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第三章
第16話 グレーシズの町探索
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魔物を倒しながら、南西の町を目指して進んでいく。
モップ牛は巨大イモ虫と同じで温厚な魔物なので、攻撃しなければ襲って来ない。
優先的に倒すなら、長い牙を上向きに生やした、狼と豚のハーフのように凶暴な白い魔物の方だ。
名前は『狼豚』と名付けておいた。
モップ牛も狼豚もスマホで撮影をしておいたから、町の住民にも説明しやすい。
「会長、町が見えてきましたね」
「そうだね。今日は屋根の下で寝れそうだよ」
七海が前方を指差して言った。茶色い三角屋根の建物が見えてきた。
出発から約十一時間で町に到着した。南西の町の名前は『グレーシズ』と言うらしい。
テルダムの町の地面は砂が見えていたけど、こっちは町全体に草が芝生のように生えている。
虫が沢山住んでいそうだ。毒弾を撒き散らして駆除したい。
「人が住んでいるのかな?」
「離れずに皆んなで固まって移動するよ。町が綺麗過ぎる。佐藤さんはいつでも攻撃できるように警戒しておいて」
「そ、そうだよね。友好的じゃない場合もあるもんね」
町の中の建物が思ったよりも汚れていない。
人が最近まで住んでいたのか、今も住んでいるような気配さえある。女子二人に警戒するように伝える。
それに攻撃魔法を使えるのは俺と佐藤の二人だけだ。しっかりと七海を守らないといけない。
「外には誰もいないね。家の中も調べた方がいいのかな?」
「それがいいだろうね。そろそろ今日の寝る場所を確保したいから」
佐藤に聞かれたので調査終了と答えた。空が暗くなり始めている。
町全体を調べたわけじゃないけど、一通りは見て回った。
町全体で引っ越したような感じがする。ゾンビ病から逃れる為に町を放棄したのかもしれない。
木造の家の玄関扉を開けると、床に積もったホコリが盛大に宙に舞い上がった。
「こほぉ、こほぉ」と咳き込みつつも、外にホコリを追い出していく。住民は留守のようだ。
テーブルや椅子やベッドは置いてあるけど、ベッドのシーツは無かった。
木製タンスの引き出しを開けて調べてみるけど、中身は空っぽだった。
「持てる物は持って逃げたみたいだね。金目の物は無さそうだ」
家中を探しても、木の皿もスプーンも残っていなかった。
ガッカリして報告すると、七海が呆れたような視線でジッと見てきた。
「会長はいつから泥棒になったんですか? あっても持って行ったら駄目ですよ」
「七海は頭が固すぎる。それだと生き残れないよ。隣の家も調べてくるから、二人は休んでいて」
「そんな事言って、盗んだら駄目ですよ」
邪魔者には家の中に残ってもらうつもりだったけど、七海にはバレバレのようだ。
まぁ、監視カメラも無さそうな世界で盗むなと言う方がおかしい。
気にせずに家の外に出ると隣の家も調べた。こっちの家も何も無さそうだ。
この世界の家は平屋が一般的で、部屋の数は三から四部屋ぐらい。台所とトイレはあるけど、風呂は無い。
アルマの話では風呂は温めたお湯でタオルを濡らして、それで身体を拭くそうだ。
「やはり何もないか……」
一つ一つ部屋の扉を開けて、部屋の中を見たけど何も残っていなかった。
物を持って逃げる余裕があるなら、要らない物以外は普通は全部持っていく。
でも、要らない物でも普通はどこかにまとめて保管ぐらいはするはずだ。
明日は町の倉庫を探してみてもいいかもしれない。
今日の家の調査を終了させると、七海と佐藤がいる家に戻った。家の中にはカツ丼の匂いが漂っている。
匂いに釣られて、魔物が引き寄せられないか少し心配だ。
「はふっ、はふっ、会長も食べますかぁ?」
床に座って、カツ丼を食べている佐藤が聞いてきた。
「食べながら喋らなくていいよ。一杯だけ貰おうかな」
「はぁーい!」
佐藤が左手に持っている白い紙の器の中には、湯気が昇っているカツ丼が入っている。
佐藤の杖は第三形態に成長したけど、形状変化が出来るのは、『料理・パン』だけだった。
『料理・カツ丼』は固定されていて、丼物なら何でも食べられるわけじゃなかった。
第四形態があると期待して、海鮮丼は次に期待するしかない。
「会長、明日はどうするんですか? また家の中を荒らすんですか?」
「何も無かったから荒らしてないよ。明日は町の倉庫を見つけようと思う。ついでに町の中にいる魔物を駆除しよう」
七海が明日の予定を聞いてきたので、さっき決めた予定を話した。
本当はテルダムの町に早く戻った方がいいけど、カツ丼食べただけで帰れない。
町の住民が本当にいないか確認したいし、引っ越し先の住所か手掛かりぐらいはあるはずだ。
「つまりはあれば荒らすんですね? お金が落ちていても使えないんだから意味ないですよ。そんなのいいですから、家畜を連れて行った方が町の人達が喜びますよ」
七海は母親並みに泥棒は駄目だと叱ってくる。
本物の母親に叱られた経験はないが、俺の母親は多分叱ったりはしない。相当に俺には甘い母親だった。
「家畜なら連れて行かないよ。放し飼いして、必要な時に捕まえた方が楽だ。それに肉の味がまだ分からない。モップ牛と狼豚の肉を持って帰って、町の人達に食べた感想を聞いた方がいい」
「まぁ、確かに不味い肉は食べたくないですよね。分かりました。お肉は鞄に入るだけ持って帰ります」
「うん、そうして。それと魔物に解毒薬を飲ませて身体が変化したら、その肉も食べられるか調べるよ。そっちの方が美味しいなら、町で数頭飼って繁殖させて、少しずつ増やす事になるだろうから」
泥棒だけじゃなく、与えられた仕事もキチンと考えている。
ついでに魔物の増えたかも調べたい。草原地帯には小柄なモップ牛や狼豚の子供もいた。
倒しても増え続けられるなら、永遠に魔物を倒し続けないといけない。
それなら魔物は放置して、一つの町で暮らして快適な環境に作り変える方が楽だ。
♢
「んんっ……」
「ふわぁ……」
……暑い。
一つのベッドに三人で寝ると流石に暑い。端にいる俺の身体を七海がペタペタと寝惚けて触ってくる。
鞄の中に厚手のシーツを持って来たのは、俺一人だけだった。
二人が寝る準備に鞄に持って来たの黒の長ズボンだけだった。
「むにゃ、はふぅ……」
……いい加減に我慢と理性の限界だ。
背中に七海の柔らかい胸を押し付けられて、抱き枕のように抱き締められる。
静かに寝返りを打って、七海の寝顔を見た。寝相が悪過ぎる。
「んっ、んっ……会長?」
寝ている七海のスカートの中に手を入れると、次にズボンの中に手を入れた。
下着の上から秘部を指先で撫でていく。七海はボンヤリと目を覚まして見てきた。
「声を出したら駄目だよ。佐藤が起きちゃうから」
「あっ、うっ、だめぇ……」
七海の唇にソッと指を置いて、静かにするようにお願いした。
七海は何をされるか分かって、頭の中が真っ白になったのだろう。
抵抗もせず声も出さずに、秘部を指先で撫でられていく。
しばらくすると、「んっ、あっ」と小さな声で七海は感じ始めた。
ズボンと下着を脱がして、蜜穴を指で掻き回していく。
やっぱり最初は濡れにくいようだ。指先を舐めて濡らすと、もう一度中に入れていた。
蜜穴が指に吸い付いてくる。七海が俺の身体にピッタリと抱き付いて密着する。
「んんっ、会長、はぁ、はぁ、もう、だめぇ……」
真っ赤な顔で苦しそうに七海が言ってきた。イキそうになっているみたいだ。
くちゅ、くちゅと秘部からエッチな音が聞こえてくる。
軽くイッてもらって、次は俺のものをイカせてもらう。
♢
「ね、眠い……」
「佐藤さん、そろそろ起きないと駄目だよ」
爽やかな笑顔で、ベッドの上でまだ寝ている佐藤に起きるように言った。
朝ご飯を作れるのは佐藤だけなので、佐藤が起きないと飯抜きで調査する事になる。
「むぅー、二人の所為なのに……」
「餡パンとカレーパンでいいから。作れない時はチョココロネとピザパンでお願いね」
寝起きは不機嫌なのか、佐藤がボォーと睨んでくる。あまり怖くないので、さっさと注文した。
メロンパンは食べ飽きたので作れるパンを調べたい。まずは甘いパンと辛いパンを注文した。
佐藤はベッドの上で座ったまま、俺が言った四種類のパンを作ると面倒くさそうに渡してきた。
「はい。会長、エッチするなら私がいない時にして。うるさくて眠れないから」
「あぁ、そうだったんだ。ごめんね。七海が我慢できなかったみたいなんだ」
佐藤が不機嫌な理由に気付いて謝った。一応は気を使って、別の部屋でしていたのに起こしてしまったようだ。
まぁ、本当に嫌なら「うるさい!」と怒鳴り込んで来るはずだ。怒っている理由は欲求不満なのかもしれない。
「うぅぅ、我慢できないって……雫がそんなにエッチだったなんて……」
「女の子は皆んなそうじゃないの? 七海は週に二回は求めてくるんだけど」
「週二回はちょっと多いかも」
佐藤の頭の中で七海が変態キャラに確定されかけているけど、事実だから何も問題ない。
七海は今は町の井戸水で身体を綺麗にしている。戻って来た時には汚れた女として認識されている。
「ごめん、お待たせ。ちょっと服に泥が付いちゃったから洗ってたの。綺麗になったから行こう」
シーツを畳んだ後に、家の外で佐藤とパンを食べながら七海の帰りを待っていると、スッキリした顔の七海が戻ってきた。何か言い訳しているけど、それは不適切発言だと思う。
佐藤が「そ、そうなんだ」と気にしないようにかなり努力しているから、俺も空気を読んで何も言わない。
「それじゃあ、調査を始めるよ。家を一つ一つ開けて、物が大量にあったら倉庫だと思う」
「うん、私もそんな家があったら倉庫だと思う」
簡単な説明を終えると、佐藤も理解したようなので調査を開始した。探すものは消えた住民の手掛かりだ。
テルダムの町から北の方角にかなり進んだ場所に、この大陸で一番大きな町『リベルタス』があるそうだ。
避難するとしたら、普通はその町を目指すと思う。
だけど、沢山ある小さな町の住民全員が一つの大きな町の中に避難したら、どんなに大きな町でも、とても入りきれないと思う。大きな町でも人口一万から二万人程度らしい。
現実的に考えれば大きな町の近くにある町に、避難住民を分散して暮らしてもらうしかない。
……だとしたら、二番目や三番目に大きな町かもしれないな。
「会長、鍵のかかった家を見つけたよ。多分、倉庫だと思う」
「分かった。鍵を壊して、中を調べようか」
いくら扉を開けても空き家続きだったけど、七海が倉庫を見つけたかもしれない。
七海の後を付いて行くと、横に細長い建物がいくつも見えてきた。
三メートル程の両開きの扉の真ん中には、茶色く錆びた金属板に鍵穴が見える。
「七海、爆発させるから少し離れて」
魔法の前で鍵とか関係ない。杖の先に直径5センチの小さな爆発弾を作って容赦なく発射した。
爆発弾は鍵穴に命中するとドンと爆発して、鍵穴の付いた金属の板を扉の中に吹き飛ばした。
これでただの両開きの扉になった。誰でも自由に入る事が出来る。
「お化けとか出ないよね?」
「家畜小屋みたいだ。テルダムの町よりもここで育てた方がいいかもしれない」
七海が怯えているけど、幽霊は朝には出ないはずだから大丈夫だ。
扉を開いて中に入ると、建物の右側に木柵で仕切られた小部屋がいくつも並んでいた。
小部屋の地面は外と同じように草が生えていて、その上には白い骨が動物の形のまま残っていた。
……馬じゃないな。牛か?
