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23日目
凄腕冒険者
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「お母様、庭に訓練所を作ってください。私、冒険者になって月100万ギルド稼ぎたいんです」
珍しく朝の朝食にミランダがやって来ると、テーブルに座る母親にお願いした。
色仕掛け作戦ではなく凄腕冒険者になって、ルセフよりも高収入になって、見返すことに決めた。
「夜遅く帰ってきたと思ったら、何を馬鹿なことを言っているんですか。エリック、あなたの所為で、さっそく娘に悪影響が出ていますよ」
くだらない話には興味はないと、ロクサーヌは娘から夫に視線を向けた。
エリックが街への散歩を賛成したから、馬鹿な娘が馬鹿なことを言い出したと非難している。
「まあまあ、ロクサーヌ。ミランダは昨日色々と学んだんだ。朝起きられたのはその証拠じゃないか。その訓練所とやらで、剣や弓の先生から武器の使い方を習いたいんだろ?」
「違います、お父様。訓練所はスライムという大きな青トマトを倒して、レベルを上げる所です。レベルを上げれば、身体もジョブも強くなるんですよ」
「ほぉー、それは知らなかった。ミランダは賢いんだな」
「まあ、このぐらいは一般常識です♪」
エリックは妻よりも娘に愛されたいようだ。カノンと同じようにミランダの味方をしている。
訓練所もすぐに屋敷の中に用意するはずだ。
「またあなたはそうやって……訓練所も冒険者になる必要もありません。必要ないことはやる必要ありません」
「でも、お母様! 私、昨日冒険者の男に、一人では何も出来ない赤ん坊だと言われたんですよ。このままでは悔しいです。見返してやりたいんです!」
父親は賛成だが、母親は反対だ。反対する母親にミランダは昨日の出来事を話した。
貴族が平民に馬鹿にされたんだから、ロクサーヌも怒って協力してくれると思っている。
だけど、現実はそんなに甘くない。
「そんな理由ならますますくだらない。小さな相手に馬鹿にされて悔しがる時点で、あなたもその男と同じ位置に立っている証拠です。街に出ることは許します。でも、街の人間になるのは許しません。貴族は上から下の者を見下ろす立場です。あなたには貴族としての自覚がありません」
平民程度に怒るようなら貴族失格だと、ミランダは母親に怒られている。
平民エリックは、近くで叱られている娘を見ていることしか出来ない。
ロクサーヌが平民でも夫には、めちゃくちゃ怒るのを知っている。
♢
「——みたいなことがあったのよ。酷いと思わない? もう自分でやるしかないわね」
「は、はぁ……」
食堂から妹の部屋にミランダは移動した。
母親と父親の愚痴をカノンに聞かせている。
「とりあえずレベル30よ。昨日、アイツら見ていただけだから、昨日の四人と近くの魔物を倒しに行くわよ。私の使用人が大工だから、庭に訓練所も建てられるわ」
「それはいいですけど、私も行かないと駄目ですか?」
カノンは飛行船での一人観光を予定している。姉のつまらない誇りに付き合いたくない。
使用人のナンシーは好きに連れて行っても構わない。
「当たり前でしょう。私がやるんだから、あんたもやらないと駄目。一人だけ楽しようなんて許さないわ」
逃げられない運命らしい。姉の権限でカノンも強制参加だ。
でも、馬鹿姉にカノンは言いたいことがある。
「姉様、倒した魔物はどうするんですか? 姉様も使用人も解体できませんよね? それだと買取ってもらえないですよ」
月に100万ギルド稼ぎたいのは分かったけど、稼ぐ方法をキチンと考えていない。
魔物を倒すのは出来ても、綺麗に解体できなければ意味がない。
「そんなの簡単よ。野菜の皮剥きとほとんど一緒でしょ。使用人が全部やってくれるわ。訓練所の他に解体所も作らせないといけないわね」
「……姉様、それだと今までと一緒で全部他人任せです。赤ん坊と一緒です。姉様一人でやれることを見つけた方がいいですよ」
「なぐっ!」
自信満々に答えた姉を見て、カノンは姉がどんどん馬鹿に見えてきた。
優秀な使用人なら解体も練習すれば出来そうだけど、姉は出来る前にやりそうもない。
貴族のように使用人に命令して、あれしろこれしろと言っているだけだ。
ルセフを見返したいなら、自分一人でやった方がいいに決まっている。
「あんたもお母様と一緒で反対するつもり。だったらもっと良い方法を教えなさいよ!」
妹にまでお説教されて、ミランダは逆ギレを始めた。
すぐに怒るこういうところが、赤ん坊扱いされる原因だ。
「姉様が冒険者になりたいなら、一人で魔物を倒して解体するしかないです。嫌ならお母様の言う通りにするのが一番です」
そんな姉にカノンは正論を言っている。
どっちもミランダにとって、我慢が必要な選択だ。
汗水垂らして我慢するか、屋敷で大人しく我慢するしかない。
「もういいわ! 行きたくないなら最初から言いなさいよ! 昨日、見ていただけのあんたは連れて行くだけ無駄よ。あんたは屋敷で駄犬と遊んでなさい!」
