45 / 96
続・魔界王立幼稚園ひまわり組
10:モデルは魔王様
しおりを挟む
予想外の事も起きて、ばたばたしたまま終わってしまった夏祭りだったが、それなりに子供達は楽しかったようです。
折角踊りも覚えたし、一人一人に作った浴衣。これはまたお遊戯会の時にももう一回踊ろうと言う事で、置いておくことにした。
あの後の魔王様とペルちゃんママですが、ええ、何もございませんでした。私達の部屋にお泊りした二人は、朝早くに帰って行った。
代休明け。子供達は今日も元気いっぱい登園して来た。
「お絵かき~!」
「粘土こねこねっ!」
「ちあうの、もっとたいちょーにゃの!」
「お砂遊びしようよ」
ひまわりさんのお教室はわいわいガヤガヤ。朝のお歌を唄って、軽い体操をした後、何をしようという事になり、熱い議論がなされています。
本当はこの後簡単な貼り絵でもさせようと用意してあるのだが、たまにはこうやって意見を言い合うのも良いかと思って幾つかの班に分けて話し合いをさせてみた。年中のバラ組さんや年長のスミレ組さんは、こうやって自分達で決めた事をやる時間を設けてなかなか上手に出来ている。
でもそこはまだ一番小さい子達のひまわり組。なかなか意見が纏らないようです。というか、各自言いたいように言っているので話し合いにもなってません。
「ココナ先生、まだ早かったのでは?」
補助のてんちゃんもすこし呆れている。
だが今年の幼稚園の目標は『自主性』なのだ。この後来月にはお遊戯会、その翌月には運動会と大きな行事が控えている。この辺りですこしばかり練習を始めようと思ったのだ。
ちょっとだけ助け舟を出してみる。
「じゃあお手てを上げて、一人ずつ喋ってみようよ。それで、いいなと思ったら拍手ぱちぱちで決めよう。まずはしーだよ」
おーと子供達から声が上がる。そしてやや静かになったお教室。
「はーい、はーい!」
おお、やんちゃ坊主のさんちゃんが手を上げた。
「じゃあ、さんちゃん」
「かけっこがいいれす!」
男の子達がぱちぱちと疎らに手を叩いた。女の子達は乗気でないようだ。
「あいっ」
青緑のうろこの美しいえりちゃんがぴしっと手を上げた。エリレーヌちゃんはマーム先生と同じラミアで下半身は蛇だ。
「じゃあえりちゃん」
「お絵かきをしたいです。誰かを見本にして描きます」
流石はもう四歳。しっかりとした口調で言う彼女は頼れる学級委員長タイプだ。マーム先生の家族といい、この種族は頭がいいみたい。ちなみにマーム先生の娘さんリューアちゃんもこの幼稚園の卒園生だ。
ぱちぱちぱちと、大きな拍手が起きた。女の子だけでなく、男の子達も手を叩いている。体を動かしたかったさんちゃん達は頬を膨らませているが、ペルちゃんやリノちゃんも拍手している。これはほぼ満場一致という感じだね。
「じゃあ、まずお絵かきしましょうか。かけっこはお絵かきの次にしようね」
「あーい!」
なんとか皆納得がいったようです。絶対に大事なのは他の意見も否定しない事。もう何だかんだで保母も長くなって来ましたが、今でもほんの僅かな間お世話になった保育園の先輩達の言葉は大事だなと思う瞬間です。
ええと、見本というのは、モデルって事だろうか。
「誰を描くのかな? お友達?」
「ううん、られかに、前にたっちぇもらって見て描くにょ」
リノちゃんが説明してくれたが、えりちゃん達も頷いているところを見るとそういう事らしい。
そういえば先日読んだ絵本、お姫様がポーズを決めてモデルに立ってて、それを一番上手に描けた男の人が結婚できるというお話だった。結局あまりに大変なポーズを決めていたお姫様は立っていられなくなって転び、一番絵が下手くそで貧乏で、でもお姫様が密かに恋をしていた青年の紙の上に顔をべちゃっとついてしまい、お化粧が紙について本物の顔が写せたのでめでたしめでたしというもの。みんなに大ウケだったからな。あれの影響だろう。
「誰が立つの? ココナ先生? テンゼラ先生?」
んー、となんか冴えない声が上がった。軽くショック。そうですか、先生達では創作意欲が湧きませんかぁ。
「王子たまとか」
恥ずかしそうにきぃちゃんが呟いた。周りで女の子達がうんうんやってるな。やはり女の子達はおマセさんか。でもユーリちゃんかぁ。
「ユーリ王子は今スミレ組さんと畑行っちゃったしね」
「えー」