足の骨の数から四足動物なのは分かった。多分、足が短くて、全体的に大きいから牛だ。
建物の中には飼育道具一式が放置されている。家畜を連れて行く余裕はなかったようだ。
ロープ、スコップ、桶、ワラの山などが綺麗な状態で壁や棚に置かれている。
「流石に骨は吸収できないか……」
試しに骨に杖をくっ付けてみたけど、反応はなかった。
吸収できるなら、八匹ぐらいはあるから楽に真珠を集められた。
……これ以上は粘っても遅くなるだけか。一旦、町に帰るしかないな。
他の家畜小屋を調べた結果、柵と扉が破壊された建物がいくつか見つかった。
おそらく、そこから家畜が外に逃げ出して魔物化したと考えていい。
そろそろ町に戻らないと心配されるので、予定通りに一泊二日の調査で終わるとしよう。
「七海、テルダムに帰るぞ。帰りながら魔物も倒すからな」
「うん、分かったぁー」
お土産に動物のデカい頭蓋骨を持って帰るか悩んでいる七海に呼びかけた。
それを貰って喜ぶのは犬ぐらいしかいないので悩む必要はない。
七海は返事をすると骨を地面に置いて、駆け足で走って来て、左腕に抱き付いた。
「エッチな事させたんだから、約束通りに頑張って倒さないと許さないから」
腕にピッタリとくっ付いて、七海が上目遣いで少し怒った感じに言ってきた。約束した記憶がない。
「このままだと、七海の杖だけ仲間外れだね。どうすればいいか分かるよね?」と言っただけだ。
まぁ、最初から成長させる予定だったから、別に頑張る必要はない。
「分かっている。七海は杖に避妊具をお願いした方が良いぞ。いっぱいエッチが出来るからな」
「な、な、なっ⁉︎ そんなのお願いしないよぉ!」
「そうか、七海がいいなら別にいい。俺は別に無くても困らないだろうからな」
キチンと避妊した方が良いと言ったのに、七海は妊娠したいみたいだ。凄く怒っている。
これ以上は俺が言う事は何もないので、さっさと町に帰るとしよう。
モップ牛は巨大イモ虫と同じで温厚な魔物なので、攻撃しなければ襲って来ない。
優先的に倒すなら、長い牙を上向きに生やした、狼と豚のハーフのように凶暴な白い魔物の方だ。
名前は『狼豚』と名付けておいた。
モップ牛も狼豚もスマホで撮影をしておいたから、町の住民にも説明しやすい。
「会長、町が見えてきましたね」
「そうだね。今日は屋根の下で寝れそうだよ」
七海が前方を指差して言った。茶色い三角屋根の建物が見えてきた。
出発から約十一時間で町に到着した。南西の町の名前は『グレーシズ』と言うらしい。
テルダムの町の地面は砂が見えていたけど、こっちは町全体に草が芝生のように生えている。
虫が沢山住んでいそうだ。毒弾を撒き散らして駆除したい。
「人が住んでいるのかな?」
「離れずに皆んなで固まって移動するよ。町が綺麗過ぎる。佐藤さんはいつでも攻撃できるように警戒しておいて」
「そ、そうだよね。友好的じゃない場合もあるもんね」
町の中の建物が思ったよりも汚れていない。
人が最近まで住んでいたのか、今も住んでいるような気配さえある。女子二人に警戒するように伝える。
それに攻撃魔法を使えるのは俺と佐藤の二人だけだ。しっかりと七海を守らないといけない。
「外には誰もいないね。家の中も調べた方がいいのかな?」
「それがいいだろうね。そろそろ今日の寝る場所を確保したいから」
佐藤に聞かれたので調査終了と答えた。空が暗くなり始めている。
町全体を調べたわけじゃないけど、一通りは見て回った。
町全体で引っ越したような感じがする。ゾンビ病から逃れる為に町を放棄したのかもしれない。
木造の家の玄関扉を開けると、床に積もったホコリが盛大に宙に舞い上がった。
「こほぉ、こほぉ」と咳き込みつつも、外にホコリを追い出していく。住民は留守のようだ。
テーブルや椅子やベッドは置いてあるけど、ベッドのシーツは無かった。
木製タンスの引き出しを開けて調べてみるけど、中身は空っぽだった。
「持てる物は持って逃げたみたいだね。金目の物は無さそうだ」
家中を探しても、木の皿もスプーンも残っていなかった。
ガッカリして報告すると、七海が呆れたような視線でジッと見てきた。
「会長はいつから泥棒になったんですか? あっても持って行ったら駄目ですよ」
「七海は頭が固すぎる。それだと生き残れないよ。隣の家も調べてくるから、二人は休んでいて」
「そんな事言って、盗んだら駄目ですよ」
邪魔者には家の中に残ってもらうつもりだったけど、七海にはバレバレのようだ。
まぁ、監視カメラも無さそうな世界で盗むなと言う方がおかしい。
気にせずに家の外に出ると隣の家も調べた。こっちの家も何も無さそうだ。
この世界の家は平屋が一般的で、部屋の数は三から四部屋ぐらい。台所とトイレはあるけど、風呂は無い。
アルマの話では風呂は温めたお湯でタオルを濡らして、それで身体を拭くそうだ。
「やはり何もないか……」
一つ一つ部屋の扉を開けて、部屋の中を見たけど何も残っていなかった。
物を持って逃げる余裕があるなら、要らない物以外は普通は全部持っていく。
でも、要らない物でも普通はどこかにまとめて保管ぐらいはするはずだ。
明日は町の倉庫を探してみてもいいかもしれない。
今日の家の調査を終了させると、七海と佐藤がいる家に戻った。家の中にはカツ丼の匂いが漂っている。
匂いに釣られて、魔物が引き寄せられないか少し心配だ。
「はふっ、はふっ、会長も食べますかぁ?」
床に座って、カツ丼を食べている佐藤が聞いてきた。
「食べながら喋らなくていいよ。一杯だけ貰おうかな」
「はぁーい!」
佐藤が左手に持っている白い紙の器の中には、湯気が昇っているカツ丼が入っている。
佐藤の杖は第三形態に成長したけど、形状変化が出来るのは、『料理・パン』だけだった。
『料理・カツ丼』は固定されていて、丼物なら何でも食べられるわけじゃなかった。
第四形態があると期待して、海鮮丼は次に期待するしかない。
「会長、明日はどうするんですか? また家の中を荒らすんですか?」
「何も無かったから荒らしてないよ。明日は町の倉庫を見つけようと思う。ついでに町の中にいる魔物を駆除しよう」
七海が明日の予定を聞いてきたので、さっき決めた予定を話した。
本当はテルダムの町に早く戻った方がいいけど、カツ丼食べただけで帰れない。
町の住民が本当にいないか確認したいし、引っ越し先の住所か手掛かりぐらいはあるはずだ。
「つまりはあれば荒らすんですね? お金が落ちていても使えないんだから意味ないですよ。そんなのいいですから、家畜を連れて行った方が町の人達が喜びますよ」
七海は母親並みに泥棒は駄目だと叱ってくる。
本物の母親に叱られた経験はないが、俺の母親は多分叱ったりはしない。相当に俺には甘い母親だった。
「家畜なら連れて行かないよ。放し飼いして、必要な時に捕まえた方が楽だ。それに肉の味がまだ分からない。モップ牛と狼豚の肉を持って帰って、町の人達に食べた感想を聞いた方がいい」
「まぁ、確かに不味い肉は食べたくないですよね。分かりました。お肉は鞄に入るだけ持って帰ります」
「うん、そうして。それと魔物に解毒薬を飲ませて身体が変化したら、その肉も食べられるか調べるよ。そっちの方が美味しいなら、町で数頭飼って繁殖させて、少しずつ増やす事になるだろうから」
泥棒だけじゃなく、与えられた仕事もキチンと考えている。
ついでに魔物の増えたかも調べたい。草原地帯には小柄なモップ牛や狼豚の子供もいた。
倒しても増え続けられるなら、永遠に魔物を倒し続けないといけない。
それなら魔物は放置して、一つの町で暮らして快適な環境に作り変える方が楽だ。
♢
「んんっ……」
「ふわぁ……」
……暑い。
