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18日目
真実の愛試し
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「お、お腹空いたワン……」
パトラッシュは頑張って、修復、解体、縮小化の三つのスキルを覚えた。
飼い主が寝ているうちに飼育ケースを解体して、脱出したら縮小化を少しずつ解いた。
ちょうどいい大きさになると、アイテムポーチの中を勝手に探した。
「巨大ソーセージだワン!」
辛いソーセージ付きのパンを見つけた。
覚えたばかりの縮小化で、パトラッシュはどんどん小さくなった。
目の前には巨大になったソーセージがある。
自分の身体の三倍も長いから食べきれない。
♢
「んん~~っ! はぁ~。今日こそはフライム探しです!」
大きく背伸びして、カノンは朝起きた。
残り五種類のフライムを集めれば、動く光り物の魔物園の完成だ。
「え? 何ですか、これは? パトラッシュがパンに挟まっています」
「クゥー、クゥー」
真ん中に切れ目があるパンが、床に落ちている。
そのパンを布団代わりに、ケチャップ塗れのパトラッシュが寝ている。
パトラッシュは食べられたいようだ。
「あー、なるほど。夜中に飼育ケースから出て、夜食を食べたんですね。仕方ないですね」
でも、カノンが珍しく状況を理解した。
膨らんだ腹のパトラッシュをパンごと持ち上げた。
エリックの朝食には出さずに、洗面所で顔を洗うついでに、パトラッシュを洗っている。
「クゥ~ン」
「これで綺麗になりました。さあ、行きますよ」
洗い終わると濡れた身体を、タオルで綺麗に拭いている。
今日は大事な日だから、いつもよりも優しい。
「お父様、おはようございます。パトラッシュの準備が出来ました」
「パトラッシュの準備? 一体何の準備だ?」
エリックは分からないようだが、もちろん身代わりの準備だ。
カノンが説明すると、エリックは娘の気持ちを理解した。
それでも伯爵と結婚させたいようだ。
「うーん、結婚は嫌か。確かにスキル目当てなら、パトラッシュでもいいが……」
エリックはパトラッシュを手土産に、伯爵家に断りに行くのは嫌そうだ。
伯爵に怒られると心配している。
そんな娘思いではない、自分思いな父親の背中をカノンは後押しした。
「では、スキル無しの私を伯爵様、スキル有りのパトラッシュを子爵様に勧めてみてください。伯爵様がパトラッシュを選んだら、スキル目当てです。子爵様が私を選んだら、私目当てです」
「真実の愛を確かめたいわけか……分かった。明日、夜会を用意しよう。それでお前の気持ちが決まるならば安いものだ」
悩んだ末にエリックは、小さなパーティーを開くことを決めた。
パーティー会場に人を集めて、安全を確保した状態で伯爵と子爵を試してみる。
伯爵に怒られても、娘思いの良い父親として、会場にいる貴族と金持ちの間で評判になる。
「ありがとうございます、お父様! あと先に伯爵様に教えるのは絶対に駄目ですよ」
「ははっ♪ 心配しなくても大丈夫だ。大事な娘を頼むんだ。私も信用できる男なのか確かめたい」
カノンはエリックにお礼を言うと、念の為にズルしないように注意した。
注意しなくても、エリックはそんなことはしない。
伯爵を騙せても、伯爵がカノンを選んでも、エリックには得しかない。
だけど、伯爵がパトラッシュを選んで、子爵がカノンを選ぶと状況が変わる。
男爵より一つ上の子爵程度の真実の愛は要らない。
「お父様、夜には帰って来ますね」
「ああ、怪我しないようにな」
パトラッシュとドラゴンを連れて、カノンがフライム捕獲に出かけた。
しばらくするとエリックも、高級スーツを着て家から出た。
「よし、急いで別の伯爵を用意するか」
明日の夜まで時間はある。
知り合いの男爵に夜会を教えて、男爵に知っている貴族も連れて来ていいですよ、と伝えればいい。
運が良ければ、伯爵より上の侯爵も来るかもしれない。
エリックは結婚を断られて一瞬ヒヤヒヤしたが、ピンチがチャンスに変わりそうな予感がしている。
パトラッシュは頑張って、修復、解体、縮小化の三つのスキルを覚えた。
飼い主が寝ているうちに飼育ケースを解体して、脱出したら縮小化を少しずつ解いた。
ちょうどいい大きさになると、アイテムポーチの中を勝手に探した。
「巨大ソーセージだワン!」
辛いソーセージ付きのパンを見つけた。
覚えたばかりの縮小化で、パトラッシュはどんどん小さくなった。
目の前には巨大になったソーセージがある。
自分の身体の三倍も長いから食べきれない。
♢
「んん~~っ! はぁ~。今日こそはフライム探しです!」
大きく背伸びして、カノンは朝起きた。
残り五種類のフライムを集めれば、動く光り物の魔物園の完成だ。
「え? 何ですか、これは? パトラッシュがパンに挟まっています」
「クゥー、クゥー」
真ん中に切れ目があるパンが、床に落ちている。
そのパンを布団代わりに、ケチャップ塗れのパトラッシュが寝ている。
パトラッシュは食べられたいようだ。
「あー、なるほど。夜中に飼育ケースから出て、夜食を食べたんですね。仕方ないですね」
でも、カノンが珍しく状況を理解した。
膨らんだ腹のパトラッシュをパンごと持ち上げた。
エリックの朝食には出さずに、洗面所で顔を洗うついでに、パトラッシュを洗っている。
「クゥ~ン」
「これで綺麗になりました。さあ、行きますよ」
洗い終わると濡れた身体を、タオルで綺麗に拭いている。
今日は大事な日だから、いつもよりも優しい。
「お父様、おはようございます。パトラッシュの準備が出来ました」
「パトラッシュの準備? 一体何の準備だ?」
エリックは分からないようだが、もちろん身代わりの準備だ。
カノンが説明すると、エリックは娘の気持ちを理解した。
それでも伯爵と結婚させたいようだ。
「うーん、結婚は嫌か。確かにスキル目当てなら、パトラッシュでもいいが……」
エリックはパトラッシュを手土産に、伯爵家に断りに行くのは嫌そうだ。
伯爵に怒られると心配している。
そんな娘思いではない、自分思いな父親の背中をカノンは後押しした。
「では、スキル無しの私を伯爵様、スキル有りのパトラッシュを子爵様に勧めてみてください。伯爵様がパトラッシュを選んだら、スキル目当てです。子爵様が私を選んだら、私目当てです」
「真実の愛を確かめたいわけか……分かった。明日、夜会を用意しよう。それでお前の気持ちが決まるならば安いものだ」
悩んだ末にエリックは、小さなパーティーを開くことを決めた。
パーティー会場に人を集めて、安全を確保した状態で伯爵と子爵を試してみる。
伯爵に怒られても、娘思いの良い父親として、会場にいる貴族と金持ちの間で評判になる。
「ありがとうございます、お父様! あと先に伯爵様に教えるのは絶対に駄目ですよ」
「ははっ♪ 心配しなくても大丈夫だ。大事な娘を頼むんだ。私も信用できる男なのか確かめたい」
カノンはエリックにお礼を言うと、念の為にズルしないように注意した。
注意しなくても、エリックはそんなことはしない。
伯爵を騙せても、伯爵がカノンを選んでも、エリックには得しかない。
だけど、伯爵がパトラッシュを選んで、子爵がカノンを選ぶと状況が変わる。
男爵より一つ上の子爵程度の真実の愛は要らない。
「お父様、夜には帰って来ますね」
「ああ、怪我しないようにな」
パトラッシュとドラゴンを連れて、カノンがフライム捕獲に出かけた。
しばらくするとエリックも、高級スーツを着て家から出た。
「よし、急いで別の伯爵を用意するか」
明日の夜まで時間はある。
知り合いの男爵に夜会を教えて、男爵に知っている貴族も連れて来ていいですよ、と伝えればいい。
運が良ければ、伯爵より上の侯爵も来るかもしれない。
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