【R18】十二年の孤独な両片思い――解けない愛の無理関数

夜子

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番外章:フレグランス・プロファイル:軛の残香、混濁する迷妄

二炷:金箔香の契り  朱き名の刻印、執念の果て

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春の早朝、煌人のマンションの窓から入り込む風は、まだ少し肌寒かった。
真翠は煌人のベッドで目を覚ます。彼女は彼の引き締まった腹筋を枕にしていた。乱れたベッドと、紙屑やゴムが山積みになったゴミ箱が、昨夜の狂乱をこれでもかと叫んでいる。最近の煌人の、どこか得体の知れない独占欲に、真翠は少しばかりの無力さと、逃げ場のない予感を感じていた。

「はい、お父様……」
まどろみの中で、聞き慣れた声がした。
(お父様……? 煌人は……どうして電話で『お父様』なんて呼んでいるの?)
目を擦りながら顔を上げると、視線の先に煌人がいた。彼は彼女が起きたのに気づくと、まずその髪を愛おしげに撫で、それから優しく真翠の口を塞いだ。
「……はい、お父様。真翠はまだ休んでいます。もう少ししたら連れて帰りますから。ええ、ご心配なく。……はい、失礼いたします」

漏れ聞こえてくる声で、相手が自分の父親だと気づく。
「どういうこと?」
「お父様が戻って来いって」
「そうじゃなくて、いつから私の父を『お父様』なんて呼んでるのよ」
「少し前からだよ。気づかなかった?」
「……一体、何を企んでいるの」
「昨日も言っただろう。君を一生、僕のそばに縛り付けておくって」
「……いらないって言ったじゃない」
「そうはいかないよ。さあ、起きて。シャワーを浴びて着替えて。お父様が僕たちに会いたがっている」
「……何のご用なの?」
「さあね。どうやら金沢の本家から連絡があったみたいだ」
「金沢? ろくなことじゃないわ、行かないで」
「君一人で対処できるのかい?」
真翠はそれ以上何も言えず、ただゆっくりと起き上がり、支度を済ませて煌人と共に家へと向かった。

家に着くと、母に直接案内され和室へ向かう。父の表情は険しく、真翠は話が容易ではないことを予感した。
先に口を開いたのは煌人だった。
「失礼します、お父様。昨日、勝手に真翠を泊めてしまい、申し訳ありませんでした」
「いいんだ、この子には君が必要なのだろう。今朝呼び出したのは、二人の将来について聞きたかったからだ」
父は重いため息をつき、まずは愛娘へと視線を向けた。
「まず、お前たちはもう一年、落ち着いて付き合っているんだな?」
「はい……」
「真翠。……お前は、どう考えている」
急に名前を呼ばれ、真翠は狼狽した。「え……私は……その……」
父はためらう娘を見て溜息をつき、次に隣の煌人へと向き直った。「煌人くん、君はどうなんだ」
煌人は微笑みながら、父の目の前で真翠の手を握った。
「お父様、僕はいつでも……真翠が頷いてくれるなら」

父は満足げに頷いた。「その覚悟があるならいい。だが、煌人くん。去年、君のせいで本家が用意した真翠の見合いが壊れた……」
「お父様、煌人のせいじゃありません、私が……」真翠が反射的に庇う。
煌人は昂る真翠を制した。「いいんだ、真翠」
彼は父に向かい、深く頭を下げた。「その件については、弁解の余地もありません。本家が責任を問うなら、僕がすべて引き受けます。ただ、本家には二度と真翠の縁談に介入しないでいただきたい」
「本家の意向は、実はな……入り婿になる意思はあるかと聞かれている」
真翠は絶句した。やはり、本家はそこまで無体なことを。
だが煌人は微かに微笑み、深く一礼した。
「……お父様から本家へお伝えください。星野煌人、身に余る光栄です。できることなら、一日も早く。真翠が決断できないのであれば、せめて先に、僕を石小路の男にしてください」

食事の後、煌人は「真翠をデートに連れ出してもいいですか」と尋ね、両親の快諾を得て彼女を車に乗せた。
車に乗り込むなり、真翠は言った。「マンションに戻って。聞きたいことがあるわ」
「いいの? 今夜はもう帰さないよ」
「何を……」
「するんだよ」
「真面目な話をしてるの、戻って」
「分かったよ」

マンションに着くや否や、煌人が抱きついてきた。
「離して、どいて!」
「ごめん、真翠。昨日はやりすぎた」
「黙って。そんな話じゃないの。今日のは一体どういうつもり?」
「入り婿になるだけだよ。何か問題ある?」
「狂ってるわ……。婿に入るのよ? 苗字が変わるのよ?」
「変えればいいじゃない。それがどうしたの」
「あなた……一体どうして?」
「真翠、僕が入り婿になれば、名実ともに君の夫だろう?」
「ええ……」
「そうすれば、金沢の老いぼれたちも、君に見合いなんて押し付けられなくなる」
「……それだけのために?」
「石小路真翠。言っただろう、君は僕のものだ」
煌人の目が変わった。さっきまでの彼ではない。最近、ベッドの上で執拗に彼女を折る時の目だ。
真翠は溜息をつき、静かに零した。「……ごめんね」

