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第2章
第57話⑧プロットポイント②
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「ほぉー……」
緑の扉を開けて、城砦の中に入ると、光が差し込む綺麗な広場に出た。
灰色の土の地面に暖かな日差しが降り注いでいる。
この場所だけが不気味な森の中で神聖な雰囲気を出している。
けれども、この場所が森の中で一番危険な場所だ。
裏側の植物の生えてない古びた茶色い扉を押して閉めると、広場の中央に魔法陣が現れた。
「気を付けろ、デカいのが来るぞ」
現れる魔法陣の大きさで、現れるボスの大きさも大体分かる。
今回は直径20メートルクラスの大物だ。
縦に長いのか、横に長いのか、それも重要だが、ボスの能力が一番重要だ。
『グルルルルル‼︎』
「最悪ね。まさか【竜種】が現れるなんて……」
「最悪? 最高の間違いだろ」
魔法陣から現れたのは、モンスターの中でも最強と呼ばれる【竜種】だった。
背中には翼はなく、左右二つ合わせれば、胴体にも匹敵する巨大な脚が四本ある。
全身を緑色の植物と苔で覆われて、その中身を隠している。
苔の生えた地竜なのか、岩竜なのか、それとも見たままの木竜なのか。
冒険者なら視覚の情報だけを頼りに考えたりしない。
動きや重さ、攻撃方法などの総合的な情報で最終判断を下さないといけない。
おそらく推定レベルは110~120ぐらい。
人間に例えると特別職や俺の限定職を持つ冒険者だ。
コイツを単独撃破すれば、リラが特別職になれる可能性はかなり高い。
もちろん、それが難しいから高い。普通に考えて一人で倒せる相手じゃない。
「まずは俺が行く。リラ、しっかり観察していろ」
「任せたぞ、俺」
初見の相手に突っ込むのは影俺の役目と決まっている。
慣れた一人芝居でカッコよく送り出した。
「”ライフドレイン〟」
『グルルゥ……?』
まずは暗黒騎士の魔法スキルで攻撃させた。
左手を苔むしる巨竜【千年竜木】に向けた。
竜木の身体から影俺の左手に向かって、赤色に光る粒子が大量に流れてきた。
相手の体力を奪って、自分の体力を回復する略奪魔法だ。
「なるほど。体力は化け物クラスか」
流れてくる粒子の量で、魔法耐性と体力がある程度判断できる。
竜種は魔法耐性が高く、体力が高いのが一般的な常識だ。
さらに俺の生命力吸収は、魔法耐性が高い相手からは体力をそんなに奪えない。
つまりこの攻撃で分かったのは、千年竜木は体力は高いが、魔法耐性が低いという事だ。
「魔法が弱点ならば……”ウルトラソウル〟!」
魔法攻撃が弱点ならば、ヨハネの出番だ。
でも、ヨハネはいない。だったらこのまま俺の出番だ。
影俺が持つ黒大剣に黒斬撃を込めさせた。それを竜木に向かって振り抜いた。
『グルガァ……!』
的がデカイから外す方が難しい。
黒斬撃が直撃した左前脚が大きく切り裂かれた。
けれども、
『グルルルル』
幹のような筋肉がくっ付いて、傷口を塞ぐと苔の肌が覆い隠した。
【再生能力】が異常に高い。これは植物モンスターの特徴の一つだ。
見た目通りの木竜で間違いなさそうだ。情報も集まったし、そろそろ行かせてやる。
もう我慢の限界のはずだ。
「リラ、二人で援護してやる。思いっきり暴れて来い!」
「言われなくても……最初からそのつもりよ!」
脳筋完全復活だ。竜木に向かって、リラが走り出した。
影俺との共同技【ダブルウルトラジャストヒール】なら、ダメージ0だと信じている。
「オラッオラッオラッオラッ‼︎」
『グルル、グルルゥ……!』
大木のような竜木の左前脚にリラの連打が止まらない。
殴られた苔肌が空中に飛び散りまくっている。
キラキラと虹色の光を撒き散らしている。
「うぐっ……###……回復……」
「”アンチパラライ〟!」「”アンチスリープ〟!」
調子よく殴っていたのに、急にリラが殴るのをやめて、顔面蒼白でこっちに見た。
異変を感じて、すぐに影俺と一緒に状態異常回復を唱えた。
けれども、
「うぐっっ、だめぇ、くるしいぃ……」
麻痺と睡眠じゃなかった。
地面に倒れたリラが首を押さえて苦しんでいる。
残る可能性は二つだ。
「”アンチカース〟!」「”アンチポイズン〟!」
急いで残りの二つを唱えて、リラに向かって二人で走った。
これが正解でも、竜木の左前脚がリラを踏み潰そうと浮かび上がっている。
【毒苔】で状態異常にして、倒れた相手を踏み潰す必殺の流れだ。
そんな真似を俺が許すわけがない。
そっちが必殺なら、こっちも必殺を使わせてもらう。
俺の女に手を出していいのは、俺達だけだ。
「”トリプルウルトラソウル〟‼︎」
三連続ウルトラソウルだ。暗黒剣に最大火力の極黒斬撃を込めた。
黒大剣が力に耐え切れずに震えている。それは影俺が持つ黒大剣も一緒だ。
すぐにお前に全てを魔力解放してやる。影俺と並ぶと、竜木の首に向かって同時に振り抜いた。
「”ジャスティス〟‼︎」
バツ印の黒き斬撃が放たれた。ウルトラソウル六発分の超威力だ。
