68 / 121
17日目
結婚身代わり
しおりを挟む
「やっぱり結婚するなら伯爵様よ。同い年と年下の子爵様は駄目」
「ジャンお兄ちゃんが結婚してあげなよ」
「3つも上のババアなんて嫌だよ」
「私も5つ上のジジイはちょっと」
庭でなら遊んでいいらしいので、カノンはルセフの家族に遊ばれている。
お見合い写真を見せて、誰と結婚したらいいか相談したら、結婚相手が決まってしまった。
兄弟二人にフラれたから、もうニコラが推薦する伯爵と結婚するしかない。
「駄目よ。チヤホヤされるのは今だけよ。若い時は勢いで結婚した方がいいのよ」
「でも、全然知らない人と結婚したくないです。何回かデートした方が良いと思うんです。相性とか趣味が合わないと長続きしないと思うんです」
息子達と結婚させたくないのか、ニコラは伯爵との結婚を強くおすすめしている。
でもカノンは結婚する気になれない。
貴族と結婚して、飛行船と魔法油を作り続ける人生は嫌だ。
「デートなんてしても無駄よ。結婚するまでアイツら本性見せないんだから! 結婚前に言っていることは、全部嘘だと思いなさい!」
「そ、そうなんですか?」
「そうよ! 過去に戻れるなら、あの時の私を引っ叩いて止めていたわ!」
「は、はぁ……」
ニコラは結婚させたいのか、させたくないのか分からない。
分かったのは今の夫に不満があって、後悔していることだけだ。
子供達の前で話す内容ではない。
当てにならない相談相手は諦めて、カノンは飛行船で家に帰りながら考えた。
「仕方ないです。パトラッシュで許してもらいましょう」
考えた末に、身代わりを用意することに決めた。
パトラッシュに修復スキルを覚えさせれば、飛行船と魔法油を増やすことが出来る。
ついでに今までの飛行船も、パトラッシュが作っていたことにする。
これでスキル目当ての結婚なのか分かる。
カノンを選べば本気で、パトラッシュを選べばスキル目当てだ。
「完璧な作戦です。あとは覚えさせるだけですね♪」
結婚回避の名案を思いついて、カノンはご機嫌だ。
スキル芸を教える為に家に急ぐと、結果をハラハラ待っていたエリックに捕まった。
「おお! その顔は上手くいったみたいだな! 誰と付き合うんだ!」
「伯爵様にしようと思います。これから準備するので大丈夫です」
「やはり私の娘は見る目がある! 子爵二人は比べる為に用意しただけだ。最初から断るつもりだったから、気にする必要はないぞ」
エリックはカノンが選んだ相手に喜んでいる。子爵なんかを選んだら叱っていた。
これで伯爵婦人の娘を持って、金だけでなく、地位も手に入る。
成功すれば見事な返り咲きだが、カノンに結婚の意思はない。
「パトラッシュ~♪ 今日から修復スキルを覚えるまで食事抜きですよぉ~♪」
「クゥーン」
カノンは二階に上がると、部屋にゴロンと寝ていたパトラッシュを撫で回した。
パトラッシュがどんどん縮小されていく。特別訓練から逃すつもりはないようだ。
手乗りサイズにすると、飼育ケースを作って、中に閉じ込めた。
パトラッシュの命懸けの挑戦が始まった。
「ジャンお兄ちゃんが結婚してあげなよ」
「3つも上のババアなんて嫌だよ」
「私も5つ上のジジイはちょっと」
庭でなら遊んでいいらしいので、カノンはルセフの家族に遊ばれている。
お見合い写真を見せて、誰と結婚したらいいか相談したら、結婚相手が決まってしまった。
兄弟二人にフラれたから、もうニコラが推薦する伯爵と結婚するしかない。
「駄目よ。チヤホヤされるのは今だけよ。若い時は勢いで結婚した方がいいのよ」
「でも、全然知らない人と結婚したくないです。何回かデートした方が良いと思うんです。相性とか趣味が合わないと長続きしないと思うんです」
息子達と結婚させたくないのか、ニコラは伯爵との結婚を強くおすすめしている。
でもカノンは結婚する気になれない。
貴族と結婚して、飛行船と魔法油を作り続ける人生は嫌だ。
「デートなんてしても無駄よ。結婚するまでアイツら本性見せないんだから! 結婚前に言っていることは、全部嘘だと思いなさい!」
「そ、そうなんですか?」
「そうよ! 過去に戻れるなら、あの時の私を引っ叩いて止めていたわ!」
「は、はぁ……」
ニコラは結婚させたいのか、させたくないのか分からない。
分かったのは今の夫に不満があって、後悔していることだけだ。
子供達の前で話す内容ではない。
当てにならない相談相手は諦めて、カノンは飛行船で家に帰りながら考えた。
「仕方ないです。パトラッシュで許してもらいましょう」
考えた末に、身代わりを用意することに決めた。
パトラッシュに修復スキルを覚えさせれば、飛行船と魔法油を増やすことが出来る。
ついでに今までの飛行船も、パトラッシュが作っていたことにする。
これでスキル目当ての結婚なのか分かる。
カノンを選べば本気で、パトラッシュを選べばスキル目当てだ。
「完璧な作戦です。あとは覚えさせるだけですね♪」
結婚回避の名案を思いついて、カノンはご機嫌だ。
スキル芸を教える為に家に急ぐと、結果をハラハラ待っていたエリックに捕まった。
「おお! その顔は上手くいったみたいだな! 誰と付き合うんだ!」
「伯爵様にしようと思います。これから準備するので大丈夫です」
「やはり私の娘は見る目がある! 子爵二人は比べる為に用意しただけだ。最初から断るつもりだったから、気にする必要はないぞ」
エリックはカノンが選んだ相手に喜んでいる。子爵なんかを選んだら叱っていた。
これで伯爵婦人の娘を持って、金だけでなく、地位も手に入る。
成功すれば見事な返り咲きだが、カノンに結婚の意思はない。
「パトラッシュ~♪ 今日から修復スキルを覚えるまで食事抜きですよぉ~♪」
「クゥーン」
カノンは二階に上がると、部屋にゴロンと寝ていたパトラッシュを撫で回した。
パトラッシュがどんどん縮小されていく。特別訓練から逃すつもりはないようだ。
手乗りサイズにすると、飼育ケースを作って、中に閉じ込めた。
パトラッシュの命懸けの挑戦が始まった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
347
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる