男の娘レイヤー時雨-メス堕ち調教-

清盛

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今日はどれほど泣いたのだろう

僕は少しでもあの家から離れたくて、這いずる様に歩いていた。

(逃げ・・・なきゃ・・・、あの家に連れ戻されたら・・・僕はもうダメにされる・・・)

ボロボロの身体で真っ直ぐ歩くこともおぼつかない。
足がもつれて何度も地面に転がった。
その度にヨロヨロと立ち上がって、また歩き続けた。

そうしてたどり着いたのは、家から少しだけ離れた公園。
そこで、なるべく目立たない場所にあるベンチに座り込んだ。
もう、歩けない。

それに・・・こんな時間にどこに行けばいいんだろう・・・
僕には、泊めてくれるような仲の良い友達なんていない。

かろうじて、家から持ち出せたスマホを手に取る。
僕が頼れのはミカさんだけだった。

でも、こんな時間に電話したら迷惑じゃないだろうか?
もしも、今ミカさんに冷たく拒絶されたら僕はもう耐えられない・・・

震える手で、スマホの画面をタップして耳にあてる。
発信音が数回なって電話が繋がった。

「はろ、はろ!ミカだよ~、時雨ちゃんこんな時間にどうしたの?」

いつも通り、ちょっとテンション高めのミカさんの声が聞こえる。
ちょっと安心できた、でも言葉が出てこない・・・

ミカさんの声を聞いた途端に、今日体験させられこと、色々な思い、そんなことが一気にフラッシュバックし、涙が溢れて来て嗚咽が漏れてくる。

「時雨ちゃんどうしたの?泣いてるの?何があったの?」

ミカさんの声が一気に真剣味を帯びる。

「ミカさん・・・助けて・・・助けてミカさん・・・」

たったそれだけの言葉を絞り出すのが精一杯だった。
後は言葉にならない。
僕はスマホを耳に当てたまま啜り泣きなき続けた・・・。

かろうじて、今僕がいる公園の名前と場所伝えると、ミカさんは訳も聞かずに“直ぐ車で迎えに行くからそこを動かないで”と言って電話を切った。

電話が切れると、公園の暗がりの中で僕はまた一人きりになる。

暗がりに中に、義父の気持ち悪い顔、母の般若のような顔がフラッシュバックして身体が硬直する。

周りを見渡すと、暗がりの中から今にも義父が飛び出してきて、僕を殴ってあの家に連れ戻されされそうな気がする。

母が僕を汚いモノを見るように睨んでいるような気がする。

怖い・・・怖い・・・

僕は、闇の中で一人自分の身体を抱き締めて、身を竦ませて震え続けた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「時雨ちゃん遅くなってごめんなさい。だいじょうぶ?、時雨ちゃん・・・なんて・・・酷い・・・」

僕を迎えに来てくれたミカさんは、僕の状態を見て絶句していた。

実際酷い姿だったと思う。
かろうじて身につけた時雨のコスは義父に手荒く扱われたため何箇所か裂けている、更に何度も転んだせいでに砂や埃がこびりついている。

手足も擦り傷だらけで、義父に殴られたせいで頬は腫れ上がっていた。

何より、心身をズタズタにされた僕は怯え切った目をして、自分で自分を抱きしめながら震えている。

そんな僕の姿から僕の身に何があったかを察してくれ、そして 訳を聞くより僕を安心させる方が先だと判断してくれたのが本当にありがたかった。

ミカさんは自分が着ていたジャケットを僕の肩にかけると、僕を抱き抱えるように車まで連れて行った。
僕を助手席に座らせると、膝掛けをかけてくれた後、“ちょっとだけ待っててね“と言って車を離れた。

直ぐに戻って来て、僕に手渡ししてくれたのは、ホットの缶コーヒー。

「無理に飲まなくていいからね。湯たんぽ代わりに持っているだけでも気持ちいいでしょ?」

そう言って、手のひらを僕の目に当てた。

「今日はいっぱい辛い目にあったのよね。何があったのか後でゆっくり聞かせてもらうから、家に着くまで少し休みなさい。」

「眠れなくてもいいの、目をつぶるだけでも体力は回復するから・・・」

かすかにミカさんの匂いのするジャケットに包まれて、ミカさんの手の温もりを感じることができて、僕は今日初めて安心できた。

初めて安心できた僕は、疲労と安堵で急激な睡魔に襲われて意識を手放してゆく・・・
ミカさんくれた缶コーヒーを二つのてのひらに抱きしめながら。


目が覚めたのは、ミカさんの部屋のソファの上。
どうやら部屋までお姫様抱っこで運んでくれたらしい。

僕のをソファに座らせてくれると。ミカさんは僕を抱きしめてくれた。
その温もりが嬉しくて、背中に手を回そうとしたけれど・・・今の自分の状態に気づいた。

義父にさんざんにされた後、シャワーも浴びずに逃げ出した僕。
自分の鼻はもう麻痺しているけれど、全身に義父と僕の体液がこびりついて異臭を放っているに違いない。

僕は手のひらでミカさんの胸元を押して離れようとする。

「ミカさん・・・離れて下さい。ミカさんの服が汚れちゃいます。それに・・・臭いですよね?」

「いいから!そんなのいいから!時雨ちゃんが汚いなんてこと絶対にないから!」

ミカさんは両手に有無を言わせない力を込める。
僕はその力で弓なりにしなってミカさんの身体に密着させられる。
その力が嬉しくて、温もりが心地よくて、その力に身体を預けて、ミカさんの背中に手を回した。


ミカさんの抱擁でなんとか落ち着いた僕は、ポツリ、ポツリと今日起きたことをミカさんに話す。

義父にレイプされたことをミカさんに話すのは辛かった。
自分が汚されて、ミカさんのだけのものでなくなったことを告白すると、また涙が出てきて止まらない・・・

ミカさんはといえば、話が進むごとに表情が消えてゆく。能面のように一切の表情が抜け落ちた顔。
そんなミカさんは初めて見た・・・
だけどミカさんの手を見ると、血の気が無くなるほど手を握り込んで・・・かすかに震えている。

全てを話し終えるとミカさんに抱きついて、その胸に顔を押しつけて泣きじゃくる僕だった。

「ミカさんごめんなさい・・・、僕は何にも守れなかった・・・全部奪われたちゃった・・・ミカさんだけのものじゃなくなっちゃった・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」

壊れた機械みたいに“ごめんなさい”を言い続ける僕の唇を、ミカさんの手がそっとふさぐ

そして目線を僕の高さに合わせてゆっくりと言ってくれた。

「時雨ちゃんは何にも悪いことはしてないんだから、お願いだから謝らないで。」

ミカさんが僕を優しく抱きしる。

「本当は、すぐお風呂入って寝たいよね。だけどちょっとだけ頑張ろう。お医者さんに診てもらって、診断書を書いてもらって、時雨ちゃんが酷いことされた証拠を残すの。それがあればあなたのお義父さんと戦えるから。」

ミカさんが僕の目を真っ直ぐに見て言った。

「あなたのご両親からは私が絶対に守ってあげるから、安心して私に全部任せて。」

「ミカさん・・・ありがとう・・・ございます。」

僕はミカさんに頭を下げた。
深く下げた僕の顔からまた涙が溢れる。

怖くて、悔しくて、辛くて、恥ずかしくて、絶望して・・・今日の僕はどれほど泣いたのだろう。

だけど、この涙だけは嫌な涙じゃなかった、僕は一人ではなくて、こんな僕を愛して、守ろうとしてくれる人がいる。
嬉しくて、嬉しくて、溢れる涙だった。
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