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第一章
第6話 グラウンドへの帰還
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「うぅぅ、会長、酷いです。こんな人だと知ってたら、絶対に投票しませんでした」
白いスクールシャツのボタンを閉めながら、七海は目元の涙をシャツの袖で拭いている。
蜜穴の中に五回射精して、検証はやめる事にした。気持ち良いだけで体力と時間が勿体ない。
それに目的の物は採取した。四本の小瓶の中には七海の体液が入っている。
「初体験が集団レイプじゃなかったんだ。服を着終わったら、小瓶にリカバリーを使ってくれ」
「うぅぅ、会長のネバネバの所為でパンツが履けませんよ。まだ出て来るじゃないですか。もぉー、お風呂が無いのにどうすればいいんですか? 身体から変な臭いがするじゃないですか」
眼鏡を掛けると、地面の小瓶を指差して頼んでいるのに、七海は苦情を言い続けるだけで行動しない。
さっきまで地面に寝転んで、「もっと突いて!」と言ってた人物とは思えない。
「誰も臭いなんて気にしない。それに暗くなり始めたから、今の時間が夕方みたいだ。これからすぐに暗くなるから急いだ方がいい」
スマホの時間は午後八時を過ぎている。青い空が暗くなり始めている。
日本時間よりも二時間から三時間、夕方になるのが遅いと思ってよさそうだ。
あとは昼の時間が長いのか、夜の時間が長いのか調べないといけない。
「そんなのどうでもいいですよ。会長の所為で赤ちゃんが出来ちゃうんですよ」
「産まれるまで生き残れるなら良い事じゃないか。それよりも打ち合わせをするぞ。クラスの奴らが納得するような離れた理由を作らないといけない」
「それなら、会長が私をレイプしたくて、連れ去ったでいいんじゃないですか?」
話をしようと言ってるのに七海は怒ってばかりだ。まともに会話をしようとしない。
セックスで心の距離感は近くなったようだか、友好的になったとは言えない。
遠慮がなくなっただけだ。
「七海は皆んなの前でレイプされたと公表したいのか? どんな風にレイプされたか詳しく話したら、今度は興奮した男達にレイプされると思わないのか?」
「そんなの嫌に決まってます。あと、レイプするのは会長だけです」
「俺も公表するのは嫌だし、レイプするような人間に協力したいと思う人間もいない。それに七海のエッチな姿は俺だけが知っていればいい。分かったな?」
「うぅぅ、分かりました」
優しく説得した後にスマホを取り出して、七海のセックス動画を再生した。
『あんっ、う、ん、会長、きもち、いいっ、んあっ、もっと、いっぱいっ……』
スマホの画面を凝視している七海は、自分の痴態を手で顔を隠して、恥ずかしそうに見ている。
とてもレイプされているようには見えない。俺には淫らな声で求めているに聞こえる。
「分かったら、早くやれ。オシッコと唾液と愛液が入っている。体液でも違いがあるのか調べたい。それとも、皆んなの前で再生した方が良いか?」
「うぅぅ、やっぱり会長は最低です。やればいいんでしょう? やりますよ」
間違いなく脅迫だが、緊急事態なので多少の悪事は許される。
半泣き状態の七海が地面に置いた小瓶四本に、リカバリーの緑色の光弾を発射した。
ボウリングのピンのように菱形に並べた小瓶は、直径10センチの光弾が当たっても倒れない。
小瓶の一本を手に取ると、蓋を取って、クンクンと匂いを嗅いでみた。
……臭いは問題なさそうだ。
一本目が無臭だったので、二本目、三本目、四本目と確認していく。
四本全部が無臭に変化していた。オシッコの臭いはまったくしない。
……どうやら成功みたいだが、重要なのは味だ。飲めないと意味がない。
四本の小瓶の液体を一口ずつ飲んでいく。普通に生温い水の味しかしない。
飲むなら冷やす方法も考えた方が良さそうだ。
特に温度で出したばかりのオシッコはすぐに分かる。
「飲むだけなら問題なさそうだ。七海、もう一つ確かめたい事がある。もう一回リカバリーを使ってくれ」
「えっ? どうしてですか?」
「体液を回復したら、水になる。水を回復したら、どうなるのか調べる必要がある。水から回復薬が作れるのなら、水色真珠を使わないで済むだろう? 一本だけに集中して使ってくれ」
「一本だけでいいんですね? 分かりました」
もう一度リカバリーを使って欲しいと頼むと、七海は不思議に思ったのか首を傾げた。
理由を話すと納得したようだけど、結果はある程度分かっている。
