没落令嬢カノンの冒険者生活〜ジョブ『道具師』のスキルで道具を修復・レベルアップ・進化できるようになりました〜

もう書かないって言ったよね?

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10日目

パーティ解散結成

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「これで依頼終わりですね。次は何をするんですか?」

 商人とミゲールの町の冒険者ギルドの職員に、依頼達成の認め印を貰った。
 クリスタル飛行船に乗ると、カノンは次の予定をルセフとウェインに聞いた。

「ルセフ、すぐに街に戻ろうぜ。護衛と配達依頼が多いから、カノンちゃんが手伝ってくれれば全部終わる」
「手伝うも何も俺達は必要ないだろう。この女一人でやればいい」

 ウェインは三人で仲良く仕事しようだが、ルセフは一人でやっていろだ。
 いつもと同じで、カノンから距離を取っている。
 そんな態度にウェインはちょっと怒っている。

「お前、カノンちゃんに冷たすぎるぞ。恨みでもあるのかよ? それとも嫉妬か?」
「どっちも違う。弟と妹はまだスキルを授かっていない。犯罪者の仲間だと疑われたら、一生スキル無しだ」
「何だよ、それ? カノンちゃんは犯罪者じゃないだろ。そうだよね、カノンちゃん?」
「はい。悪いことは一度もしたことないです」
「はぁぁ?」

 ウェインに聞かれて、カノンは堂々と答えた。
 偽金製造、偽金使用、魔物の違法飼育、危険果実酒の製造の四つしかやってない。
 もちろん立派な犯罪者だ。ルセフはもう疑いの段階は越えて、犯罪を犯していると確信している。
 信じられない顔でカノンを見ている。

「ルセフが反対なら、俺とカノンちゃんの二人でやるしかないね。頑張ろうね!」
「助かります。一人だと冒険者ギルドの人がお仕事くれないんですよぉー」

 ルセフを無視して、二人は話を始めた。
 カノンは仕事できるなら、仕事相手は誰でもいいようだ。

「ウェイン、やめろ。関わるとロクな目に遭わないぞ」
「嫌だね。お前よりもカノンちゃんの方が可愛いし、頼りになる。今日限りでチーム解散だ」
「ああ、解散したいならしてやるよ」
「ええー、駄目ですよ! 皆んなで仲良く仕事しましょうよ!」

 一人の女をめぐって、二人の男がチーム解散の危機だ。
 カノンは止めようとしているけど、原因が消えれば問題も消える。
 だけど、本人にそのつもりはないようだ。

「カノンちゃん、無駄だって。分からず屋は放って置いて、二人で仕事しよう」
「勝手にしろ。後悔しても知らないからな」
「はんっ。後悔するのはお前だけだよ。先に中級冒険者になるけど、勝手に嫉妬するなよ」
「ふんっ。するかよ」
「あわわわわっ!」

 カノンの説得は無駄に終わった。
 あたふたしているが、チームは解散してしまった。

 ♢

「はぁ? 行って来ただと? テメェー、巫山戯てんのか?」

 街の冒険者ギルドに帰ると、失礼な職員にルセフは報告した。
 笑えない冗談を聞かされて、職員はかなり不機嫌になっている。
 そんな職員にルセフは話し続けている。

「嘘じゃないです。確認すれば分かります。あとパーティを解散するので、手続きをお願いします」
「チッ。猫の手も借りたい忙しい時に……まあ、一つが二つに増えたと思うしかないか。ほら、さっさと書け!」
「ありがとうございます」

 職員がイライラしながら、書類をカウンターの上に置いた。
 ルセフが名前と冒険者番号を書くと、ウェインも書いている。
 二人の銅色の冒険者カードを職員が確認すれば、これで手続きは終わりだ。
 解散手続きが終わると、ウェインが職員にお願いした。

「すみません。次はパーティの申請書をお願いします。リーダーはこの子でお願いします」
「ああ? この女、さっきの仮登録だろ。何だ、お前ら。女で喧嘩してんのか? くだらねえ」

 二人の後ろに隠れるように立っているカノンを見て、職員は呆れている。
 男パーティに女を入れるとよくある話だ。
 脳筋ゴリラ女を入れても、二週間もあれば恋人同士になる。
 それぐらいに冒険者は愛に飢えている。

「違いますよぉー。優秀なリーダーに変えただけですよぉー」
「優秀ねぇー……ほら、さっさと書け。あと近場の配達だ。盗まれたら、ダンジョンで強制労働だからな」
「ははっ。大丈夫ですよぉ~♪ 誰も盗めませんから!」

 職員はルセフとウェインに、一つずつ配達依頼のアイテムポーチを渡した。
 ウェインは職員から受け取った書類を、笑顔で書いて、カノンに渡した。
 空なら誰も盗めない。馬で往復3時間の近場なら、10分もあれば十分だ。
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