没落令嬢カノンの冒険者生活〜ジョブ『道具師』のスキルで道具を修復・レベルアップ・進化できるようになりました〜

もう書かないって言ったよね?

文字の大きさ
36 / 121
8日目

トカゲ最終進化

しおりを挟む
「あれ? まだ翼が生えないんですね」

 レベル20になったトカゲを進化させた。
 家の中を動き回っていた大トカゲが、もっと大きくなった。
 次の進化が最後だから、次に翼が生えないとドラゴンにはならない。

「とりあえず倒しますか。お父様が待っています」

 トカゲをドラゴンにするのが目的ではない。
 カノンは二日酔いで休んでいる父親の為に収穫を急いだ。

「とにかく撃ちまくるんだフラッ~!」
「駄目フラッ~‼︎ 魔法が効かないフラッ~!」

 倒されないように氷フライム達が、カノンに氷の砲弾を撃ちまくる。
 だけど進化した氷の盾と氷の護符——破氷の盾と氷解の護符の前に、粉々に砕けて、雪のように消えていく。
 氷魔法は完全に効かないから、体当たりで攻撃するしかない。

 もちろん、そこまで接近する前に氷フライムは倒される。
 盾を持った左手の左脇に、神風の刃杖を挟んで、右手で極上魔法薬を飲んでMPを全回復する。
 300対1でも、余裕で十数匹残して、カノンは果物とトカゲをレベル30にした。

「ふぅー。エサやりも終わりましたね」

 生き残った氷フライムに、カノンはミノタウロスの肉を与えた。
 次回の収穫も生き延びれば、もしかすると脱出するチャンスがあるかもしれない。
 そう信じて食べるしかない。

「まずは船と果物ですね」

 トカゲを進化させる前に、船と果物を進化させた。
 ドラゴンは最後のお楽しみのようだ。

「わぁー、凄く高そうです……」

 紫色の船が、青く光り輝く透明な宝石に変化した。
 アダマンタイト金属が進化した——クリスタルと呼ばれる物質だ。
 あまりの美しさに巨大宝石船を撫で回している。
 カノンは魚以外の光り物が大好きだ。

「さてと。次はドラゴンですね♪」

 レベル30の果物から美味しそうな匂いが溢れている。
 食べずにアイテムポーチに回収している。
 あとでハサミで切って、修復で増やす時に味見する。
 食材はハサミよりもナイフの方が切りやすい。
 神風ダガーで神速の千切りに挑戦だ。

「壁を斬りますか。エイッ!」

 二回進化して、トカゲの大きさは4メートルを超えた。
 家の扉から出て来てもらうのは難しい。神風の刃杖で、家の外壁を縦に斬った。
 軽く引っ張ると、ゆっくり地面に向かって倒れてくれた。

「キュー! キュー!」

 外壁がドガンと倒れる音に、大トカゲは怖がっている。
 家の中を走り回って、部屋の奥に逃げ込んだ。

「はぁー。臆病者のドラゴンさんですね。本当に強いんでしょうか?」

 戦闘用に買ったのに、大きいだけで弱そうだ。
 カノンはちょっと心配になってきた。
 それでも尻尾を両手で掴んで、大トカゲを家から引き摺り出した。
 イモ虫がチョウになるように、美しく強く進化するかもしれない。

【名前=ドラゴン(メス) 種族=は虫類(トカゲ) 損傷率=0%
 レベル=30(最大レベル) HP=838/838 MP=100/100
 力=60 体力=60 知性=37 精神=37 器用さ=37 素早さ=52】

「…………パトラッシュの方が強いです」

 進化が終わって、カノンはガッカリした。
 当たり前だ。40センチのトカゲと大型犬、強いのは決まっている。
 7メートルの巨大トカゲに進化したが、背中に翼は生えていない。

「う~ん、まだ子供なんでしょうか? 子供を進化させても、大人にならないんでしょうか?」

 カノンは騙されたとは思わずに、まだドラゴンになると信じている。
 レベル30のパトラッシュに翼が生えないのなら、トカゲにも生えない。
 でも、やっぱりおかしいと気づいたようだ。

「もしかして……あの店員さん、騙されたんじゃないんですか?」

 騙されたのは二人ではなく、一人だ。
 世間知らずのカノンは人を疑ったりしない。
 ペット屋の男店員がドラゴンだと騙されて、トカゲを買って売ってしまったと考えた。

「困りましたぁー。こんなデカイの街じゃ飼えませんよ。仕方ないですねぇ~」

 クリスタル飛行船は大きいけど、トカゲを乗せる余裕はない。
 困ったカノンは、この縦穴でトカゲを飼うことにした。
 忘れていた家を進化させて、三階建ての幅広い家を完成させた。
 外壁を斬り落とせば、トカゲ小屋の完成だ。

「お友達と仲良く遊ぶんですよ」

 カノンは飛行船に乗ると、巨大トカゲに氷フライムを任せた。
 氷奪の護符をトカゲの身体に付けたから、氷の砲弾を撃たれても平気だ。
 護符が氷の砲弾を吸収して、HPを回復してくれる。
 氷フライム相手なら無敵のドラゴンになれる。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 番外編『旅日記』

アーエル
ファンタジー
カクヨムさん→小説家になろうさんで連載(完結済)していた 【 異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 】の番外編です。 カクヨム版の 分割投稿となりますので 一話が長かったり短かったりしています。

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

異世界に来ちゃったよ!?

いがむり
ファンタジー
235番……それが彼女の名前。記憶喪失の17歳で沢山の子どもたちと共にファクトリーと呼ばれるところで楽しく暮らしていた。 しかし、現在森の中。 「とにきゃく、こころこぉ?」 から始まる異世界ストーリー 。 主人公は可愛いです! もふもふだってあります!! 語彙力は………………無いかもしれない…。 とにかく、異世界ファンタジー開幕です! ※不定期投稿です…本当に。 ※誤字・脱字があればお知らせ下さい (※印は鬱表現ありです)

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

安全第一異世界生活

ファンタジー
異世界に転移させられた 麻生 要(幼児になった3人の孫を持つ婆ちゃん) 新たな世界で新たな家族を得て、出会った優しい人・癖の強い人・腹黒と色々な人に気にかけられて婆ちゃん節を炸裂させながら安全重視の異世界冒険生活目指します!!

特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。

黄玉八重
ファンタジー
水無月宗八は意識を取り戻した。 そこは誰もいない大きい部屋で、どうやら異世界召喚に遭ったようだ。 しかし姫様が「ようこそ!」って出迎えてくれないわ、不審者扱いされるわ、勇者は1ヶ月前に旅立ってらしいし、じゃあ俺は何で召喚されたの? 優しい水の国アスペラルダの方々に触れながら、 冒険者家業で地力を付けながら、 訪れた異世界に潜む問題に自分で飛び込んでいく。 勇者ではありません。 召喚されたのかも迷い込んだのかもわかりません。 でも、優しい異世界への恩返しになれば・・・。

田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛

タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】 田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。

処理中です...