きぃちゃん達は残念そうだったが、すぐにみかちゃんが次の候補を。
「じゃあ魔王さま」
「まおうたま、ちょれがいい!」
「ちゃんちぇー!」
おお。魔王様、子供達に大人気ですよ。男の子達も今度はノリノリだ。
「なぜ魔王様?」
「らって、まおーたまが一番ヒマちょーらし」
「……」
いや、魔王様はすごくお忙しいと思うのだが。仕事をなさっているお姿を見たことの無い子供達からしたら、魔王様は暇そうに見えているのか……。夏祭りの時の羽根と角のある魔王様の勇姿に感動したからでは無いのか。
「こうかな?」
急遽呼ばれた魔王様は、文句を仰る事も無く輪になって座った子供達の中央で立っておられる。
「もっちょ、カッコよく」
「……こう?」
腰に手を当てて立たれた魔王様は充分すぎるほどイケてると思うのだが、何が駄目なんだ、子供達。ぶんぶん首を振って否定ですか。
「手をこんな感じで、片足上げてぇ……」
言われるがままに、やってくださる魔王様はホント付き合いがいい。君達、この魔王様は子供にお優しいからいいけど、ホントだったらお手打ちにされてもおかしくは無い暴挙だよ。
「しゅごーい! まおーたま」
「しょれ超カッコイイ!」
「描きまちゅ! 動かにゃいれ」
ポーズが決まったのは良い。だがこれは……。
「なんて勇ましくも凛々しいお姿。戦将のポーズですね!」
てんちゃんもうっとり見てますが、そ、そうなんですか? これが魔界の戦いの将のポーズなんですか? その内側を向けて上げられた片腕、もう片方の手の肘は直角に胸の前に曲げられ、上げられた片足はこれまた直角に曲げられてややガニマタ気味のもう片方の膝の前に……どう見ても「シェー」って声が聞こえてきそうですよね。無表情にお美しい顔がよりこのポーズを残念に彩っているよ。
笑ってはいけない。魔王様は真面目にモデルをやっておいでだ。そして子供達は真剣な顔で描いている。ここで私が笑ったり……しちゃ……!
「ぶっ」
すみません、ふき出してしまいました。
「何か面白いことでもあったのだろうか、ココナさん」
「いえ、何でも」
魔王様、どんな絵が出来上がるんでしょうね。若干膝が震えているのはやはり厳しいんですね、このポーズ。もう結構経ちますもんね。
「まおーたま、動いちゃらめれすぉ」
「も、もう描けたかな?」
「まだれーす」
「……」
ううっ、お腹が痛い。魔王様も限界が近そうだが私の腹筋もそろそろ限界に近い。この魔王様をサリエノーアさんに見せてあげたい! きっともう怖いなんて絶対に思わないと思う。
「あ、足が吊る……」
魔王様、若干冷や汗が出ているように思います。
「色は後で塗ろうね。魔王様を休憩させてあげてね」
えーっと声が上がったが仕方が無い。椅子を差し出すと魔王様がほっとしたように掛けられた。
「……この程度で疲れるとは。鍛え方が足りないだろうか。それとも歳かな」
「何を仰います。毎朝城の周りを三百周と筋トレをしてらっしゃいますのに」
いやー、あのポーズをかれこれ三十分やらされたら、誰でもキツイです。これ以上無駄に鍛えなくても良いと思います。運動会が怖いです。
子供達が絵を描いている間、魔王様がそっと私に手招きされた。
「あの、ココナさん、あの後彼女は何か言っていただろうか?」
「いえ……お疲れだったようですぐに休まれて。昨日もお仕事が忙しいらしくて朝早くに帰られて。ご挨拶もせずにすみませんと魔王様にお伝えくださいとだけ」
「……そうか」
魔王様の横顔が少し寂しそうに見えた。
でもまだ終わったわけじゃないですからね。頑張って彼女を魔界の真の住人にするという目的を果たしていただかなければ。彼女がまだ堕ちていないとわかったからお父さんは迎えに来ると言うのなら、堕天してしまえばいい。魔界の平和は魔王様に懸かっているのですからね。
……ちょっと方法はアレですが。
「まおーたまー! もう一回ー!」
お気の毒に、魔王様はもう一度『戦将のポーズ』をやらされました。
「描けた~!」
子供達もそろそろ描けたみたいですよ。さあ、どんな絵になったかな?
「うん……」
はい、みんなそれぞれ色んな角度で可愛くも大胆に描けましたね。まだ三・四歳の子の絵なんでモデルが魔王様だとわかる絵はありませんけどね。
おお! ペルちゃんは本当に上手だね。ちゃんと魔王様ってわかるよ!
