没落令嬢カノンの冒険者生活〜ジョブ『道具師』のスキルで道具を修復・レベルアップ・進化できるようになりました〜

もう書かないって言ったよね?

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22日目

女給見習い・誘惑作戦

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 宮殿を出ると夕暮れ時だった。
 夜遅くに帰るか、野宿して明日の朝に帰るか選べる。
 お嬢様に朝帰りなんてさせられないと、すぐに帰ることになった。

「冒険者って何なのよ! 少し強いからって威張って馬鹿みたい!」

 ウェインが御者をする馬車に乗っても、ミランダはまだ怒っている。
 馬車にはカノン、ナンシー、ベアトリスの三人が乗っている。
 ルセフが御者をするあっちの馬車と違い、ルセフの被害者が多い。

「粗暴な男が多いんですよ。ミランダお嬢様、もう関わるのはやめた方がいいです」

 ルセフに剣を寸止めされたベアトリスが一緒に怒っている。
 これだけ不愉快な目に遭わされたら、普通は言わなくても関わらない。

「いいえ、駄目よ! 言われっぱなしは悔しいじゃない。アイツを悔しがらせる方法を考えなさい! その方法でアイツを死ぬほど悔しがらせてやるわ!」

 だけど、ミランダはやられたらやり返す女だ。このまま見逃してやるつもりはないらしい。

「でしたら、お嬢様が自分の力だけで、お金を稼ぐのが一番です。スキルを使えば、比較的簡単に出来ると私は思います」
「ふーん、面白そうだけど。何をすればいいの?」

 ナンシーの方法に、ミランダは少し興味があるようだ。方法を聞いている。

「屋敷の中でやると親の力だと言われるだけです。例えば、酒場の皿洗い、床磨きとかはどうでしょうか? 貰えるお金は微々たるものかもしれませんが、軽い運動にもなって、気分がスッキリすると思います」

 酒場の女給はスポンジとモップが使えれば、ミランダでも出来そうな簡単な仕事だ。
 でも、ベアトリスが猛反対している。

「あなた、正気? ミランダお嬢様に使用人の仕事をしろと言っているの? 奥様が聞いたら叱られるわよ」
「では、交友のある貴族の屋敷を回って、宝石の付いたくすんだ指輪でも磨かせてもらいますか? そっちの方が見っともないと私は思いますけど」
「靴磨きの乞食をやるよりはマシよ。あなた、ミランダお嬢様に汚い仕事をさせたいだけなんじゃないの?」

 苦労して端た金を手に入れるか、苦労せずに大金を手に入れるか……。
 ナンシーはミランダにお金ではなく、苦労の大変さを学んでほしいだけだ。
 けれども屋敷には、ベアトリスみたいに反対する者が多い。現実的な方法ではない。

「姉様が強くなればいいんじゃないですか? 強くなって決闘を申し込めばいいんです! ボコボコにしてやれば、絶対に悔しがりますよ!」
「あは♪ それいいわね! 泣きながら許してくださいとか、アイツ絶対に謝るわよ!」

 妹の単純な方法にミランダは大喜びしている。
 地面に四つん這いになって、顔ボコボコのルセフが謝る姿を想像している。
 想像力は凄いが、その想像を現実にするのに必要なのは戦闘力だ。

「ミランダお嬢様、それは駄目です。力でやられて力で返したら、相手と同じです」

 本当にやりそうで怖いから、ナンシーは本気で注意した。
 やり過ぎで殺してしまったら、見っともないでは済まない。

「えー、じゃあどうすればいいの? あの冒険者ギルドを私がピカピカにしても、アイツが悔しがるとは思えないけど」
「それはそうかもしれませんが……」

 本当にボコボコにするつもりだったらしい。不機嫌そうにミランダが別の方法を聞いている。
 確かに酒場が綺麗になっても、悔しがる姿は想像できない。
 頑張っているじゃないかと褒められる気がする。

「では、アイツを惚れさせるのはどうでしょうか? ミランダお嬢様の女の魅力でメロメロにするんです。無理矢理に手を出そうとしたら、襲われたと牢屋送りに出来ます。告白してきた場合はこっぴどく振れますよ」

 ベアトリスは関わらない方がいいと言ってたのに、めちゃくちゃ関わる方法だ。

「ふーん、面白そうだけど。それって簡単すぎるんじゃないかしら? 私が本気で誘えば、アイツ一時間で告白してくるわよ」

 その自信がどこから現れるのか知りたいが、ミランダはやってもいい雰囲気だ。
 誘っても見向きもされなかった場合は、逆に逆上して暴力的に襲ってそうだ。
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