不死鳥フェニックスと契約した村長さんと不死身村人の最強村

もう書かないって言ったよね?

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第二章・食糧調達編

第7話 不死鳥の助言

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「そ、村長⁉︎ 魔物が空から降りて来ました」

 黒き竜の炎から生き返ったばかりの村人の一人が、草だけ村の上空を指差している。
 だが、あれは巨大な不死鳥だ。
 村人が短時間で何百回も生き返っては死んでいくので、苦情に飛んで来たようだ。

「いや、あれは不死鳥様だぁ! 我らが苦しんでいるから救いに来てくれたのだ! あの黒い魔物を不死鳥様が倒してくれるぞ!」

 そこまで都合が良い訳ない。
 不死鳥がアークドラゴンを倒して、その素材で武器を作って、村人が急激に強くなる事はない。
 いきなり驚異的に村人のレベルが500まで上がる訳でもない。
 不思議な能力やスキルで問題がいきなり解決するはずもない。
 人生を舐めるな。人生は生きるよりも、生き続けたいと思う方が難しいのだ。

『お前達は何をやっている? 死にたくなったのならば、お前との契約を無かった事にしよう』

 不死鳥は神山の頂上からでも千里眼で村人達の様子を見る事が出来る。
 無謀に黒き竜に突っ込んでいく村人達を見て、自殺したいと思ったようだ。

 村人達は契約を切られると死んでしまう。
 慌てて村人達が不死鳥に跪いて否定している。

「不死鳥様、そのような事は我らは一切考えていません!」
「そうです。村の食糧危機を解決する為に、村人総出で戦っていただけであります!」
「どうかどうか、不死鳥様のお力で村の周囲の草を復活させてくださいまし!」
「「「不死鳥様、お願いします!」」」

 村人達三百人が子供まで含めて、不死鳥に土下座してお願いしている。
 草が復活するようになれば、村人達はそれで幸せなのだ。

 だが、そんな村人達の細やかな願いさえも、不死鳥は聞いてやるつもりはなかった。
 例えそれが村人一人を生き返らせるよりも、物凄く簡単な願いだとしてもだ。

『何か勘違いしていないか? 不死身の身体は与えた。草を復活させたいなら、水でも撒けばいい。草が無ければ土でも食えばいい』
「で、ですか、不死鳥様! このままでは村人達は常に飢えで苦しみ、村人同士で共食いを始めるのは時間の問題です。どうか、我らを、我らをもう一度お救いくださいませ!」

 グラハムは全力全開で村人代表として、何度も何度も頭を上げては下げてを繰り返している。
 そんな見っともない同じ動作を繰り返すだけの村長や村人達の姿に、不死鳥は呆れている。

『フンッ。いいだろう。だが、与えるのは知恵だけだ。今のお前達に黒き竜は倒せない』

 そして、哀れな村人達に同情してしまったようだ。もう一度助ける事にした。
 
「では、我々は他の魔物を襲えばいいのですね!」
「やったぞ! 他の魔物を襲えば食糧問題は解決だぞ!」

 不死鳥の助言も馬鹿な村人には一度では足りないようだ。
 身体がデカイからという理由で、黒き竜を狙った村人達は、今度は小さい魔物を狙うみたいだ。
 小さい方が弱いとは限らない。そんなお馬鹿な村人達にため息を吐きつつ、不死鳥は言った。

『ふぅー、無理だ。村の近くにいる魔物はお前達では絶対に倒せない』

 当然と言えば当然だ。レベル1の村人が倒せるはずがない。
 そして、知能レベル1の村人が、これだけで何をすればいいのか分かるはずがない。
 不死鳥は続けて、沢山の助言を与えている。

『魔物を倒したければ、村人同士で殺し合いをしろ。それを朝から夜まで毎日続けろ。もしも一日でもサボるようなら、契約は無かった事にする』
「そ、そんな不死鳥様⁉︎ 村人同士で殺し合いなんて出来ません!」
『出来なければ死ぬだけだ。人を倒す事が出来ない者に、魔物を倒す事は出来ない。では、始めろ。我は山の頂から見ているぞ』

 不死鳥は六個も助言を与えると、神山に向かって飛んでいった。
 村人を甘やかし過ぎた。
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