いかもしれない…。 とにかく、異世界ファンタジー開幕です! ※不定期投稿です…本当に。 ※誤字・脱字があればお知らせ下さい (※印は鬱表現ありです)

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

安全第一異世界生活

ファンタジー
異世界に転移させられた 麻生 要(幼児になった3人の孫を持つ婆ちゃん) 新たな世界で新たな家族を得て、出会った優しい人・癖の強い人・腹黒と色々な人に気にかけられて婆ちゃん節を炸裂させながら安全重視の異世界冒険生活目指します!!

特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。

黄玉八重
ファンタジー
水無月宗八は意識を取り戻した。 そこは誰もいない大きい部屋で、どうやら異世界召喚に遭ったようだ。 しかし姫様が「ようこそ!」って出迎えてくれないわ、不審者扱いされるわ、勇者は1ヶ月前に旅立ってらしいし、じゃあ俺は何で召喚されたの? 優しい水の国アスペラルダの方々に触れながら、 冒険者家業で地力を付けながら、 訪れた異世界に潜む問題に自分で飛び込んでいく。 勇者ではありません。 召喚されたのかも迷い込んだのかもわかりません。 でも、優しい異世界への恩返しになれば・・・。

田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛

タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】 田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。

処理中です...