没落令嬢カノンの冒険者生活〜ジョブ『道具師』のスキルで道具を修復・レベルアップ・進化できるようになりました〜

もう書かないって言ったよね?

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18日目

闇フライム・ドラゴンジョブ

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「ここが腐敗の洞窟ですか。臭そうです」

 暗い森の中にある、闇フライムが住む洞窟にやって来た。
 犬が土壁を掘って作ったような天然の洞窟は狭い。
 パトラッシュとドラゴンは縮小しないと入れない。

「ク、クゥ~ン!」
「うぅぅ、やっぱり臭いです。早く捕まえて帰りましょう」

 腐敗の洞窟の推奨レベルは20ぐらいだ。
 カノンは神光の杖で光弾を作って、杖の先に浮かべて、パトラッシュを先頭に進んでいく。
 洞窟の中は生息する魔物の糞の臭いで、とても臭い状態だ。

 洞窟には闇フライム以外にも、ゾンビウルフとゾンビコウモリが住んでいる。
 身体が腐っているだけだから、噛まれてもゾンビにはならない。
 だけど、感染症で高熱になって倒れるから、万能薬の準備が必要だ。

「ワフゥ~♪」
「ふぅー。これで平気です」

 カノンは我慢できずに、左手に神風の杖を持った。
 杖で強風を作って、臭いを洞窟の奥に向かって飛ばしている。
 狭い洞窟だから助かった。広い洞窟だったら臭いを押し返せない。

「ワフゥ!」
「きゃーん‼︎」

 パトラッシュの強烈な右前足のお手パンチが、向かって来たゾンビウルフを倒した。
 噛んだら駄目な相手ぐらい分かる。腐った肉を食べるのは身体に凄く悪い。

「うーん、見つかりません。闇フライムは光に弱いそうです。この光に当たって倒されてるんでしょうか?」

 光弾の光で倒される、レベル20の魔物はいない。
 夜まで時間はあるが、その前に教会にドラゴンを連れて行きたい。
 カノンは闇フライムをさっさと捕まえたい。

「はぁー。疲れました。一番奥まで来てしまいました」

 カノンは万能地図図鑑をパタンと閉じた。
 地図を頼りに腐敗の洞窟の最深部までやって来た。
 少し広めの空間に闇フライムが集まって、グルグル回って踊っている。

「フララララ♪ 深淵に招かれざる客が来たフラか」
「闇の底には絶望だけしか沈んでないと、知らないようフラ」
「どれ、命の輝きを永遠の闇で消してやろうかフラ?」

 愚かな侵入者達に気づいて、24匹の闇フライムが踊るのを止めた。
 全匹自信たっぷりだが、闇フライムは自称最強フライムだ。
 真の力が覚醒すれば、誰にも負けない自信がある。

「さあ、帰りましょう」
「フラッ。まだその時ではなかったフラか」

 虫網に捕まった闇フライムが、脅されて仲間にされて、ガラス瓶に入れられた。
 やはり真の力は覚醒しなかった。

 ♢

 残りのフライムは、雷と光フライムの二種類だけだ。
 午後5時。街に戻るとカノンは教会に向かった。
 小さくしたドラゴンが、ジョブを習得できるか確認だ。
 
「今日は一人ですか?」
「はい、一人です」
「…………」

 怪しまれないように、教会の神父には一人分の料金を支払った。
 手乗りドラゴンには服の中に隠れてもらう。
 だが、すでに怪しまれて教会上層部には報告済みだ。

「きっとドラゴンだから、凄いジョブを貰えるはずです。さあ、神様に祈ってください」
「どうか神様、凄いジョブをくださいカゲ」

 祈りの間に入ると、ドラゴンはカノンに言われた通りに祈り始めた。
 かなり期待されているが、期待通りに行くとは限らない。
 床に青く輝く魔法陣が浮かび上がり、ドラゴンのジョブとスキルが書かれていく。
 ジョブが貰えただけで成功だ。

【ジョブ=神業砂魔術師
 スキル1=MPを消費して、触れたものを削り取る、砂の大息を吐くことが可能
 スキル2=MPを消費して、触れたものを削り取る、砂の巨大竜巻を飛ばすことが可能
 スキル3=MPを消費して、自分を中心に半径500メートルの範囲に、巨大地震を発生させることが可能
 スキル4=MPを消費して、自分の分身を3体作ることが可能】

 ドラゴンに相応しい攻撃力重視の魔法だ。単独で街を砂に変えることが出来る。
 でも飼い主が期待するジョブは、こういうジョブではなかった。
 
「う~ん、こういうのじゃないんですよね。もっと凄いというか……凄い感じがいいんですよね」
「……凄いじゃ分からないカゲ」

 飼い主の理不尽で抽象的な言い掛かりに、ドラゴンは不満しかない。
 凄いジョブがあるなら、具体的に説明してほしい。
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