これで死ななかったモンスターはいない。即効で逝かせてやる。
緑の扉を開けて、城砦の中に入ると、光が差し込む綺麗な広場に出た。
灰色の土の地面に暖かな日差しが降り注いでいる。
この場所だけが不気味な森の中で神聖な雰囲気を出している。
けれども、この場所が森の中で一番危険な場所だ。
裏側の植物の生えてない古びた茶色い扉を押して閉めると、広場の中央に魔法陣が現れた。
「気を付けろ、デカいのが来るぞ」
現れる魔法陣の大きさで、現れるボスの大きさも大体分かる。
今回は直径20メートルクラスの大物だ。
縦に長いのか、横に長いのか、それも重要だが、ボスの能力が一番重要だ。
『グルルルルル‼︎』
「最悪ね。まさか【竜種】が現れるなんて……」
「最悪? 最高の間違いだろ」
魔法陣から現れたのは、モンスターの中でも最強と呼ばれる【竜種】だった。
背中には翼はなく、左右二つ合わせれば、胴体にも匹敵する巨大な脚が四本ある。
全身を緑色の植物と苔で覆われて、その中身を隠している。
苔の生えた地竜なのか、岩竜なのか、それとも見たままの木竜なのか。
冒険者なら視覚の情報だけを頼りに考えたりしない。
動きや重さ、攻撃方法などの総合的な情報で最終判断を下さないといけない。
おそらく推定レベルは110~120ぐらい。
人間に例えると特別職や俺の限定職を持つ冒険者だ。
コイツを単独撃破すれば、リラが特別職になれる可能性はかなり高い。
もちろん、それが難しいから高い。普通に考えて一人で倒せる相手じゃない。
「まずは俺が行く。リラ、しっかり観察していろ」
「任せたぞ、俺」
初見の相手に突っ込むのは影俺の役目と決まっている。
慣れた一人芝居でカッコよく送り出した。
「”ライフドレイン〟」
『グルルゥ……?』
まずは暗黒騎士の魔法スキルで攻撃させた。
左手を苔むしる巨竜【千年竜木】に向けた。
竜木の身体から影俺の左手に向かって、赤色に光る粒子が大量に流れてきた。
相手の体力を奪って、自分の体力を回復する略奪魔法だ。
「なるほど。体力は化け物クラスか」
流れてくる粒子の量で、魔法耐性と体力がある程度判断できる。
竜種は魔法耐性が高く、体力が高いのが一般的な常識だ。
さらに俺の生命力吸収は、魔法耐性が高い相手からは体力をそんなに奪えない。
つまりこの攻撃で分かったのは、千年竜木は体力は高いが、魔法耐性が低いという事だ。
「魔法が弱点ならば……”ウルトラソウル〟!」
魔法攻撃が弱点ならば、ヨハネの出番だ。
でも、ヨハネはいない。だったらこのまま俺の出番だ。
影俺が持つ黒大剣に黒斬撃を込めさせた。それを竜木に向かって振り抜いた。
『グルガァ……!』
的がデカイから外す方が難しい。
黒斬撃が直撃した左前脚が大きく切り裂かれた。
けれども、
『グルルルル』
幹のような筋肉がくっ付いて、傷口を塞ぐと苔の肌が覆い隠した。
【再生能力】が異常に高い。これは植物モンスターの特徴の一つだ。
見た目通りの木竜で間違いなさそうだ。情報も集まったし、そろそろ行かせてやる。
もう我慢の限界のはずだ。
「リラ、二人で援護してやる。思いっきり暴れて来い!」
「言われなくても……最初からそのつもりよ!」
脳筋完全復活だ。竜木に向かって、リラが走り出した。
影俺との共同技【ダブルウルトラジャストヒール】なら、ダメージ0だと信じている。
「オラッオラッオラッオラッ‼︎」
『グルル、グルルゥ……!』
大木のような竜木の左前脚にリラの連打が止まらない。
殴られた苔肌が空中に飛び散りまくっている。
キラキラと虹色の光を撒き散らしている。
「うぐっ……###……回復……」
「”アンチパラライ〟!」「”アンチスリープ〟!」
調子よく殴っていたのに、急にリラが殴るのをやめて、顔面蒼白でこっちに見た。
異変を感じて、すぐに影俺と一緒に状態異常回復を唱えた。
けれども、
「うぐっっ、だめぇ、くるしいぃ……」
麻痺と睡眠じゃなかった。
地面に倒れたリラが首を押さえて苦しんでいる。
残る可能性は二つだ。
「”アンチカース〟!」「”アンチポイズン〟!」
急いで残りの二つを唱えて、リラに向かって二人で走った。
これが正解でも、竜木の左前脚がリラを踏み潰そうと浮かび上がっている。
【毒苔】で状態異常にして、倒れた相手を踏み潰す必殺の流れだ。
そんな真似を俺が許すわけがない。
そっちが必殺なら、こっちも必殺を使わせてもらう。
俺の女に手を出していいのは、俺達だけだ。
「”トリプルウルトラソウル〟‼︎」
三連続ウルトラソウルだ。暗黒剣に最大火力の極黒斬撃を込めた。
黒大剣が力に耐え切れずに震えている。それは影俺が持つ黒大剣も一緒だ。
すぐにお前に全てを魔力解放してやる。影俺と並ぶと、竜木の首に向かって同時に振り抜いた。
「”ジャスティス〟‼︎」
バツ印の黒き斬撃が放たれた。ウルトラソウル六発分の超威力だ。
これで死ななかったモンスターはいない。即効で逝かせてやる。
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