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21日目
次女ミランダ
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今日の自由時間を力で勝ち取ると、カノンは今日の予定を考えた。
姉のフローラを教会に連れて行くのは、昨日から決めている。
凄いジョブを貰えば、一緒に色々と遊ぶことが出来る。
もの凄く楽しそうだ。
「ミランダお姉様も連れて行きましょう。一人だけ仲間ハズレは可哀想です」
使用人達は遊んでくれないので、カノンは遊び相手を求めている。
パトラッシュはワンとクゥーンしか言わないから、話し相手にはならない。
「ルセフさんとウェインさんは……う~ん、悩みどころです」
街で出来た知り合いと友達は少ない。
しかもまた一から始めないといけない。
カノンはどうしようかと悩んでいる。
護衛依頼を頼んで、近場の町やダンジョンに行って遊んでもいい。
帰りにジャンやシリカへのお土産を渡してもいい。
上級冒険者として黄金カードを見せて、最強パーティに勧誘するのも面白そうだ。
パーティ人数を増やしていって、勇者として尊敬されるのも楽しそうだ。
やれることと、やりたいことは沢山ある。
「とりあえず姉様のジョブを手に入れてから考えましょう!」
ちょっと考えた結果、街の知り合いは保留することにした。
まずはフローラとミランダのジョブを貰うのが先だ。
二人を説得して、母親に内緒で教会まで連れ行くのは難しそうだ。
「ミランダお姉様、カノンです。入りますね」
扉を軽くコンコンすると、カノンはミランダの部屋に入った。
ミランダの肖像画が何枚も、部屋の壁に飾られている。
世界一好きな人は自分で、世界一美しい女も自分だと言わんばかりだ。
「ミランダお姉様、まだ寝ているんですか? もう7時になりますよ」
「んんぁぁ、うるさいぃ」
ピンク色の寝巻きを着ているミランダは、枕に顔を埋めると凄く嫌そうにしている。
起きるのは起きたい時間だと決めている。まだ起きたくない。
仕方ないので、カノンは起こすのを諦めて、ベッドの中に潜り込んだ。
自分も無理矢理に起こされたから、まだ眠り足りない。
「すぅー、すぅー」
「……こら、何寝てんのよ。私のベッドで寝ないでよ」
隣に人がいたら眠れない。熟睡している妹にミランダは怒っている。
部屋の床にはパトラッシュも寝ている。絨毯に犬の毛が付くのは許せない。
「邪魔!」
「はぐう!」
またカノンはベッドから落とされた。
この家では末っ子三女の扱いは酷い。一番下だから、下に扱っても問題ない。
きっと長男だったら、もの凄く可愛がられていた。
「うぅぅ、酷いです。せっかく気持ち良く寝ていたのに」
「それは私の台詞よ。駄犬を連れて部屋から出て行って」
「パトラッシュは駄犬じゃないです。凄く優秀な駄犬です」
オデコを撫でながら、カノンは抗議した。雑種の駄犬なのは知っている。
ペット屋の段ボール箱に8匹入っていた。1匹2000ギルドで売られていた。
「どっちでもいいわ。ふぁ~、それよりも何の用なの? 私のベッドに寝に来たわけじゃないでしょ」
眠そうな目で欠伸すると、ミランダはカノンに聞いた。
もしもベッドに寝に来ただけと答えたら、駄犬と一緒に蹴って追い出す。
「お母様に内緒で、フローラ姉様と教会に行こうと思っているんです。教会に行くとジョブが貰えるんですよ。15歳で貰えるんだから、早く貰わないと勿体ないです!」
「はぁー、そんなこと。ジョブなんて貰っても、貴族は使わないのよ。ジョブは平民が使うもので、貴族は使い方を教えるの。貴族が使うのはジョブじゃなくて、頭よ。寝ている暇があるなら、勉強でもしていなさい」
馬鹿な妹には付き合えないと、ミランダはベッドに寝転んで、また寝ようとしている。
お母様に怒られたいなら、姉と二人仲良く怒られればいい。
「……姉様、凄いジョブ貰えそうにないですもんね。仕方ないです、フローラ姉様と二人で行きます。お休みなさいです」
「……はぁ? カノン、今何てった?」
「えっ?」
妹の聞き捨てならない言葉に、ミランダがキレ起きた。
ベッドから飛び出すと、カノンの髪の毛を掴んでいる。
「お、お休みなさいと言っただけです」
「小声でも聞こえてんのよ。この私がゴミジョブを貰うと思っているんでしょ」
「そんなこと一度も思ったことないです!」
「二度も三度も嘘ついてんじゃないわよ!」
ミランダは地獄耳だ。自分の悪口はどんなに小さな声でも聞き逃さない。
嘘吐き妹の首と手首を掴むと、ベッドに走り出した。
そのまま流れような動きで、顔面から柔らかいベッドに叩きつけた。
「きゃああああ、はふう!」
痛くはないが、HPダメージは0じゃない。カノンはベッドの上に倒された。
姉のフローラを教会に連れて行くのは、昨日から決めている。
凄いジョブを貰えば、一緒に色々と遊ぶことが出来る。
もの凄く楽しそうだ。
「ミランダお姉様も連れて行きましょう。一人だけ仲間ハズレは可哀想です」
使用人達は遊んでくれないので、カノンは遊び相手を求めている。
パトラッシュはワンとクゥーンしか言わないから、話し相手にはならない。
「ルセフさんとウェインさんは……う~ん、悩みどころです」
街で出来た知り合いと友達は少ない。
しかもまた一から始めないといけない。
カノンはどうしようかと悩んでいる。
護衛依頼を頼んで、近場の町やダンジョンに行って遊んでもいい。
帰りにジャンやシリカへのお土産を渡してもいい。
上級冒険者として黄金カードを見せて、最強パーティに勧誘するのも面白そうだ。
パーティ人数を増やしていって、勇者として尊敬されるのも楽しそうだ。
やれることと、やりたいことは沢山ある。
「とりあえず姉様のジョブを手に入れてから考えましょう!」
ちょっと考えた結果、街の知り合いは保留することにした。
まずはフローラとミランダのジョブを貰うのが先だ。
二人を説得して、母親に内緒で教会まで連れ行くのは難しそうだ。
「ミランダお姉様、カノンです。入りますね」
扉を軽くコンコンすると、カノンはミランダの部屋に入った。
ミランダの肖像画が何枚も、部屋の壁に飾られている。
世界一好きな人は自分で、世界一美しい女も自分だと言わんばかりだ。
「ミランダお姉様、まだ寝ているんですか? もう7時になりますよ」
「んんぁぁ、うるさいぃ」
ピンク色の寝巻きを着ているミランダは、枕に顔を埋めると凄く嫌そうにしている。
起きるのは起きたい時間だと決めている。まだ起きたくない。
仕方ないので、カノンは起こすのを諦めて、ベッドの中に潜り込んだ。
自分も無理矢理に起こされたから、まだ眠り足りない。
「すぅー、すぅー」
「……こら、何寝てんのよ。私のベッドで寝ないでよ」
隣に人がいたら眠れない。熟睡している妹にミランダは怒っている。
部屋の床にはパトラッシュも寝ている。絨毯に犬の毛が付くのは許せない。
「邪魔!」
「はぐう!」
またカノンはベッドから落とされた。
この家では末っ子三女の扱いは酷い。一番下だから、下に扱っても問題ない。
きっと長男だったら、もの凄く可愛がられていた。
「うぅぅ、酷いです。せっかく気持ち良く寝ていたのに」
「それは私の台詞よ。駄犬を連れて部屋から出て行って」
「パトラッシュは駄犬じゃないです。凄く優秀な駄犬です」
オデコを撫でながら、カノンは抗議した。雑種の駄犬なのは知っている。
ペット屋の段ボール箱に8匹入っていた。1匹2000ギルドで売られていた。
「どっちでもいいわ。ふぁ~、それよりも何の用なの? 私のベッドに寝に来たわけじゃないでしょ」
眠そうな目で欠伸すると、ミランダはカノンに聞いた。
もしもベッドに寝に来ただけと答えたら、駄犬と一緒に蹴って追い出す。
「お母様に内緒で、フローラ姉様と教会に行こうと思っているんです。教会に行くとジョブが貰えるんですよ。15歳で貰えるんだから、早く貰わないと勿体ないです!」
「はぁー、そんなこと。ジョブなんて貰っても、貴族は使わないのよ。ジョブは平民が使うもので、貴族は使い方を教えるの。貴族が使うのはジョブじゃなくて、頭よ。寝ている暇があるなら、勉強でもしていなさい」
馬鹿な妹には付き合えないと、ミランダはベッドに寝転んで、また寝ようとしている。
お母様に怒られたいなら、姉と二人仲良く怒られればいい。
「……姉様、凄いジョブ貰えそうにないですもんね。仕方ないです、フローラ姉様と二人で行きます。お休みなさいです」
「……はぁ? カノン、今何てった?」
「えっ?」
妹の聞き捨てならない言葉に、ミランダがキレ起きた。
ベッドから飛び出すと、カノンの髪の毛を掴んでいる。
「お、お休みなさいと言っただけです」
「小声でも聞こえてんのよ。この私がゴミジョブを貰うと思っているんでしょ」
「そんなこと一度も思ったことないです!」
「二度も三度も嘘ついてんじゃないわよ!」
ミランダは地獄耳だ。自分の悪口はどんなに小さな声でも聞き逃さない。
嘘吐き妹の首と手首を掴むと、ベッドに走り出した。
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