それでも可能性を潰すのも重要な仕事だ。二回リカバリーを使った小瓶を一口だけ飲んでみた。
「やはり水のままか……」
回復薬にもリカバリーを試してみたいが、それは余裕がある時でいい。
十分に休憩したから、あとは歩きながら適当な言い訳を作るとしよう。
「七海、これからはセックス無しだが我慢できるな?」
「なっ⁉︎ むぅー、当たり前じゃないですか!」
クラスメイトと合流したら、もう簡単に二人っきりでセックス出来ないので、七海に確認した。
どうやら問題なさそうだ。怒っているので、五回の射精で十分に身体も心も満足させたようだ。
レベルアップも使って、七海の身体を持ち上げなからやったんだから、不満も文句もないだろう。
「だったら、本格的に暗くなる前にグラウンドに近づくぞ。七海の所為で時間を使い過ぎたからな」
「なっ、なっ、会長の所為ですよ!」
「あぁ、そうだな。もっと俺が下手だったら、七海もあんなに求めなかっただろう。すまなかったな。気持ち良くしてしまって」
「ち、違いますっ! 会長はド下手ですぅ! 超下手くそでしたぁ!」
地面の小瓶を回収すると、グラウンドを目指して出発した。
キチンと謝っているのに七海は怒り続けている。
まぁ、さっきから怒っているから問題ないだろう。
「なるほど。下手だったから、もっと気持ち良くして欲しかったのか? 悪かったな、七海。下手過ぎて」
「もぉー、いいです! 会長は忘れてください! 私も無かった事にしますから!」
♢
グラウンド到着まで五時間を目標に、暗くなった森の中を進んでいく。
行きは戦闘したり、水が無かったので苦労したが、帰りは水があるので少しは楽だ。
巨大イモ虫を見つけたら、毒の光弾で倒して、俺の杖に吸収していく。
イモ虫の動きが遅くても、接近して七海の棍棒の杖で叩くは危険だ。
ちょっとの油断が命取りになる。やるなら自分以外で安全性を確かめた後だ。
「会長? あれって火ですよね?」
「そうみたいだな。誰かが木でも燃やしているか、火の玉でも飛んでいるんだろう。確認しに行くのか?」
七海が遠くの方に見える小さな光る点を指差して聞いてきたので、思った事を正直に答えた。
火っぽいものだからといって、火だとは限らない。
「もちろん行きますよ。行かないと分からないじゃないですか」
「まぁ、危険だがやるしかないだろうな。それに進行ルートの正面に見えるなら、クラスメイトの可能性が高い。もしかすると俺達を探している捜索隊の可能性もあるぐらいだ」
「もう、会長はいちいち考えないと行動できないんですか? 捜索隊に決まっています。皆んな心配しているんですよ。早く行きますよ」
「あぁ、そうだな……」
七海に腕を引っ張られて赤い光に向かって歩いていく。
確かに七海が言っているように捜索隊の可能性は高い。
心配なのは、善意で探しているのか、悪意を持って探しているかだ。
……光は一つだけか。焚き火で見張り、それとも食事か?
ある程度近づいたのに、赤い光る点は固定されているように動かない。
松明を持った人間が動いているわけじゃなさそうだ。
念の為に、いきなり攻撃してきた場合の対処方法も考えておいた方が良さそうだ。
「七海、危険だから走っていくなよ。暗がりだと魔物だと思われて攻撃されてしまう」
「大丈夫だよ。声を出して、人間だって教えるから」
「お前はやめた方がいい。女が一人で暗い森の中を歩いていると襲われるだけだ。俺が声を出す。分かったな?」
「う、うん……」
真面目に警告したら、七海は少し怖くなったようだ。杖を持ってない俺の左腕を掴んできた。
一番怖いのは人間だ。心配し過ぎでちょうどいい。危機的状況では人間の本性が現れる。
男子高校生が考える事は、90%が女とセックスの事だけだ。
「万が一にも襲ってきた場合は毒弾で毒状態にする。回復手段がないから自力では助からない。必ず俺か七海に助けを求めてくるはずだ。戦意を失くさせれば冷静な話し合いも出来る」
「それで話し合って大丈夫そうなら助ければいいんだね?」
「あぁ、それでいい。でも、女を犯したり、人を殺した奴は駄目だ。犯罪者は殺さないといけない。そうしないと欲望のままに好き勝手してしまう」
「そ、そうだよね。やっぱり殺さないと駄目だよね」
赤い光が炎だと分かるぐらいに近づいた。七海と最終確認する。
スマホの時刻は午後十一時になっている。グラウンドを七海と一緒に離れて、十三時間も経過している。
何が起きているか分からない。油断せずに後ろを歩く七海にもおかしな事をやらないように釘を刺した。
