26 / 98
第1章
第26話⑩解決
しおりを挟む
「くぅぅぅ! 服はたくさんあるのに防具が一つもないなんて!」
リラとヨハネのアイテム鞄を探しているのに金属鎧も強そうな武器も出てこない。
よく考えたら、武闘家と魔法使いだ。どっちも薄い布で戦っているイメージしかない。
戦士妹が特別だった。今時、戦士でもあんな全身鎧着る方が珍しいぐらいだ。
「はぁぁ、やっぱり助けが来るまで粘るしかないか」
脱出アイテムを探すのを諦めて、ベッドに座った。
前は6日目で助けがきた。食糧と水なら二人のアイテム鞄の中にある。
二週間ぐらいなら余裕で助けを待っていられる。
でも、三週間以上は難しいと思う。
大抵のダンジョンは長くても2日で攻略できるものがほとんどだ。
このダンジョンなんかは半日もあれば、往復できるぐらいだ。
アイテム鞄に入れる食糧は基本的に一週間分だ。
慎重派の中堅冒険者でも二週間分ぐらいしか持っていかない。
だけど、問題はそこじゃない。
妹が飲まず食わずで二週間も持つわけがない。
家に帰ってすぐに妹を埋葬するのは嫌だ。
生きているうちに帰りたい。
「武器がないなら作るしかないか……」
運に頼りたくないけど、もう運に頼るしかない。
地面に落ちているオールドロードが残した【レシピ本】を見た。
本を開けば、レシピに必要な材料が一瞬で理解できる魔法の本だ。
噂では一冊で1~3種類のアイテムの作り方が分かるそうだ。
「やるしかない! 頼む!」
レシピ本の前まで行くと、しゃがみ込んで、祈る気持ちで本を開いた。
すぐに頭の中に大量の光の文字が浮かび上がって、頭の中を飛び回り始めた。
「ぐああぁぁぁ‼︎」
こんなに痛いとは聞いてなかった。
脳味噌を鷲掴みさせて揉まれている気分だ。
【”状態異常魔法の杖〟を作るのに必要な素材】
①【カースロードのヒビ割れた宝珠】
②【原型となる杖】
③【古代アルペニア神殿に出現するモンスターの死体多数】
「うわあああっ! はぁはぁ! み、見えた!」
頭の中から光の文字が消え去った。
必要な材料が分かった。全部持っている。
原型になる杖は俺の杖を使えばいい。
モンスターも脳筋二人が倒したのが大量にある。
レアボスの名前がカースだったけど、これはどうでもいい。
「状態異常魔法の杖か……よし、作ろう」
名前からして攻撃力は期待できない。
だけど、この名前とレアボスの能力から、アレが期待できる。
もしも予想通りなら、モンスターを一匹も倒さずにダンジョンから出られる。
とにかくモンスターの死体を全部出そう。
地面に山盛りの死体を積み上げると、その死体の中に杖を差し込んだ。
「頼む! 俺の帰りを妹が待っているんだ!」
ヒビ割れた宝珠に祈ると、死体の中に腕を突っ込んだ。
「”シンセシス〟‼︎」
そして、合成に必要な魔法の呪文を唱えた。
「くっ!」
すると、山盛りの死体を覆うように帯のような光の呪文が現れた。
呪文の帯に触れた死体が消えていき、山盛りの死体が小さくなっていく。
光の帯がモンスターの力を吸い取っているみたいだ。
「うぐっ!」
宝珠を握る俺の右腕に帯が触れたので、吸い取られる前に腕を引っこ抜いた。
帯に触れた宝珠がすぐさま吸収されている。
残ったのは宙に浮かぶ俺の杖と、杖に纏わり付く光の帯だけだ。
その宙に浮かぶ杖に近づき、右手で掴んだ。
杖の先端の形が少しずつ変わっていき、鉤爪のような形になると、鉤爪の中に宝珠が現れた。
横から見た杖の先端の見た目は、鳥の目か竜の目のように見える。
「よし、終わった」
杖を覆っていた光の帯が消えた。
合成が終わって杖が完成したみたいだ。
「ぐっ!」
【状態異常魔法の杖:”スリープ〟”パラライ〟”ポイズン〟が使える魔法の杖。杖を犠牲にする事で一度だけ上位の”カース〟状態異常を付け加える事が出来る】
頭の中に杖の能力が流れ込んできた。
予想通りの能力だった。あとは実際に使えるかどうかだ。
それは試さないと分からない。使えない時はボス部屋の中に逃げ込むしかない。
「よし、二人は待ってて。必ず生きて帰ってくるから!」
「すぅ……すぅ……」
「スー……スー……」
ベッドに寝ている二人に約束した。
死亡フラグは立てない。立てるのは聖剣だけと決めている。
ボス部屋の扉を開くと、本物のダンジョンに足を踏み入れた。