煌人は抱きしめる力を強めた。「昼間は、慣れないかな?」
「……まあね」
「じゃあ、お詫びをしてよ」
「……分かったわ」
「いい子だ……」
煌人は彼女を寝室へと促した。真翠がベッドに座り、服を脱ごうとすると、煌人がそれを止めた。
「今しちゃうと、夜に帰る時バレちゃうだろう? 朝が早かったから、少し寝かせて。一緒にいて」
「……いいわよ」
「ご褒美をあげなきゃね」
そう言って、煌人は真翠の額に、軽いキスを落とした。普段の接吻とは違う、儀式のようなその行為に、真翠は戸惑いながらも身を委ねた。

煌人はそのまま真翠を抱いて横たわった。真翠は疲れていたのか、すぐに眠りに落ちた。煌人はずっと起きていた。彼は今回の金沢行きを心待ちにしていた。学生時代、家族旅行に同行した際、本家とは顔を合わせている。もしあの連中が真翠に見合いを強要しなければ、自分もこの街を気に入ったはずだ。
彼は真翠の髪を指で梳きながら、スマホで観光プランをなぞる。この旅で、二人の関係を自分の望む形に変えてみせる、と。
カーテンの隙間からも光が漏れない暗い部屋で、真翠は朦朧と考えた。
(やっぱり、この関係、どこかおかしい……。土曜日の昼下がりだというのに、二人でベッドに横たわっているなんて……)

もともと真翠の父は、五月の大型連休に帰省するつもりだった。しかし、煌人が巧みに「春分の日の方が混雑を避けられます」と説得したことで、計画は三月の連休へと早まった。真翠が気づいた時には、すでに阻止できる段階を過ぎていた。

出発当日、興奮する煌人と楽しげな両親を見て、真翠は言いようのない罪悪感に苛まれた。
金沢までの六時間半。煌人は疲れも見せず、車内を盛り上げている。両親の笑顔を見るたび、真翠は自責の念に駆られた。
金沢に着き、両親が本家へ挨拶に向かう間、二人は観光に出る。
「疲れてないの?」
煌人の瞳は異様な輝きを帯びていた。
「全然。プランは立ててあるんだ。21世紀美術館、カフェ、それから石浦神社に行って……それから会社の人たちに土産を買おう」
「……会社の人に、金沢に帰るって言ったの?」
真翠の声が少し尖った。
「ダメかな?」煌人が様子をうかがうように小首をかしげる。
「ダメに決まってるでしょ! 絶対にダメ!」
真翠は「あの二人、怪しい」と噂されるのが怖かった。
「じゃあ、ただの家族旅行についてきたって言っておくよ。いいだろう?」
煌人の低く甘い声に、真翠はまたしても妥協した。「……分かったわよ」

美術館を巡りながらも、真翠の心には怯えと、罪悪感に押しつぶされそうな思いが渦巻いていた。
カフェで金箔のパフェを前に、煌人がおどける。「金沢の金は金箔の金だね……なんて」
「そうね、綺麗だわ」
「さっき、金箔の指輪を見つけたんだ。君に買ってもいいかな?」
真翠は笑顔を凍らせ、手を隠した。「指輪は、ちょっと……」
「分かった、じゃあヘアピンにしよう」
煌人の表情が刹那、翳ったのを、真翠は見逃さなかった。
「ありがとう」真翠は微笑みを取り戻したが、思わず探りを入れた。「煌人、やっぱり帰りましょう? 東京に。お父様たちには私がなんとかするから」
煌人の動きが止まる。彼は真翠の両手を自分の手で包み込んだ。
「真翠……僕たちは『共謀者』だって言っただろう? どんなことも、僕がそばについているから」
「……ええ、ありがとう」
煌人は子供をあやすように彼女の頭をポンポンと叩いた。「さあ、食べて。今日は忙しいよ」

午後に訪れたのは、縁結びで知られる石浦神社。煌人は敬虔に祈り、おみくじを引き、そして八膳もの箸を買い込んだ。
「なんでそんなに?」
「縁起物だからね。実家の分と、僕のマンションの分。お父様とお母様の分も合わせて、全部で四人分、二箇所で使えるように買っておいたんだ」
「……用意周到すぎるわ」
「お父様たちも喜んでくれるよ」
煌人の答えに、真翠は力なく笑うしかなかった。

真翠が御朱印を待っている間、煌人は一人でおみくじを開いた。
そこに躍っていたのは、刺すような黒い文字。――『凶』。
「焦りは禁物」と記された紙を、煌人は指関節が白くなるほど強く握り潰した。待てるはずがない。すべての手札は、もう切ってあるのだ。
彼は無表情のまま、その「凶」の紙を、二度と解けないように呪いを込めて神木の最も高い枝に結びつけた。神が拒もうとも、力ずくでこの縁を繋ぎ止めてみせる。

