没落令嬢カノンの冒険者生活〜ジョブ『道具師』のスキルで道具を修復・レベルアップ・進化できるようになりました〜

もう書かないって言ったよね?

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26日目

偵察・ミランダ

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 昨日の決闘の偽りの勝者には、保管していた火竜の死体を渡した。
 捕まえたドラゴンの翼を斬り落とせば、修復で火竜の死体は増やせる。
 カノンの被害は自分のペットが負けたという屈辱だけだ。

 ドラゴンは約束通りに訓練所行きになった。
 広範囲の炎の息で、流れ作業のようにスライムを倒してもらう。
 パトラッシュも友達として、エサやり係として一緒に閉じ込められた。
 二匹仲良く協力して、レベル上げだ。
 
「今日はミランダ姉様を見ますか。不正とかしてそうです」

 今日は三日間の勝負の二日目だ。明日の昼には決着がつく。
 ルセフが火竜と解体したヘルハウンドで、勝負するのは分かっている。
 磨いて光らせるだけのミランダが、勝てるとは思えない。
 このままだと敗北して、悔しがる姉の姿を見ることになる。

「うふふふ。姉様の土下座が見れるかもしれません♪」

 カノンはとっても姉思いだ。
 勝たないか心配だから、姉の部屋に楽しそうに向かった。

 扉を叩いても返事がなかった。
 扉を開けて部屋に入ると、ミランダはベットに寝ていた。隣にはシリカが寝ている。
 ベットの近くには四角いテーブルが置かれている。
 テーブルの上の陶器の皿には、食べかけのクッキーが並んでいる。

「あ~、なるほど……」

 カノンは部屋の状況を見て、分かってしまった。ミランダは凄く疲れている。
 もしくは勝利を確信して、新しい妹とお菓子を食べる余裕がある。

「姉様、姉様。朝ですよぉ~」
「ふみゃ、うにゃ、ふにやぁぁ」

 プニプニの脇腹の肉を両手で揉んで、カノンはミランダを起こそうとしている。
 自分よりもちょっと痩せているから、強めに揉んでも問題ない。
 ミランダが起きそうになると、急いで手を離して、笑うのを我慢した。

「……今、何かしなかった?」
「えっ、何のことですか? それよりも起きなくていいんですか? ルセフさん、凄い大物倒してましたよ」

 姉にジッと見られて、カノンは首を傾げて惚けると、すぐに話を切り替えた。

「ふわぁ~ぁ、休んでいたのよ。磨くのはタダなんだけど、色変えるのはMP払わないといけないから」

 ミランダは手で隠して小さく欠伸すると、少し遅くまで寝ていた理由を答えた。

「まあ、そうですね。でも、魔法薬を飲めば回復しますよ。MP回復薬は飲まないんですか?」
「あんな物飲まないわよ。使った経費は引かれるのよ。完全に赤字じゃない」
「ああ、なるほど……」

 姉は見かけと違って、しっかりしているとカノンは思った。
 あとでルセフに飛行船代、回復薬代、ドラゴンキラー代、時の杖代を請求しないといけない。
 だけど、それをすると姉の土下座が見れなくなる。それは困るから無料サービスにする。

「それよりも何の用で来たの? アイツを見張りなさいよ」

 ルセフが大物を倒したという報告は聞いた。
 何か考えごとしている妹が、まだ自分の部屋にいる理由をミランダは聞いた。

「それなら大丈夫です。見張りはナンシーに任せました。私は姉様が心配で見に来ました」
「ふーん、心配ねぇー。その必要はないと思うけど」
「そうなんですか?」

 ミランダが勝たないか心配だが、その心配は的中しているようだ。
 自信満々の笑顔のミランダが、ようやくベットから降りた。
 MPを使いまくる程に疲れているのなら、遊んでいない証拠だ。

「ふふっ。心配なら付いて来なさい。噂を聞きつけて、今日はもっと繁盛するはずよ!」

 ミランダはそう言うと、シリカを起こして、目立たない庶民の服装に着替えた。
 よく見るとシリカの髪や肌が、ツヤツヤ輝いている。
 新しい妹もスキルで遊ばれたみたいだ。しばらくは元に戻らないだろう。
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