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第2章
第43話⑤ピンチポイント①
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「これでお前もただの人だ。特別に最強の【トリプルパワーダウン】だ。これ以上は落ちねえから安心しな」
身体を包んでいた赤い光が消えていく。笑みを浮かべる魔法使いの言う通りだ。
ギンギンの聖剣状態だった身体が、魔力解放したように力を失っていく。
「俺の出番はなさそうだな。さてと、さっさとコイツを殺して、デカパイ女で楽しむか」
「おい、何もしてねえ奴がやるつもりか? 俺が楽しんだ後なら使わせてやるよ。それまで待ってな」
「待てねえよ。口でも尻でもいいから使わせろ」
「嫌だね。テメェーの使用済みだと思うとゾッとするぜ。指でもしゃぶるか、コイツのケツで我慢するんだな」
「野朗のケツで楽しめるか。馬の方がまだマシだ」
もしかすると、今が動くチャンスかもしれない。
魔法使いの隣に移動した盗賊と魔法使いが、リラの使用権を巡って言い争っている。
もちろん、どちらにも使用させるつもりはない。リラは俺の女だ。
「おい。動くんじゃねえよ、ケツ野朗! この女、殺すぞ!」
「くっ!」
駄目だった。一歩歩いただけで気付かれた。
「なに、カッコつけようとしてんだよ。テメェーの事は調べてんだよ。ミノタウロスみたいなデケエ図体して、女の後ろに隠れて回復しかしねえ糞雑魚僧侶が。何でこんな糞を仲間にしてるのか不思議に思ってたら、ただの性処理要員じゃねえか。俺はお前みたいな女抱くしか能がない糞が一番嫌いなんだよ!」
「おいおい、お前が言える口か? いつも女弱らせて、無理矢理やってんのはお前だろ」
「うるせい! 同族嫌悪だ! こんな奴と一緒にすんな!」
俺の事を調べたらしいけど、正しいのは前半の情報だけだ。
性処理要員じゃなくて、正しくはストレス発散要員として暴行されていた。
そんな事を思っていると、魔法使いがさらに続けてきた。
「どうせ、ミノタウロスとオーガを倒したのもこの女なんだろ? ほら、来たいなら来いよ。一発本気で殴らせてやる。もしも俺を地面に倒せたら見逃してやるよ」
倒したのはリラじゃない。俺だ。殴っていいなら殴るに決まっている。
右拳にアンチポイズンヒールの紫の魔力を込めながら、魔法使いに向かって歩いていく。
弱体化されているなら、手加減なんて必要ない。本気の本気。持っている力の全てを右拳に込める。
「おい、馬鹿な約束すんな。仕事なのを忘れたのか?」
「忘れてねえよ。俺のパワーダウン、知ってんだろ? 筋力も魔力も弱体化させるんだ。どう頑張っても、コイツが俺を倒すのは——」
お話し中だけど、行かせてもらう。
力強く踏み込み、集めた力の全てを魔法使いの顔面に叩きつけた。
「フンッ!」
「ごおぺぇ……!」
粉砕、吹き飛ばした。
魔法使いが30メートルほど飛ぶと、地面に激しく落下した。
そのまま勢いが衰えず、派手に地面を転がり飛びながら離れていく。
やっと止まったのは60メートルぐらい先だった。
「あ、ありえねえ。ま、まさか、弱体化に失敗……いや、弱体化させてあれなのか……⁉︎」
盗賊が足をガクガク震わせて何か言っている。
盗賊には悪いけど、魔法使いが倒れて、弱体化されていた力が戻ってきた。
答え合わせは殴られた後に、生きていたらやってくれ。
「ま、待て! 降参だ! この仕事からは降りる! だから許してくれ!」
俺は許してもいいけど、多分もう一人が許さない。
両手を上げて降参している盗賊の後ろでリラが立ち上がった。
というか殴る構えで立っている。もう本気で殴る寸前だ。
「ねえ」
「ええっ!」
「死ねえ‼︎」
「ぐべぇっ……!」
リラに声をかけられ、盗賊が慌てて振り向くと、そこには全力パンチが待っていた。
バキィと首の骨が折れるような音を鳴らして、盗賊がその場で三回転してから地面に倒れた。
「このゴミが! だから最初に言ったでしょうが! 襲う相手間違えてるって!」
倒れている相手にも容赦しない。というか絶対に死んでいる。
盗賊が頭を思いっきり踏み付けられても無反応だ。
多分というか絶対に魔法使いも死んでいる。
とりあえず糞尿用のアイテム鞄に二人とも放り込んでおこう。
「アイツら、多分【闇ギルド】ね。まだいるかもしれないから、逃げた方がいいかもね」
いつもの死体回収を終えると、リラが言ってきた。
闇ギルド、通称【犯罪ギルド】だ。
金さえ払えばどんな依頼も引き受ける、凶悪冒険者が集まる組織だ。
「逃げるって何処に?」
「何処でもいいわよ。小さな村で一年ぐらい隠れて暮らしていたら、死んだと思って諦めてくれるわよ」
流石は幼馴染だ。考え方が似ている。
でも、人が言っているのを聞いてみると、上手くいきそうな気がまったくしない。
貴族が本気で探せば、何処に隠れていても見つけ出すと思う。
家に隠れていたのに執事に見つかったから、隠れて暮らす自信がない。
「まったく、あんたの所為で私まで逃亡犯じゃない。あーあ、せっかく結婚したのに最悪ね」