「すごく上手に描けたね」
「お母さんに見せます!」
ぜひ見せてあげてください。
折角踊りも覚えたし、一人一人に作った浴衣。これはまたお遊戯会の時にももう一回踊ろうと言う事で、置いておくことにした。
あの後の魔王様とペルちゃんママですが、ええ、何もございませんでした。私達の部屋にお泊りした二人は、朝早くに帰って行った。
代休明け。子供達は今日も元気いっぱい登園して来た。
「お絵かき~!」
「粘土こねこねっ!」
「ちあうの、もっとたいちょーにゃの!」
「お砂遊びしようよ」
ひまわりさんのお教室はわいわいガヤガヤ。朝のお歌を唄って、軽い体操をした後、何をしようという事になり、熱い議論がなされています。
本当はこの後簡単な貼り絵でもさせようと用意してあるのだが、たまにはこうやって意見を言い合うのも良いかと思って幾つかの班に分けて話し合いをさせてみた。年中のバラ組さんや年長のスミレ組さんは、こうやって自分達で決めた事をやる時間を設けてなかなか上手に出来ている。
でもそこはまだ一番小さい子達のひまわり組。なかなか意見が纏らないようです。というか、各自言いたいように言っているので話し合いにもなってません。
「ココナ先生、まだ早かったのでは?」
補助のてんちゃんもすこし呆れている。
だが今年の幼稚園の目標は『自主性』なのだ。この後来月にはお遊戯会、その翌月には運動会と大きな行事が控えている。この辺りですこしばかり練習を始めようと思ったのだ。
ちょっとだけ助け舟を出してみる。
「じゃあお手てを上げて、一人ずつ喋ってみようよ。それで、いいなと思ったら拍手ぱちぱちで決めよう。まずはしーだよ」
おーと子供達から声が上がる。そしてやや静かになったお教室。
「はーい、はーい!」
おお、やんちゃ坊主のさんちゃんが手を上げた。
「じゃあ、さんちゃん」
「かけっこがいいれす!」
男の子達がぱちぱちと疎らに手を叩いた。女の子達は乗気でないようだ。
「あいっ」
青緑のうろこの美しいえりちゃんがぴしっと手を上げた。エリレーヌちゃんはマーム先生と同じラミアで下半身は蛇だ。
「じゃあえりちゃん」
「お絵かきをしたいです。誰かを見本にして描きます」
流石はもう四歳。しっかりとした口調で言う彼女は頼れる学級委員長タイプだ。マーム先生の家族といい、この種族は頭がいいみたい。ちなみにマーム先生の娘さんリューアちゃんもこの幼稚園の卒園生だ。
ぱちぱちぱちと、大きな拍手が起きた。女の子だけでなく、男の子達も手を叩いている。体を動かしたかったさんちゃん達は頬を膨らませているが、ペルちゃんやリノちゃんも拍手している。これはほぼ満場一致という感じだね。
「じゃあ、まずお絵かきしましょうか。かけっこはお絵かきの次にしようね」
「あーい!」
なんとか皆納得がいったようです。絶対に大事なのは他の意見も否定しない事。もう何だかんだで保母も長くなって来ましたが、今でもほんの僅かな間お世話になった保育園の先輩達の言葉は大事だなと思う瞬間です。
ええと、見本というのは、モデルって事だろうか。
「誰を描くのかな? お友達?」
「ううん、られかに、前にたっちぇもらって見て描くにょ」
リノちゃんが説明してくれたが、えりちゃん達も頷いているところを見るとそういう事らしい。
そういえば先日読んだ絵本、お姫様がポーズを決めてモデルに立ってて、それを一番上手に描けた男の人が結婚できるというお話だった。結局あまりに大変なポーズを決めていたお姫様は立っていられなくなって転び、一番絵が下手くそで貧乏で、でもお姫様が密かに恋をしていた青年の紙の上に顔をべちゃっとついてしまい、お化粧が紙について本物の顔が写せたのでめでたしめでたしというもの。みんなに大ウケだったからな。あれの影響だろう。
「誰が立つの? ココナ先生? テンゼラ先生?」
んー、となんか冴えない声が上がった。軽くショック。そうですか、先生達では創作意欲が湧きませんかぁ。
「王子たまとか」
恥ずかしそうにきぃちゃんが呟いた。周りで女の子達がうんうんやってるな。やはり女の子達はおマセさんか。でもユーリちゃんかぁ。
「ユーリ王子は今スミレ組さんと畑行っちゃったしね」
「えー」
きぃちゃん達は残念そうだったが、すