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第2章
第51話⑧プロットポイント②
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「ねえ、リラ? そろそろ動いてもいいかな?」
絶対領域の膝枕も良いけど、寝るなら馬車で眠りたい。
まだ怒っているリラに聞いてみた。
「駄目……って言いたけど、モンスターが来たら危ないわね。はぁぁ、仕方ないから馬車まで避難しましょう」
「うん、そうだね!」
溜め息混じりのリラの許しが出た。素早く元気に立ち上がった。
早く馬車に帰って、あんな事やこんな事をしたい。
約束したんだから、赤ちゃんプレイもさせてくれる。
「あっ、ちょっと! 無理しないでよ! 死にかけてたんだからね!」
「大丈夫、大丈夫! ほら、この通り! 元気、元気!」
俺の心配よりも自分の心配をした方がいい。今度はリラが死にかける番だ。
手足と腰を集中的に動かして、身体の状態を確認する。
これだけ動けるなら、どんな激しいエッチも長時間続けられる。
「そういえば……あっ、ちょっと待って!」
「んっ、どうしたの?」
早く馬車に行きたいのに、リラが周囲を見回して何かを見つけたようだ。
トン爺さんでも見つけたのだろうか。
「ほらほら、戦利品、戦利品!」
「あー、あったんだ……」
地面に突き刺さっている黒い大剣を指差して、リラがはしゃいでいる。
貴重そうな【限定職】を貰ったから、それが戦利品だと思っていた。
だけど、他にもあったみたいだ。
黒大剣まで歩いていくと、右手で掴んで抜いてみた。
「う~ん、凄そうだけど……」
全長2メートル超え。左右対称の幅広の刀身を持つ黒大剣。
刀身を囲む刃は銀色、それ以外の全てが光沢のある黒色をしている。
相当なレア武器だと思うけど、剣なんて使わないし、最近は殴ってばかりだ。
しかも、それをかなり極めている。残念だけど、凄い剣も宝の持ち腐れになる。
「へぇー、意外と似合うじゃない。ちょっと構えてみてよ」
「えっ、そう? こんな感じ?」
ただ黒大剣を持って見ていただけなのに、リラに褒められた。
妹の真似だけど、適当にやってみた。
両手で剣を持って、切っ先を前に向けて、左肩の横で突きの構えをとった。
いつも後ろから見ていたから、何となく出来る。
「うんうん、良い! 超良い! もう完璧に見た目は最強戦士ね! 何かカッコいい台詞言ってみてよ!」
「えっ~、カッコいい台詞かぁ……」
リラが凄く嬉しそうだ。赤ちゃんプレイの前に戦士プレイがしたいみたいだ。
もしかして、俺を好きな理由は強そうな見た目なのかもしれない。
仕方ない。妻を喜ばせるのも旦那の仕事だ。エッチ以外も頑張らないと。
「殺してやるからかかって来い」
「違う違う。そういう直接的な強さアピールは逆に駄目。『俺、強いけど戦ってもいいの?』みたいな消極的な感じの方が良いんだから」
「…………」
ちょっと妻が何を言っているのか分からない。
そんな事よりも早く馬車に帰って、赤ちゃんになりたい。
赤ちゃんになって、リラにめちゃくちゃ甘やかされたい。
「リラ、悪いけど疲れているからまた今度でいいかな?」
全然疲れてないけど、帰りたい。リラに聞いてみた。
「あっ、そうだったわね! ごめんごめん! カッコいい台詞考えておくから期待しててね!」
「うん、楽しみだなぁ……」
一応嬉しそうなフリだけはしてみた。リラは戦士プレイが好きみたいだ。
妻の機嫌を損ねるとエッチ禁止にされてしまうので、ここは我慢するしかない。
「おっ! 逃げてきたのか!」
馬車に向かって帰っていると、崩れた廃墟の壁から、こっちを見ている顔と目が合った。
ボロ布を纏った、小さな丸眼鏡のトン爺さんだ。俺達を見ると、嬉しそうな顔で走ってきた。
「だから言ったじゃろ。あれは人間が勝てる相手じゃないと。まったく服がボロボロじゃないか。一体どういう風に逃げてくれば——」
「あれなら倒しましたよ。この拳で」
何か勘違いしているから、拳を握り締めて早めに訂正しておいた。
けれども、
「ば、馬鹿な‼︎ 有り得ない‼︎ あれは人間が倒れせるようなものじゃない‼︎」
トン爺さんが全然信じていない。
仕方ないので、スダボロのアイテム鞄から戦利品の黒大剣を取り出した。
「だったら証拠を見せます。これが戦利品の剣です」
「やっぱり、超戦士LV135じゃったかぁー‼︎ その凄そうな剣で倒してきたんじゃな‼︎」
倒した事は信じたのに、俺の職業とLVが全然違う。
もう面倒くさいから、剣で倒した事にしよう。
「ああ、そうだ。この剣で倒してきた」
「やはりか! 一目見た時から只者じゃないと分かっていたが、まさかこれほどとは……お主、一体何者なんじゃ⁉︎」
なんか似たような事を最近聞かれたばかりだ。
色々と聞かれると長くなりそうだから、さっさと逃げるとしよう。
剣をアイテム鞄にしまうと、リラの腰に手を回して準備した。
「ただの僧侶LV23だ。それ以上でもそれ以下でもない」
「きゃあ!」
「悪いが先を急いでいる。行かせてもらう」
「待ってくれ! まだ聞きたい事が……」
やっぱり長くなると思っていた。
リラを素早くお姫様抱っこすると、トン爺さんを無視して走り出した。
爺さんの相手をするよりも、妻の相手を一秒でも早くしたい。
絶対領域の膝枕も良いけど、寝るなら馬車で眠りたい。
まだ怒っているリラに聞いてみた。
「駄目……って言いたけど、モンスターが来たら危ないわね。はぁぁ、仕方ないから馬車まで避難しましょう」
「うん、そうだね!」
溜め息混じりのリラの許しが出た。素早く元気に立ち上がった。
早く馬車に帰って、あんな事やこんな事をしたい。
約束したんだから、赤ちゃんプレイもさせてくれる。
「あっ、ちょっと! 無理しないでよ! 死にかけてたんだからね!」
「大丈夫、大丈夫! ほら、この通り! 元気、元気!」
俺の心配よりも自分の心配をした方がいい。今度はリラが死にかける番だ。
手足と腰を集中的に動かして、身体の状態を確認する。
これだけ動けるなら、どんな激しいエッチも長時間続けられる。
「そういえば……あっ、ちょっと待って!」
「んっ、どうしたの?」
早く馬車に行きたいのに、リラが周囲を見回して何かを見つけたようだ。
トン爺さんでも見つけたのだろうか。
「ほらほら、戦利品、戦利品!」
「あー、あったんだ……」
地面に突き刺さっている黒い大剣を指差して、リラがはしゃいでいる。
貴重そうな【限定職】を貰ったから、それが戦利品だと思っていた。
だけど、他にもあったみたいだ。
黒大剣まで歩いていくと、右手で掴んで抜いてみた。
「う~ん、凄そうだけど……」
全長2メートル超え。左右対称の幅広の刀身を持つ黒大剣。
刀身を囲む刃は銀色、それ以外の全てが光沢のある黒色をしている。
相当なレア武器だと思うけど、剣なんて使わないし、最近は殴ってばかりだ。
しかも、それをかなり極めている。残念だけど、凄い剣も宝の持ち腐れになる。
「へぇー、意外と似合うじゃない。ちょっと構えてみてよ」
「えっ、そう? こんな感じ?」
ただ黒大剣を持って見ていただけなのに、リラに褒められた。
妹の真似だけど、適当にやってみた。
両手で剣を持って、切っ先を前に向けて、左肩の横で突きの構えをとった。
いつも後ろから見ていたから、何となく出来る。
「うんうん、良い! 超良い! もう完璧に見た目は最強戦士ね! 何かカッコいい台詞言ってみてよ!」
「えっ~、カッコいい台詞かぁ……」
リラが凄く嬉しそうだ。赤ちゃんプレイの前に戦士プレイがしたいみたいだ。
もしかして、俺を好きな理由は強そうな見た目なのかもしれない。
仕方ない。妻を喜ばせるのも旦那の仕事だ。エッチ以外も頑張らないと。
「殺してやるからかかって来い」
「違う違う。そういう直接的な強さアピールは逆に駄目。『俺、強いけど戦ってもいいの?』みたいな消極的な感じの方が良いんだから」
「…………」
ちょっと妻が何を言っているのか分からない。
そんな事よりも早く馬車に帰って、赤ちゃんになりたい。
赤ちゃんになって、リラにめちゃくちゃ甘やかされたい。
「リラ、悪いけど疲れているからまた今度でいいかな?」
全然疲れてないけど、帰りたい。リラに聞いてみた。
「あっ、そうだったわね! ごめんごめん! カッコいい台詞考えておくから期待しててね!」
「うん、楽しみだなぁ……」
一応嬉しそうなフリだけはしてみた。リラは戦士プレイが好きみたいだ。
妻の機嫌を損ねるとエッチ禁止にされてしまうので、ここは我慢するしかない。
「おっ! 逃げてきたのか!」
馬車に向かって帰っていると、崩れた廃墟の壁から、こっちを見ている顔と目が合った。
ボロ布を纏った、小さな丸眼鏡のトン爺さんだ。俺達を見ると、嬉しそうな顔で走ってきた。
「だから言ったじゃろ。あれは人間が勝てる相手じゃないと。まったく服がボロボロじゃないか。一体どういう風に逃げてくれば——」
「あれなら倒しましたよ。この拳で」
何か勘違いしているから、拳を握り締めて早めに訂正しておいた。
けれども、
「ば、馬鹿な‼︎ 有り得ない‼︎ あれは人間が倒れせるようなものじゃない‼︎」
トン爺さんが全然信じていない。
仕方ないので、スダボロのアイテム鞄から戦利品の黒大剣を取り出した。
「だったら証拠を見せます。これが戦利品の剣です」
「やっぱり、超戦士LV135じゃったかぁー‼︎ その凄そうな剣で倒してきたんじゃな‼︎」
倒した事は信じたのに、俺の職業とLVが全然違う。
もう面倒くさいから、剣で倒した事にしよう。
「ああ、そうだ。この剣で倒してきた」
「やはりか! 一目見た時から只者じゃないと分かっていたが、まさかこれほどとは……お主、一体何者なんじゃ⁉︎」
なんか似たような事を最近聞かれたばかりだ。
色々と聞かれると長くなりそうだから、さっさと逃げるとしよう。
剣をアイテム鞄にしまうと、リラの腰に手を回して準備した。
「ただの僧侶LV23だ。それ以上でもそれ以下でもない」
「きゃあ!」
「悪いが先を急いでいる。行かせてもらう」
「待ってくれ! まだ聞きたい事が……」
やっぱり長くなると思っていた。
リラを素早くお姫様抱っこすると、トン爺さんを無視して走り出した。
爺さんの相手をするよりも、妻の相手を一秒でも早くしたい。
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