没落令嬢カノンの冒険者生活〜ジョブ『道具師』のスキルで道具を修復・レベルアップ・進化できるようになりました〜

もう書かないって言ったよね?

文字の大きさ
39 / 121
9日目

買い物・果実酒進化

しおりを挟む
「ヒック♪ この野朗ぉ~。ガッハハハ! やるじゃねぇか!」

 酒樽を揺らしているのか、エリックが揺れているのかもう分からない。
 リンゴ酒、オレンジ酒、ブドウ酒、バナナ酒、レモン酒、ブルーベリー酒……。
 次々に果実酒を完成させては、エリックはグラスに注いで飲んでいる。

【名前=エリック秘伝酒(イチゴ・メロン・モモ ) 種類=果実酒(750ミリリットル) 
 レベル=1(必要経験値0/10) 進化レベル=15 損傷率=0%】

「どれが一番美味しいんでしょう?」

 完成した酒を黒いガラス瓶に入れて、カノンは手書きのラベルを貼っている。
 一つ一つの酒を調べているけど、力や攻撃力がないから、味の違いが分からない。
 違いがあるとしたら、進化レベルが10と15があるぐらいだ。

「お父様は……無理ですね」

 一番美味しい酒を聞こうとしたけど、エリックは泥酔している。
 酒樽を赤ん坊をあやすように揺らしている。
 頼りにならない父親は諦めて、自分で調べるしかない。

「う~ん、私は飲めないから、大人の人に頼むしかないですね」
 
 雨の日だから外出したくないが、酒臭い父親と過ごすよりはマシだ。
 酒瓶をアイテムポーチに入れて、カノンは小型の飛行船を出した。
 屋根付きだから濡れる心配はない。

「あっ、野菜も進化させましょう! まずは野菜屋ですね」

 カノンは氷フライム牧場に行くつもりだが、その前に野菜屋で買い物だ。
 酒を進化させるついでに、酒用の野菜も進化させる。

「すみません。全種類ください」
「ぜ、全種類⁉︎」

 金持ちのお客様に驚く店主から、野菜屋の野菜を全種類購入した。
 父親に教えられた隠し味の、カボチャやカカオ豆は絶対に買い忘れない。

「あー、内緒で買いますか。すみません。全種類ください」

 カノンは酒屋を見つけてしまった。
 父親に悪いと思いながらも、全種類購入してしまった。
 この酒も進化させて、父の酒と店の酒を飲み比べてもらうつもりだ。
 酒場で飲み比べしてほしいと頼めば、断る酒好きはいない。

 買い物を済ませると、森の中のクリスタル飛行船に乗り換えた。
 飛行速度はこっちの方が速い。

 氷フライム牧場に到着すると、氷フライムが700匹以上に増えていた。
 生き残る為に限界を超えて増殖したようだ。
 でも飼い主を倒しても、自由は手に入らない。

「あれ? トカゲがいないです」

 カノンは巨大トカゲを探しているが見つからない。
 雨に濡れるのが嫌で、家の中に隠れていた。

「キュー! キュー!」

 トカゲはカノンを見て怖がっている。
 人間にさえ怯えるトカゲを見て、カノンは心配になった。

「うーん、魔物とは仲良く出来ないですか……もう一匹買いますか」

 ペット屋でお友達を購入することにした。
 実際には氷フライムを虐殺するカノンが怖いだけだ。

「エイッ!」

 いつものように神風の刃杖を振り回して、氷フライムを倒していく。
 エリックの酒と、購入した野菜と酒を進化させていく。
 最後にトカゲの為に、レベル30になった家を進化させた。

 三階建ての家が、バキバキ音を立てて膨らんでいく。
 家の後ろにある縦穴の壁に、家の外壁がぶつかっている。
 進化を止めて、家の木片を回収して、広い場所に移動した。

「あぁー、これは前後の家にも、引っ越してもらわないと駄目ですね」

 完成した家は三階建てのままだが、前後左右に大きく膨らんでいる。
 十分に豪邸と呼べる家だ。
 そんな家の一階外壁を、カノンは中から刃風で四角に切断した。
 トカゲ用の大きな出入り口を作ってあげた。

「これでいいですね。ついでにあっちにも作りますか」

 冷たい雨に打たれるのは身体に悪そうだ。濡れた肉は美味しそうじゃない。
 氷フライム達の為に豪邸を三軒作ると、その中に解体後のミノタウロスの肉を置いた。
 レベル30の極上ミノタウロス肉だ。もちろん神火の弾杖で、こんがりと焼いている。

「うんめえフラーッ‼︎ この肉、何なんだフラッー⁉︎」

 パトラッシュだけじゃなく、氷フライムも気に入ったようだ。
 生き残った十数匹の氷フライムが感動している。
 だけど、それが最後の晩餐になる可能性に気づいていない。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 番外編『旅日記』

アーエル
ファンタジー
カクヨムさん→小説家になろうさんで連載(完結済)していた 【 異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 】の番外編です。 カクヨム版の 分割投稿となりますので 一話が長かったり短かったりしています。

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

異世界に来ちゃったよ!?

いがむり
ファンタジー
235番……それが彼女の名前。記憶喪失の17歳で沢山の子どもたちと共にファクトリーと呼ばれるところで楽しく暮らしていた。 しかし、現在森の中。 「とにきゃく、こころこぉ?」 から始まる異世界ストーリー 。 主人公は可愛いです! もふもふだってあります!! 語彙力は………………無いかもしれない…。 とにかく、異世界ファンタジー開幕です! ※不定期投稿です…本当に。 ※誤字・脱字があればお知らせ下さい (※印は鬱表現ありです)

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。

黄玉八重
ファンタジー
水無月宗八は意識を取り戻した。 そこは誰もいない大きい部屋で、どうやら異世界召喚に遭ったようだ。 しかし姫様が「ようこそ!」って出迎えてくれないわ、不審者扱いされるわ、勇者は1ヶ月前に旅立ってらしいし、じゃあ俺は何で召喚されたの? 優しい水の国アスペラルダの方々に触れながら、 冒険者家業で地力を付けながら、 訪れた異世界に潜む問題に自分で飛び込んでいく。 勇者ではありません。 召喚されたのかも迷い込んだのかもわかりません。 でも、優しい異世界への恩返しになれば・・・。

安全第一異世界生活

ファンタジー
異世界に転移させられた 麻生 要(幼児になった3人の孫を持つ婆ちゃん) 新たな世界で新たな家族を得て、出会った優しい人・癖の強い人・腹黒と色々な人に気にかけられて婆ちゃん節を炸裂させながら安全重視の異世界冒険生活目指します!!

田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛

タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】 田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。

処理中です...