「えっ? リラ、結婚してたの⁉︎ 誰と⁉︎」
逃げるか、別の方法がないか、考えていると、リラが衝撃告白してきた。
人妻になっていたなんて聞いていない。道理で処女じゃないはずだ。
身体を包んでいた赤い光が消えていく。笑みを浮かべる魔法使いの言う通りだ。
ギンギンの聖剣状態だった身体が、魔力解放したように力を失っていく。
「俺の出番はなさそうだな。さてと、さっさとコイツを殺して、デカパイ女で楽しむか」
「おい、何もしてねえ奴がやるつもりか? 俺が楽しんだ後なら使わせてやるよ。それまで待ってな」
「待てねえよ。口でも尻でもいいから使わせろ」
「嫌だね。テメェーの使用済みだと思うとゾッとするぜ。指でもしゃぶるか、コイツのケツで我慢するんだな」
「野朗のケツで楽しめるか。馬の方がまだマシだ」
もしかすると、今が動くチャンスかもしれない。
魔法使いの隣に移動した盗賊と魔法使いが、リラの使用権を巡って言い争っている。
もちろん、どちらにも使用させるつもりはない。リラは俺の女だ。
「おい。動くんじゃねえよ、ケツ野朗! この女、殺すぞ!」
「くっ!」
駄目だった。一歩歩いただけで気付かれた。
「なに、カッコつけようとしてんだよ。テメェーの事は調べてんだよ。ミノタウロスみたいなデケエ図体して、女の後ろに隠れて回復しかしねえ糞雑魚僧侶が。何でこんな糞を仲間にしてるのか不思議に思ってたら、ただの性処理要員じゃねえか。俺はお前みたいな女抱くしか能がない糞が一番嫌いなんだよ!」
「おいおい、お前が言える口か? いつも女弱らせて、無理矢理やってんのはお前だろ」
「うるせい! 同族嫌悪だ! こんな奴と一緒にすんな!」
俺の事を調べたらしいけど、正しいのは前半の情報だけだ。
性処理要員じゃなくて、正しくはストレス発散要員として暴行されていた。
そんな事を思っていると、魔法使いがさらに続けてきた。
「どうせ、ミノタウロスとオーガを倒したのもこの女なんだろ? ほら、来たいなら来いよ。一発本気で殴らせてやる。もしも俺を地面に倒せたら見逃してやるよ」
倒したのはリラじゃない。俺だ。殴っていいなら殴るに決まっている。
右拳にアンチポイズンヒールの紫の魔力を込めながら、魔法使いに向かって歩いていく。
弱体化されているなら、手加減なんて必要ない。本気の本気。持っている力の全てを右拳に込める。
「おい、馬鹿な約束すんな。仕事なのを忘れたのか?」
「忘れてねえよ。俺のパワーダウン、知ってんだろ? 筋力も魔力も弱体化させるんだ。どう頑張っても、コイツが俺を倒すのは——」
お話し中だけど、行かせてもらう。
力強く踏み込み、集めた力の全てを魔法使いの顔面に叩きつけた。
「フンッ!」
「ごおぺぇ……!」
粉砕、吹き飛ばした。
魔法使いが30メートルほど飛ぶと、地面に激しく落下した。
そのまま勢いが衰えず、派手に地面を転がり飛びながら離れていく。
やっと止まったのは60メートルぐらい先だった。
「あ、ありえねえ。ま、まさか、弱体化に失敗……いや、弱体化させてあれなのか……⁉︎」
盗賊が足をガクガク震わせて何か言っている。
盗賊には悪いけど、魔法使いが倒れて、弱体化されていた力が戻ってきた。
答え合わせは殴られた後に、生きていたらやってくれ。
「ま、待て! 降参だ! この仕事からは降りる! だから許してくれ!」
俺は許してもいいけど、多分もう一人が許さない。
両手を上げて降参している盗賊の後ろでリラが立ち上がった。
というか殴る構えで立っている。もう本気で殴る寸前だ。
「ねえ」
「ええっ!」
「死ねえ‼︎」
「ぐべぇっ……!」
リラに声をかけられ、盗賊が慌てて振り向くと、そこには全力パンチが待っていた。
バキィと首の骨が折れるような音を鳴らして、盗賊がその場で三回転してから地面に倒れた。
「このゴミが! だから最初に言ったでしょうが! 襲う相手間違えてるって!」
倒れている相手にも容赦しない。というか絶対に死んでいる。
盗賊が頭を思いっきり踏み付けられても無反応だ。
多分というか絶対に魔法使いも死んでいる。
とりあえず糞尿用のアイテム鞄に二人とも放り込んでおこう。
「アイツら、多分【闇ギルド】ね。まだいるかもしれないから、逃げた方がいいかもね」
いつもの死体回収を終えると、リラが言ってきた。
闇ギルド、通称【犯罪ギルド】だ。
金さえ払えばどんな依頼も引き受ける、凶悪冒険者が集まる組織だ。
「逃げるって何処に?」
「何処でもいいわよ。小さな村で一年ぐらい隠れて暮らしていたら、死んだと思って諦めてくれるわよ」
流石は幼馴染だ。考え方が似ている。
でも、人が言っているのを聞いてみると、上手くいきそうな気がまったくしない。
貴族が本気で探せば、何処に隠れていても見つけ出すと思う。
家に隠れていたのに執事に見つかったから、隠れて暮らす自信がない。
「まったく、あんたの所為で私まで逃亡犯じゃない。あーあ、せっかく結婚したのに最悪ね」
「えっ? リラ、結婚してたの⁉︎ 誰と⁉︎」
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