リラとヨハネのアイテム鞄を探しているのに金属鎧も強そうな武器も出てこない。
よく考えたら、武闘家と魔法使いだ。どっちも薄い布で戦っているイメージしかない。
戦士妹が特別だった。今時、戦士でもあんな全身鎧着る方が珍しいぐらいだ。
「はぁぁ、やっぱり助けが来るまで粘るしかないか」
脱出アイテムを探すのを諦めて、ベッドに座った。
前は6日目で助けがきた。食糧と水なら二人のアイテム鞄の中にある。
二週間ぐらいなら余裕で助けを待っていられる。
でも、三週間以上は難しいと思う。
大抵のダンジョンは長くても2日で攻略できるものがほとんどだ。
このダンジョンなんかは半日もあれば、往復できるぐらいだ。
アイテム鞄に入れる食糧は基本的に一週間分だ。
慎重派の中堅冒険者でも二週間分ぐらいしか持っていかない。
だけど、問題はそこじゃない。
妹が飲まず食わずで二週間も持つわけがない。
家に帰ってすぐに妹を埋葬するのは嫌だ。
生きているうちに帰りたい。
「武器がないなら作るしかないか……」
運に頼りたくないけど、もう運に頼るしかない。
地面に落ちているオールドロードが残した【レシピ本】を見た。
本を開けば、レシピに必要な材料が一瞬で理解できる魔法の本だ。
噂では一冊で1~3種類のアイテムの作り方が分かるそうだ。
「やるしかない! 頼む!」
レシピ本の前まで行くと、しゃがみ込んで、祈る気持ちで本を開いた。
すぐに頭の中に大量の光の文字が浮かび上がって、頭の中を飛び回り始めた。
「ぐああぁぁぁ‼︎」
こんなに痛いとは聞いてなかった。
脳味噌を鷲掴みさせて揉まれている気分だ。
【”状態異常魔法の杖〟を作るのに必要な素材】
①【カースロードのヒビ割れた宝珠】
②【原型となる杖】
③【古代アルペニア神殿に出現するモンスターの死体多数】
「うわあああっ! はぁはぁ! み、見えた!」
頭の中から光の文字が消え去った。
必要な材料が分かった。全部持っている。
原型になる杖は俺の杖を使えばいい。
モンスターも脳筋二人が倒したのが大量にある。
レアボスの名前がカースだったけど、これはどうでもいい。
「状態異常魔法の杖か……よし、作ろう」
名前からして攻撃力は期待できない。
だけど、この名前とレアボスの能力から、アレが期待できる。
もしも予想通りなら、モンスターを一匹も倒さずにダンジョンから出られる。
とにかくモンスターの死体を全部出そう。
地面に山盛りの死体を積み上げると、その死体の中に杖を差し込んだ。
「頼む! 俺の帰りを妹が待っているんだ!」
ヒビ割れた宝珠に祈ると、死体の中に腕を突っ込んだ。
「”シンセシス〟‼︎」
そして、合成に必要な魔法の呪文を唱えた。
「くっ!」
すると、山盛りの死体を覆うように帯のような光の呪文が現れた。
呪文の帯に触れた死体が消えていき、山盛りの死体が小さくなっていく。
光の帯がモンスターの力を吸い取っているみたいだ。
「うぐっ!」
宝珠を握る俺の右腕に帯が触れたので、吸い取られる前に腕を引っこ抜いた。
帯に触れた宝珠がすぐさま吸収されている。
残ったのは宙に浮かぶ俺の杖と、杖に纏わり付く光の帯だけだ。
その宙に浮かぶ杖に近づき、右手で掴んだ。
杖の先端の形が少しずつ変わっていき、鉤爪のような形になると、鉤爪の中に宝珠が現れた。
横から見た杖の先端の見た目は、鳥の目か竜の目のように見える。
「よし、終わった」
杖を覆っていた光の帯が消えた。
合成が終わって杖が完成したみたいだ。
「ぐっ!」
【状態異常魔法の杖:”スリープ〟”パラライ〟”ポイズン〟が使える魔法の杖。杖を犠牲にする事で一度だけ上位の”カース〟状態異常を付け加える事が出来る】
頭の中に杖の能力が流れ込んできた。
予想通りの能力だった。あとは実際に使えるかどうかだ。
それは試さないと分からない。使えない時はボス部屋の中に逃げ込むしかない。
「よし、二人は待ってて。必ず生きて帰ってくるから!」
「すぅ……すぅ……」
「スー……スー……」
ベッドに寝ている二人に約束した。
死亡フラグは立てない。立てるのは聖剣だけと決めている。
ボス部屋の扉を開くと、本物のダンジョンに足を踏み入れた。
12
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる