没落令嬢カノンの冒険者生活〜ジョブ『道具師』のスキルで道具を修復・レベルアップ・進化できるようになりました〜

もう書かないって言ったよね?

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24日目

神様のお告げ・ジョブ強化

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 ドパァーン‼︎

「きゃあ⁉︎」「ワフッ⁉︎」
「カノン、神様が現れたわよ! 神様が私を応援しているわ!」

 教会に行く準備をしていると、いきなり扉が開いた。
 カノンの部屋に興奮するミランダが入って来た。
 使用人四人に協力を断られて、頭がおかしくなったわけじゃない。

「神様ですか?」
「そうよ、神様よ! 朝起きたらレベル30になっていたの⁉︎ 私の頑張りが評価されたのよ‼︎ きっと神様が私に冒険者になれと言っているに違いないわ!」
「あぁー……」

 それは無い。カノンは心当たりはあるが言いたくない。
 昨日、フローラがスライムに強めの全身マッサージを受けたお陰だ。
 短剣持って頑張る姉を、分裂用の餌を撒いて、カノンは応援した。

「それは良かったですね、姉様」
「ふふ~ん♪ これで私のジョブを強化できるのよね? レベル30になったら、出来ると言ってたでしょ」
「はい、言いました」

 余計なことを言ってしまったと、カノンはちょっと後悔した。
 後悔している妹にミランダは、部屋に乱入して来た理由を話した。

「これから教会に行くから、あんたも付いて来なさい。今度はジョブを貰えるはずよ」
「わぁー、嬉しいなぁー」

 ついでに連れて行ってくれる優しい姉に、カノンは棒読みで感謝した。
 フローラとパトラッシュ、数人の使用人と行くつもりが予定変更になった。

 ♢

 神様の応援のお陰でレベル30になった使用人四人を連れて、馬車に揺られて教会に到着した。
 特別な存在は一人だけじゃなかったと、ミランダはちょっと不機嫌になっている。

「どうぞ、お入りください」

 祈りの間の神父に七人分の寄付を支払うと、祈り間の扉を開けた。
 縮小したパトラッシュは無料で入らせてもらう。

「先にあんた達がやりなさい。終わったら、外で待っているのよ」
「かしこまりました」

 ミランダは自分のジョブは見られたくない。でも使用人達のジョブは見たい。
 先に使用人達に祈らせることにした。

 使用人が一人ずつ祈ると、床に強化されたジョブとスキルが浮かび上がる。
 なるほど、なるほど、とミランダは確認している。

「ミランダお嬢様! 私、建物全体の状態と作業工程が分かるようになりました!」

 嬉しそうなベアトリスが、ミランダに報告した。
 ミランダ付きの使用人だから、律儀に報告している。

「へぇー、そう。それって凄いの?」
「はい! 残っている作業や修理箇所、足りない建築資材まで分かります」
「ふーん、良かったわね」
「はい!」

 ベアトリスは報告する相手を間違えている。ミランダには凄さが全然伝わっていない。
 テメェの使用人辞めて、大工に就職した方が給料が良いから辞めたい、きっとそう言った方が伝わる。

「あはは……衣服のシミとシワ取りが出来るようになりました」
「どんまいです。人の顔を衣服だと思えば完璧です」
「そうですね。そうなれるように頑張ります」

 ベアトリスと同じようにナンシーも、カノンに報告した。
 こっちは大したスキルじゃなかったから、乾いた笑いでガッカリしている。
 カノンと同じように人を物と思えるようになれば、ご婦人には大人気だ。

「あはは……今日も駄目でした」
「またジョブを貰えないなんて、あんた神様に嫌われているんじゃないの? 一日中土下座した方がいいわよ」

 使用人四人が祈りの間から出ると、カノンが祈るフリをしてみた。
 結果は前回と同じで、床に魔法陣は現れなかった。

「最後に少しやってみます。恥ずかしいので覗かないでくださいね」
「はいはい。フローラ姉様からいいですよ」

 カノンは二人が祈りの間から出た後に、パトラッシュにジョブを与える予定だ。
 そんなことを知らないミランダは、妹の無様な土下座姿は覗かないと約束した。

【ジョブ=中堅花師
 スキル1=花の状態を見ることが可能
 スキル2=MPを消費して、花に虫除け効果を付与できる
 スキル3=より品質の高い花を育てることが可能(突然変異種が育つ可能性が発生)
 スキル4=MPを消費して、花びらから香水を製造できる
 スキル5=MPを消費して、花をアクセサリーに変えることが可能】

「さすが姉様です! 二つも良いスキルを貰えています!」
「うふふふ。でも、これだと育てるのが大変そうね」
「大丈夫です。またお手伝いします!」

 フローラ以上にカノンが喜んでいる。
 大好きな姉がより凄い姉になった。喜ぶのを我慢できない。

「こほん、次は私の番ね」
「あー、外に出ていますね。フローラ姉様、行きましょう」
「ええ、そうね」

 ミランダが喜ぶ二人に聞こえるように、軽く咳払いした。
 カノンが喜ぶのをやめて、気を利かせて外に出ようとしている。

「行かなくていいわよ。そこで見ていなさい」

 出て行けの咳払いじゃなかったようだ。
 余程自信があるようだが、結果は見なくても大体分かる。
 改造スライムを倒したフローラと違って、ミランダは頑張っていない。

【ジョブ=中堅研磨師
 スキル1=磨くと何でも綺麗になる
 スキル2=MPを消費して、磨いた部分の光る色を変えられる】

「…………」

 祈りの間に静寂が訪れた。見ない方が良かったみたいだ。
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