没落令嬢カノンの冒険者生活〜ジョブ『道具師』のスキルで道具を修復・レベルアップ・進化できるようになりました〜

もう書かないって言ったよね?

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15日目

冒険者復帰

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 エリックはカノンのお陰で、無事に特別経営相談役に復帰した。
 まだ文句がある冒険者は、外にいるパトラッシュさんが前足のお手で殴ってくれる。

「商売に邪魔者が入るのは、いつものことだ。さて、ディラン君。今日の仕事は何があるのかな?」

 カウンターの椅子に堂々と座るエリックが、部下のディランに聞いた。
 エリックは新入りだから、仕事内容はまったく知らない。
 そんな使えない新入りに、ディランが教えてあげた。

「配達と護衛の仕事は昨日のうちに全部、担当の冒険者が付きました。素材採取もほとんど終わっています。緊急性のある仕事は現在ありません」

 カノン一人に仕事させるわけにはいかない。
 冒険者達に公平に仕事は分けられた後だ。

「なるほど。私を追い出している間に仕事を全部奪ったわけか。ふんっ。男のやることじゃないな」
「はい、ですから相談役には営業をお願いしたいと思います。商会を回って、依頼がないか聞いてみてください」

 ギルド職員の仕事はあるが、エリックに出来る仕事はない。
 遠回しに邪魔だから消えてほしい、とエリックはお願いした。

「やはり知名度が低いと仕事からは来ないか。仕方ない。仕事を探しに行くとするか」
「よろしくお願いします、特別経営相談役」
「うむ。私が帰るのを楽しみに待っていなさい」

 エリックが椅子から立ち上がると、娘に作ってもらった高級な焦げ茶の上着(スーツ)を着た。
 やる気十分で営業に行って来るようだ。娘の優秀さを宣伝するだけの楽な仕事だ。

「……チッ。娘の七光り野朗め。あー、仕事辞めてくれないかな」

 椅子に消毒液を振りかけて、ディランが布で丁寧に拭いている。
 邪魔者が消えたから、やっと本格的に仕事が出来る。
 だけど邪魔者は一人じゃない。今度は娘の方が現れた。

「あれ? お父、エリックさんはどこですか?」
「急用で外出している。今日は戻って来ない」
「そうなんですか。仕事を貰いに来たんですけど……」

 ディランの希望だから、すぐに戻って来る可能性も高いが、パトラッシュがいる。
 猛獣を連れた男に仕事が欲しいと頼まれたら、簡単には断れない。命と店は大切だ。
 大量の仕事依頼と一緒に戻って来る可能性も高い。

「金と乗り物があるなら、自分で商売するんだな。そもそも冒険者は金を稼ぐ為に仕事している。女子供の遊び場じゃない。お前の子供仲間と一緒に遊んでろ」
「あっ! そういえば二人のこと忘れていました!」

 父親と同じ手で、ディランは仕事が無いと言って、カノンを手で追い払った。
 カノンは失礼な態度には気付かずに、放置したルセフ兄妹を思い出した。

 現在のルセフ兄妹は、庭で日向ぼっこしている。
 リーダーが一時解雇されたから、兄妹も一緒に解雇された。
 そして配達から帰って来たルセフに、強力武器と飛行船は没収された。
 自宅で外出禁止の罰を受けている。

「うーん、困りました。配達の仕事がないなら、ダンジョンで増やせそうな魔物でも集めますか」

 カノンは少し頭を使うと、新しいスライムかフライムを捕まえることにした。
 海中で見つけたサメの形に改良した、青く輝くサメ型飛行船でルセフ兄妹の家に向かった。

 ♢

「あっ、リーダーだ」

 兄妹は金色の飛行船には驚いたが、上空にサメ型飛行船が現れても驚かなかった。
 誰が乗っているのか、ひと目見ただけですぐに分かった。
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