没落令嬢カノンの冒険者生活〜ジョブ『道具師』のスキルで道具を修復・レベルアップ・進化できるようになりました〜

もう書かないって言ったよね?

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24日目

古びた卵

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「まったくー、次は噛み付いてくださいよ。出来ないと置いて行きますよ」
「クゥーン」

 ウェインに続いて、カノンとルセフもやって来た。
 逃げ出したパトラッシュは叱られている。
 未来のパトラッシュなら、一匹で十匹倒していた。

「使えない犬なんて連れて来るなよ。餌なら他にもあるだろう」
「餌じゃないです。パトラッシュはやれば出来る子なんです。そうだよね、パトラッシュ?」
「クゥーン、クゥーン」
 
 飼い主が笑顔で言っているが、犬は首を左右に振っている。どう見ても無理そうだ。
 パトラッシュを連れ戻すと、廃都探索を再開した。

 餌目当てに襲って来るヘルハウンドを倒しながら、目的の火竜を探し回る。
 上空から探した方が早いが、敵の助けは必要ないそうだ。

「魔物狩り勝負はヘルハウンドだけでも勝てそうだな。火竜は今度でいいんじゃないのか?」
「あの女と勝負しているわけじゃねえよ。ついでだ」

 ウェインがルセフに歩きながら話している。強いヘルハウンドのレベルは40ぐらいだ。
 ミランダはどう頑張っても、レベル20ぐらいの魔物しか倒せない。
 そして火竜は必ずいるとは限らない。この廃都を棲み家にしているだけだ。
 餌を求めて外出中の可能性もある。

「それに大量に倒しても解体には時間がかかる。金稼ぎで勝つなら、解体しなくても買い手がいる火竜だ」
「こほん。分かっていると思いますけど、一人で倒した分しか数には入れられませんよ。私、キチンと見てますから」

 カノンが軽く咳払いすると、第三の仲間のように二人の会話に加わった。
 自分の紫色の瞳を指差して、ズルしないように警告している。
 逃げ出した犬の救助を使用人に任せるぐらい、厳しい監視だ。

「ああ、知っているよ。ヘルハウンドは俺が倒したのも数に入れなくていい。火竜だけ入れろ」
「えー、それだと二つとも負けるから、入れておきますよぉ~。サービスです」
「何のサービスだよ」

 カノンもナンシーも守る必要がないぐらいに強い。
 逆に危ない時は勝手に、ヘルハウンドの数を減らしている。
 放置しても全然問題ないから、無駄な会話が出来るぐらいに余裕がある。

「三日もあるなら、もう帰った方がいいんじゃないですか? 解体する時間がないなら、素材採取の方が稼げますよ」

 ナンシーがルセフに言った。
 冒険者登録したから、ちょっと冒険者のことを調べて勉強している。
 危険な魔物を倒して解体するより、薬草採取の方が手っ取り早くお金を日給で稼げる。

「まあ、そうだな。だが、これも採取と一緒だ。毒持った素材採取もあるんだ。危険なのは同じだろ」
「確かにそうですね。余計なことを言って、すみません」
「そうですよ。敵に助言するのは駄目です。減点一です」
「別にいいよ。コイツと違って、間違ったことは言っていない」

 余計なことを言ったナンシーが謝っているが、カノンは許さなかった。謎の減点が発生した。
 おそらく減点をたくさん集めても何も貰えないし、何も失わない。本人も点数を覚えていない。

「ん? あ、卵の殻発見です! 子供ドラゴンがいるかもしれないです!」

 無駄に歩き回っていると、カノンは壊れた建物の中に、手の平大の赤色の卵の欠片を見つけた。
 調べた結果、火竜の卵の欠片だった。

「これは古いね。生まれて五十年ぐらいは経過してそうだ。若いドラゴンなら倒しやすくて助かるんだけどね」

 建物の中にウェインも入って来ると、他にも卵の欠片がないか探し始めた。

「へー、そうなんですか。卵も高値で売れるんですか?」
「売れるよ。火竜の相場が150万ぐらいだから、生きた卵なら50万ぐらいはすると思うよ。欠片でも集めれば、3万にはなるかな?」
「……」

 どこかのペット屋で聞いた金額と明らかに違う。親なら100億、子供でも3000万ギルドだった。
 カノンはちょっとイラついているが、この時代の過去店員には罪はない。ビンタは駄目だ。
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