宿に戻り、一家四人で郷土料理を囲む。父は懐かしそうに食事を楽しみ、煌人を自室に呼び、古い桐の箱を出した。
「お父さん、これは?」
「袴だ。明日の儀式で着なさい。君が婿入りする以上、これくらいはうちで用意させてくれ」
「……そんな。僕は、十三年前に真翠が僕を皆さんの前に連れてきてくれたあの日から、僕はもう石小路の人間だと思っていました」
「……真翠を、頼むよ」
「命に代えても」
父は目元を拭い、煌人の着付けを手伝った。

部屋に戻った真翠のもとに、袴姿の煌人が現れる。
「お邪魔するよ。……どうだい、お兄さんの格好良さに惚れ直したかな」
「……ええ、とても素敵よ」
「君の和服姿も楽しみだな。最後に見たいのは、二十歳の……」
煌人の言葉が止まる。二人の脳裏に、一年前の「あの日」がよぎった。沈黙が流れる。
「……ごめん、真翠。そんなつもりじゃなかったんだ」
「……分かってるわ。もう寝ましょう、明日は早いわ」
真翠は、彼に皺が寄らないよう、そっと、触れるだけの抱擁を交わして彼を返した。
一人になった真翠は、布団の中で考えた。
(明日、雨が降る気がする。何かを伝えなきゃ……でも、それは東京に戻ってからにしよう)

翌朝、未明の金沢は、粘りつくような冷たい雨が降っていた。
石小路本家の屋敷では、親戚たちが集まり、どこか慌ただしくも和やかな空気が流れていた。
更衣室では、本家の叔母さんたちが「あらあら、真翠ちゃん、見ない間に綺麗になって!」と賑やかに着付けをしてくれる。

「本当、いいお婿さんが来てくれて良かったわねぇ」
本家の奥さんが、お茶を運びながらニコニコと顔を出した。
「真翠ちゃん、緊張しなくていいわよ。あの子(煌人くん)、さっきからずっとあなたのこと心配してたんだから。本当に仲が良いのね。ほら、帯を締めるわよ。しっかりね」
「……ありがとうございます」
「今日からはあの煌人くんも、石小路の家族。みんなで支えていかなきゃね」

一方、大広間では、煌人が石小路家の紋が入った黒紋付羽織袴に身を包み、端然と座していた。
十六畳半の静謐な空間。その中央に家主が鎮座し、親族たちが息を潜めて見守る中、煌人と真翠は一寸の乱れもなく並んで跪く。

荘厳な金箔の屏風から放たれる、古びた金属の冷ややかさと、焚き染められた香木の残り香が混じり合う。その重厚な金箔香は、二人の肌に纏わりつくように濃密に漂い、この静止した時間の中で、彼らの鼓動だけを密かに煽っていた。

家主がおもむろに、石小路家の歴史が刻まれた家系図を広げる。
その紙が擦れる乾いた音さえも、この場では重く響いた。
「星野煌人。今日より君は、石小路の血脈に連なる。よろしいな」
「はい。謹んでお受けいたします」
墨をたっぷりと含んだ筆が、真翠の名の下に、「煌人」の名を刻む。
「――ドン」
朱印が落とされる。その音は、煌人のこれまでの人生に打たれた終止符のようだった。

「はい、それじゃあお祝いの盃を」
本家の奥さんが、金箔の舞うお酒を運んでくる。
第一巡、真翠が先に受ける。清酒の辛辣さが喉を焼く。横目で見た煌人の瞳には、後悔など微塵もなく、ただ昏い喜びだけが宿っていた。
彼は盃を受け取ると、仰ぎ見るようにして飲み干した。

入席後、煌人は親戚たちの間で「いやぁ、感服しました!」と酒を酌み交わし、たちまち皆に気に入られていった。
「真翠ちゃん、本当にいい人を見つけたわね」
親戚の女性たちが笑い合う中、真翠だけが心ここにあらずといった様子で、重い沈黙を纏っていた。

夜。古い祖宅の部屋には、屏風が立てられ、布団が二組分けられていた。
「真翠ちゃんたち、ゆっくり休んでね」と奥さんが灯りを消してくれた。
雨音だけが屋根を叩く。
「煌人、起きてる?」
「起きてるよ。どうしたの」
「……そっちへ行ってもいい?」
真翠は屏風を越え、煌人の布団に滑り込んだ。
「……ねえ、煌人. ごめんね。本家があんな無茶を言って……」
「いいんだ。あの『星野』という女も、僕のことは嫌いだったしね」
真翠はそれ以上何も言えず、ただ彼の腰に腕を回した。煌人は彼女を、逃がさないという意志を込めて強く抱きしめ返す。

翌朝、雨は上がり、一家は東京への帰路についた。
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