一つのベッドに三人で寝ると流石に暑い。端にいる俺の身体を七海がペタペタと寝惚けて触ってくる。
鞄の中に厚手のシーツを持って来たのは、俺一人だけだった。
二人が寝る準備に鞄に持って来たの黒の長ズボンだけだった。
「むにゃ、はふぅ……」
……いい加減に我慢と理性の限界だ。
背中に七海の柔らかい胸を押し付けられて、抱き枕のように抱き締められる。
静かに寝返りを打って、七海の寝顔を見た。寝相が悪過ぎる。
「んっ、んっ……会長?」
寝ている七海のスカートの中に手を入れると、次にズボンの中に手を入れた。
下着の上から秘部を指先で撫でていく。七海はボンヤリと目を覚まして見てきた。
「声を出したら駄目だよ。佐藤が起きちゃうから」
「あっ、うっ、だめぇ……」
七海の唇にソッと指を置いて、静かにするようにお願いした。
七海は何をされるか分かって、頭の中が真っ白になったのだろう。
抵抗もせず声も出さずに、秘部を指先で撫でられていく。
しばらくすると、「んっ、あっ」と小さな声で七海は感じ始めた。
ズボンと下着を脱がして、蜜穴を指で掻き回していく。
やっぱり最初は濡れにくいようだ。指先を舐めて濡らすと、もう一度中に入れていた。
蜜穴が指に吸い付いてくる。七海が俺の身体にピッタリと抱き付いて密着する。
「んんっ、会長、はぁ、はぁ、もう、だめぇ……」
真っ赤な顔で苦しそうに七海が言ってきた。イキそうになっているみたいだ。
くちゅ、くちゅと秘部からエッチな音が聞こえてくる。
軽くイッてもらって、次は俺のものをイカせてもらう。
♢
「ね、眠い……」
「佐藤さん、そろそろ起きないと駄目だよ」
爽やかな笑顔で、ベッドの上でまだ寝ている佐藤に起きるように言った。
朝ご飯を作れるのは佐藤だけなので、佐藤が起きないと飯抜きで調査する事になる。
「むぅー、二人の所為なのに……」
「餡パンとカレーパンでいいから。作れない時はチョココロネとピザパンでお願いね」
寝起きは不機嫌なのか、佐藤がボォーと睨んでくる。あまり怖くないので、さっさと注文した。
メロンパンは食べ飽きたので作れるパンを調べたい。まずは甘いパンと辛いパンを注文した。
佐藤はベッドの上で座ったまま、俺が言った四種類のパンを作ると面倒くさそうに渡してきた。
「はい。会長、エッチするなら私がいない時にして。うるさくて眠れないから」
「あぁ、そうだったんだ。ごめんね。七海が我慢できなかったみたいなんだ」
佐藤が不機嫌な理由に気付いて謝った。一応は気を使って、別の部屋でしていたのに起こしてしまったようだ。
まぁ、本当に嫌なら「うるさい!」と怒鳴り込んで来るはずだ。怒っている理由は欲求不満なのかもしれない。
「うぅぅ、我慢できないって……雫がそんなにエッチだったなんて……」
「女の子は皆んなそうじゃないの? 七海は週に二回は求めてくるんだけど」
「週二回はちょっと多いかも」
佐藤の頭の中で七海が変態キャラに確定されかけているけど、事実だから何も問題ない。
七海は今は町の井戸水で身体を綺麗にしている。戻って来た時には汚れた女として認識されている。
「ごめん、お待たせ。ちょっと服に泥が付いちゃったから洗ってたの。綺麗になったから行こう」
シーツを畳んだ後に、家の外で佐藤とパンを食べながら七海の帰りを待っていると、スッキリした顔の七海が戻ってきた。何か言い訳しているけど、それは不適切発言だと思う。
佐藤が「そ、そうなんだ」と気にしないようにかなり努力しているから、俺も空気を読んで何も言わない。
「それじゃあ、調査を始めるよ。家を一つ一つ開けて、物が大量にあったら倉庫だと思う」
「うん、私もそんな家があったら倉庫だと思う」
簡単な説明を終えると、佐藤も理解したようなので調査を開始した。探すものは消えた住民の手掛かりだ。
テルダムの町から北の方角にかなり進んだ場所に、この大陸で一番大きな町『リベルタス』があるそうだ。