「七海、俺は殺さなくていいからな」
「んっ? どうして、会長を殺すの?」
「分からないならいい。油断するなよ」
「う、うん……?」
……自分が犯されたという自覚はないようだ。
七海が訳が分からない顔をしているので、同意のセックスだと思う事にしよう。
「おーい! 誰かいるのか!」
大声を出せば、焚き火に声が届くぐらいには近づいた。
何度か呼びかけると男の声で返事が返ってきた。
「もしかして、一ノ瀬か!」
「そうだ! 生徒会長の一ノ瀬だ!」
「生徒会長が迷子になってんじゃねぇよ! ちょっと待ってろ! すぐに行くから!」
名前の方を呼ばれるとは思っていなかった。
最近学校では生徒会長と呼ばれる方が多かった。
「会長の名前、一ノ瀬だったんですね?」
「もしかして、名前を知らないから、ずっと会長と呼んでいたわけじゃないだろうな?」
七海が初めて苗字を知ったような顔で聞いてきた。
自分が生徒会長に投票した人物の名前を普通は忘れない。
ジッと疑いの目で見ていると、やっぱり少し目を逸らした。
「知ってますよ……下の名前ぐらいは。瑞季でしょう?」
「正解だが、クラスメイトの名前ぐらいは覚えておけ。分かったな、雫」
本当に知っている人間は自信なさそうな顔で名前を言わない。
罰として、七海のオデコにパチッと軽くデコピンした。
軽く叩いただけなのに、七海は大袈裟に手で撫で続けている。
「あぅ。会長がデコピンしたぁ。先生に言い付けてやるぅ」
「ババア教師が生きていれば言えばいい。デコピンぐらいで苦情を言えば、ビンタぐらいはされるだろう。もしかすると色付きの杖で、攻撃されるかもしれないな。ここなら体罰もし放題だ」
「うっ、確かに中川先生ならしそうかも」
「あぁ、そうかもな。話は終わりだ。お迎えが来たみたいだ」
くだらない話を七海として待っていると、三人の人影が走って来るのが見えた。
七海を背中に隠すと杖を構えた。あとは治安が悪くなってない事を期待するだけだ。
白いスクールシャツのボタンを閉めながら、七海は目元の涙をシャツの袖で拭いている。
蜜穴の中に五回射精して、検証はやめる事にした。気持ち良いだけで体力と時間が勿体ない。
それに目的の物は採取した。四本の小瓶の中には七海の体液が入っている。
「初体験が集団レイプじゃなかったんだ。服を着終わったら、小瓶にリカバリーを使ってくれ」
「うぅぅ、会長のネバネバの所為でパンツが履けませんよ。まだ出て来るじゃないですか。もぉー、お風呂が無いのにどうすればいいんですか? 身体から変な臭いがするじゃないですか」
眼鏡を掛けると、地面の小瓶を指差して頼んでいるのに、七海は苦情を言い続けるだけで行動しない。
さっきまで地面に寝転んで、「もっと突いて!」と言ってた人物とは思えない。
「誰も臭いなんて気にしない。それに暗くなり始めたから、今の時間が夕方みたいだ。これからすぐに暗くなるから急いだ方がいい」
スマホの時間は午後八時を過ぎている。青い空が暗くなり始めている。
日本時間よりも二時間から三時間、夕方になるのが遅いと思ってよさそうだ。
あとは昼の時間が長いのか、夜の時間が長いのか調べないといけない。
「そんなのどうでもいいですよ。会長の所為で赤ちゃんが出来ちゃうんですよ」
「産まれるまで生き残れるなら良い事じゃないか。それよりも打ち合わせをするぞ。クラスの奴らが納得するような離れた理由を作らないといけない」
「それなら、会長が私をレイプしたくて、連れ去ったでいいんじゃないですか?」
話をしようと言ってるのに七海は怒ってばかりだ。まともに会話をしようとしない。
セックスで心の距離感は近くなったようだか、友好的になったとは言えない。
遠慮がなくなっただけだ。
「七海は皆んなの前でレイプされたと公表したいのか? どんな風にレイプされたか詳しく話したら、今度は興奮した男達にレイプされると思わないのか?」
「そんなの嫌に決まってます。あと、レイプするのは会長だけです」
「俺も公表するのは嫌だし、レイプするような人間に協力したいと思う人間もいない。それに七海のエッチな姿は俺だけが知っていればいい。分かったな?」
「うぅぅ、分かりました」
優しく説得した後にスマホを取り出して、七海のセックス動画を再生した。
『あんっ、う、ん、会長、きもち、いいっ、んあっ、もっと、いっぱいっ……』
スマホの画面を凝視している七海は、自分の痴態を手で顔を隠して、恥ずかしそうに見ている。
とてもレイプされているようには見えない。俺には淫らな声で求めているに聞こえる。