ミランダは我慢するのは嫌らしい。
怒って立ち上がると、カノンに文句を言って部屋から出て行った。
今度は使用人達の所に行くらしい。全員が断れば、もう一人でやるしかない。
珍しく朝の朝食にミランダがやって来ると、テーブルに座る母親にお願いした。
色仕掛け作戦ではなく凄腕冒険者になって、ルセフよりも高収入になって、見返すことに決めた。
「夜遅く帰ってきたと思ったら、何を馬鹿なことを言っているんですか。エリック、あなたの所為で、さっそく娘に悪影響が出ていますよ」
くだらない話には興味はないと、ロクサーヌは娘から夫に視線を向けた。
エリックが街への散歩を賛成したから、馬鹿な娘が馬鹿なことを言い出したと非難している。
「まあまあ、ロクサーヌ。ミランダは昨日色々と学んだんだ。朝起きられたのはその証拠じゃないか。その訓練所とやらで、剣や弓の先生から武器の使い方を習いたいんだろ?」
「違います、お父様。訓練所はスライムという大きな青トマトを倒して、レベルを上げる所です。レベルを上げれば、身体もジョブも強くなるんですよ」
「ほぉー、それは知らなかった。ミランダは賢いんだな」
「まあ、このぐらいは一般常識です♪」
エリックは妻よりも娘に愛されたいようだ。カノンと同じようにミランダの味方をしている。
訓練所もすぐに屋敷の中に用意するはずだ。
「またあなたはそうやって……訓練所も冒険者になる必要もありません。必要ないことはやる必要ありません」
「でも、お母様! 私、昨日冒険者の男に、一人では何も出来ない赤ん坊だと言われたんですよ。このままでは悔しいです。見返してやりたいんです!」
父親は賛成だが、母親は反対だ。反対する母親にミランダは昨日の出来事を話した。
貴族が平民に馬鹿にされたんだから、ロクサーヌも怒って協力してくれると思っている。
だけど、現実はそんなに甘くない。
「そんな理由ならますますくだらない。小さな相手に馬鹿にされて悔しがる時点で、あなたもその男と同じ位置に立っている証拠です。街に出ることは許します。でも、街の人間になるのは許しません。貴族は上から下の者を見下ろす立場です。あなたには貴族としての自覚がありません」
平民程度に怒るようなら貴族失格だと、ミランダは母親に怒られている。
平民エリックは、近くで叱られている娘を見ていることしか出来ない。
ロクサーヌが平民でも夫には、めちゃくちゃ怒るのを知っている。
♢
「——みたいなことがあったのよ。酷いと思わない? もう自分でやるしかないわね」
「は、はぁ……」
食堂から妹の部屋にミランダは移動した。
母親と父親の愚痴をカノンに聞かせている。
「とりあえずレベル30よ。昨日、アイツら見ていただけだから、昨日の四人と近くの魔物を倒しに行くわよ。私の使用人が大工だから、庭に訓練所も建てられるわ」
「それはいいですけど、私も行かないと駄目ですか?」
カノンは飛行船での一人観光を予定している。姉のつまらない誇りに付き合いたくない。
使用人のナンシーは好きに連れて行っても構わない。
「当たり前でしょう。私がやるんだから、あんたもやらないと駄目。一人だけ楽しようなんて許さないわ」
逃げられない運命らしい。姉の権限でカノンも強制参加だ。
でも、馬鹿姉にカノンは言いたいことがある。
「姉様、倒した魔物はどうするんですか? 姉様も使用人も解体できませんよね? それだと買取ってもらえないですよ」
月に100万ギルド稼ぎたいのは分かったけど、稼ぐ方法をキチンと考えていない。
魔物を倒すのは出来ても、綺麗に解体できなければ意味がない。
「そんなの簡単よ。野菜の皮剥きとほとんど一緒でしょ。使用人が全部やってくれるわ。訓練所の他に解体所も作らせないといけないわね」
「……姉様、それだと今までと一緒で全部他人任せです。赤ん坊と一緒です。姉様一人でやれることを見つけた方がいいですよ」
「なぐっ!」
自信満々に答えた姉を見て、カノンは姉がどんどん馬鹿に見えてきた。
優秀な使用人なら解体も練習すれば出来そうだけど、姉は出来る前にやりそうもない。
貴族のように使用人に命令して、あれしろこれしろと言っているだけだ。
ルセフを見返したいなら、自分一人でやった方がいいに決まっている。
「あんたもお母様と一緒で反対するつもり。だったらもっと良い方法を教えなさいよ!」
妹にまでお説教されて、ミランダは逆ギレを始めた。
すぐに怒るこういうところが、赤ん坊扱いされる原因だ。
「姉様が冒険者になりたいなら、一人で魔物を倒して解体するしかないです。嫌ならお母様の言う通りにするのが一番です」
そんな姉にカノンは正論を言っている。
どっちもミランダにとって、我慢が必要な選択だ。
汗水垂らして我慢するか、屋敷で大人しく我慢するしかない。
「もういいわ! 行きたくないなら最初から言いなさいよ! 昨日、見ていただけのあんたは連れて行くだけ無駄よ。あんたは屋敷で駄犬と遊んでなさい!」
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