避難するとしたら、普通はその町を目指すと思う。
だけど、沢山ある小さな町の住民全員が一つの大きな町の中に避難したら、どんなに大きな町でも、とても入りきれないと思う。大きな町でも人口一万から二万人程度らしい。
現実的に考えれば大きな町の近くにある町に、避難住民を分散して暮らしてもらうしかない。
……だとしたら、二番目や三番目に大きな町かもしれないな。
「会長、鍵のかかった家を見つけたよ。多分、倉庫だと思う」
「分かった。鍵を壊して、中を調べようか」
いくら扉を開けても空き家続きだったけど、七海が倉庫を見つけたかもしれない。
七海の後を付いて行くと、横に細長い建物がいくつも見えてきた。
三メートル程の両開きの扉の真ん中には、茶色く錆びた金属板に鍵穴が見える。
「七海、爆発させるから少し離れて」
魔法の前で鍵とか関係ない。杖の先に直径5センチの小さな爆発弾を作って容赦なく発射した。
爆発弾は鍵穴に命中するとドンと爆発して、鍵穴の付いた金属の板を扉の中に吹き飛ばした。
これでただの両開きの扉になった。誰でも自由に入る事が出来る。
「お化けとか出ないよね?」
「家畜小屋みたいだ。テルダムの町よりもここで育てた方がいいかもしれない」
七海が怯えているけど、幽霊は朝には出ないはずだから大丈夫だ。
扉を開いて中に入ると、建物の右側に木柵で仕切られた小部屋がいくつも並んでいた。
小部屋の地面は外と同じように草が生えていて、その上には白い骨が動物の形のまま残っていた。
……馬じゃないな。牛か?
足の骨の数から四足動物なのは分かった。多分、足が短くて、全体的に大きいから牛だ。
建物の中には飼育道具一式が放置されている。家畜を連れて行く余裕はなかったようだ。
ロープ、スコップ、桶、ワラの山などが綺麗な状態で壁や棚に置かれている。
「流石に骨は吸収できないか……」
試しに骨に杖をくっ付けてみたけど、反応はなかった。
吸収できるなら、八匹ぐらいはあるから楽に真珠を集められた。
……これ以上は粘っても遅くなるだけか。一旦、町に帰るしかないな。
他の家畜小屋を調べた結果、柵と扉が破壊された建物がいくつか見つかった。
おそらく、そこから家畜が外に逃げ出して魔物化したと考えていい。
そろそろ町に戻らないと心配されるので、予定通りに一泊二日の調査で終わるとしよう。
「七海、テルダムに帰るぞ。帰りながら魔物も倒すからな」
「うん、分かったぁー」
お土産に動物のデカい頭蓋骨を持って帰るか悩んでいる七海に呼びかけた。
それを貰って喜ぶのは犬ぐらいしかいないので悩む必要はない。
七海は返事をすると骨を地面に置いて、駆け足で走って来て、左腕に抱き付いた。
「エッチな事させたんだから、約束通りに頑張って倒さないと許さないから」
腕にピッタリとくっ付いて、七海が上目遣いで少し怒った感じに言ってきた。約束した記憶がない。
「このままだと、七海の杖だけ仲間外れだね。どうすればいいか分かるよね?」と言っただけだ。
まぁ、最初から成長させる予定だったから、別に頑張る必要はない。
「分かっている。七海は杖に避妊具をお願いした方が良いぞ。いっぱいエッチが出来るからな」
「な、な、なっ⁉︎ そんなのお願いしないよぉ!」
「そうか、七海がいいなら別にいい。俺は別に無くても困らないだろうからな」
キチンと避妊した方が良いと言ったのに、七海は妊娠したいみたいだ。凄く怒っている。
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そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
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