「分かったら、早くやれ。オシッコと唾液と愛液が入っている。体液でも違いがあるのか調べたい。それとも、皆んなの前で再生した方が良いか?」
「うぅぅ、やっぱり会長は最低です。やればいいんでしょう? やりますよ」
間違いなく脅迫だが、緊急事態なので多少の悪事は許される。
半泣き状態の七海が地面に置いた小瓶四本に、リカバリーの緑色の光弾を発射した。
ボウリングのピンのように菱形に並べた小瓶は、直径10センチの光弾が当たっても倒れない。
小瓶の一本を手に取ると、蓋を取って、クンクンと匂いを嗅いでみた。
……臭いは問題なさそうだ。
一本目が無臭だったので、二本目、三本目、四本目と確認していく。
四本全部が無臭に変化していた。オシッコの臭いはまったくしない。
……どうやら成功みたいだが、重要なのは味だ。飲めないと意味がない。
四本の小瓶の液体を一口ずつ飲んでいく。普通に生温い水の味しかしない。
飲むなら冷やす方法も考えた方が良さそうだ。
特に温度で出したばかりのオシッコはすぐに分かる。
「飲むだけなら問題なさそうだ。七海、もう一つ確かめたい事がある。もう一回リカバリーを使ってくれ」
「えっ? どうしてですか?」
「体液を回復したら、水になる。水を回復したら、どうなるのか調べる必要がある。水から回復薬が作れるのなら、水色真珠を使わないで済むだろう? 一本だけに集中して使ってくれ」
「一本だけでいいんですね? 分かりました」
もう一度リカバリーを使って欲しいと頼むと、七海は不思議に思ったのか首を傾げた。
理由を話すと納得したようだけど、結果はある程度分かっている。
それでも可能性を潰すのも重要な仕事だ。二回リカバリーを使った小瓶を一口だけ飲んでみた。
「やはり水のままか……」
回復薬にもリカバリーを試してみたいが、それは余裕がある時でいい。
十分に休憩したから、あとは歩きながら適当な言い訳を作るとしよう。
「七海、これからはセックス無しだが我慢できるな?」
「なっ⁉︎ むぅー、当たり前じゃないですか!」
クラスメイトと合流したら、もう簡単に二人っきりでセックス出来ないので、七海に確認した。
どうやら問題なさそうだ。怒っているので、五回の射精で十分に身体も心も満足させたようだ。
レベルアップも使って、七海の身体を持ち上げなからやったんだから、不満も文句もないだろう。
「だったら、本格的に暗くなる前にグラウンドに近づくぞ。七海の所為で時間を使い過ぎたからな」
「なっ、なっ、会長の所為ですよ!」
「あぁ、そうだな。もっと俺が下手だったら、七海もあんなに求めなかっただろう。すまなかったな。気持ち良くしてしまって」
「ち、違いますっ! 会長はド下手ですぅ! 超下手くそでしたぁ!」
地面の小瓶を回収すると、グラウンドを目指して出発した。
キチンと謝っているのに七海は怒り続けている。
まぁ、さっきから怒っているから問題ないだろう。
「なるほど。下手だったから、もっと気持ち良くして欲しかったのか? 悪かったな、七海。下手過ぎて」
「もぉー、いいです! 会長は忘れてください! 私も無かった事にしますから!」
♢
グラウンド到着まで五時間を目標に、暗くなった森の中を進んでいく。
行きは戦闘したり、水が無かったので苦労したが、帰りは水があるので少しは楽だ。
巨大イモ虫を見つけたら、毒の光弾で倒して、俺の杖に吸収していく。
イモ虫の動きが遅くても、接近して七海の棍棒の杖で叩くは危険だ。
ちょっとの油断が命取りになる。やるなら自分以外で安全性を確かめた後だ。
「会長? あれって火ですよね?」
「そうみたいだな。誰かが木でも燃やしているか、火の玉でも飛んでいるんだろう。確認しに行くのか?」
七海が遠くの方に見える小さな光る点を指差して聞いてきたので、思った事を正直に答えた。
火っぽいものだからといって、火だとは限らない。
「もちろん行きますよ。行かないと分からないじゃないですか」
「まぁ、危険だがやるしかないだろうな。それに進行ルートの正面に見えるなら、クラスメイトの可能性が高い。もしかすると俺達を探している捜索隊の可能性もあるぐらいだ」
「もう、会長はいちいち考えないと行動できないんですか? 捜索隊に決まっています。皆んな心配しているんですよ。早く行きますよ」
「あぁ、そうだな……」
七海に腕を引っ張られて赤い光に向かって歩いていく。
確かに七海が言っているように捜索隊の可能性は高い。
心配なのは、善意で探しているのか、悪意を持って探しているかだ。
……光は一つだけか。焚き火で見張り、それとも食事か?
ある程度近づいたのに、赤い光る点は固定されているように動かない。
松明を持った人間が動いているわけじゃなさそうだ。
念の為に、いきなり攻撃してきた場合の対処方法も考えておいた方が良さそうだ。
「七海、危険だから走っていくなよ。暗がりだと魔物だと思われて攻撃されてしまう」
「大丈夫だよ。声を出して、人間だって教えるから」
「お前はやめた方がいい。女が一人で暗い森の中を歩いていると襲われるだけだ。俺が声を出す。分かったな?」
「う、うん……」
真面目に警告したら、七海は少し怖くなったようだ。杖を持ってない俺の左腕を掴んできた。
一番怖いのは人間だ。心配し過ぎでちょうどいい。危機的状況では人間の本性が現れる。
男子高校生が考える事は、90%が女とセックスの事だけだ。
「万が一にも襲ってきた場合は毒弾で毒状態にする。回復手段がないから自力では助からない。必ず俺か七海に助けを求めてくるはずだ。戦意を失くさせれば冷静な話し合いも出来る」
「それで話し合って大丈夫そうなら助ければいいんだね?」
「あぁ、それでいい。でも、女を犯したり、人を殺した奴は駄目だ。犯罪者は殺さないといけない。そうしないと欲望のままに好き勝手してしまう」
「そ、そうだよね。やっぱり殺さないと駄目だよね」
赤い光が炎だと分かるぐらいに近づいた。七海と最終確認する。
スマホの時刻は午後十一時になっている。グラウンドを七海と一緒に離れて、十三時間も経過している。
何が起きているか分からない。油断せずに後ろを歩く七海にもおかしな事をやらないように釘を刺した。
「七海、俺は殺さなくていいからな」
「んっ? どうして、会長を殺すの?」
「分からないならいい。油断するなよ」
「う、うん……?」
……自分が犯されたという自覚はないようだ。
七海が訳が分からない顔をしているので、同意のセックスだと思う事にしよう。
「おーい! 誰かいるのか!」
大声を出せば、焚き火に声が届くぐらいには近づいた。
何度か呼びかけると男の声で返事が返ってきた。
「もしかして、一ノ瀬か!」
「そうだ! 生徒会長の一ノ瀬だ!」
「生徒会長が迷子になってんじゃねぇよ! ちょっと待ってろ! すぐに行くから!」
名前の方を呼ばれるとは思っていなかった。
最近学校では生徒会長と呼ばれる方が多かった。
「会長の名前、一ノ瀬だったんですね?」
「もしかして、名前を知らないから、ずっと会長と呼んでいたわけじゃないだろうな?」
七海が初めて苗字を知ったような顔で聞いてきた。
自分が生徒会長に投票した人物の名前を普通は忘れない。
ジッと疑いの目で見ていると、やっぱり少し目を逸らした。
「知ってますよ……下の名前ぐらいは。瑞季でしょう?」
「正解だが、クラスメイトの名前ぐらいは覚えておけ。分かったな、雫」
本当に知っている人間は自信なさそうな顔で名前を言わない。
罰として、七海のオデコにパチッと軽くデコピンした。
軽く叩いただけなのに、七海は大袈裟に手で撫で続けている。
「あぅ。会長がデコピンしたぁ。先生に言い付けてやるぅ」
「ババア教師が生きていれば言えばいい。デコピンぐらいで苦情を言えば、ビンタぐらいはされるだろう。もしかすると色付きの杖で、攻撃されるかもしれないな。ここなら体罰もし放題だ」
「うっ、確かに中川先生ならしそうかも」
「あぁ、そうかもな。話は終わりだ。お迎えが来たみたいだ」
くだらない話を七海として待っていると、三人の人影が走って来るのが見えた。
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これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
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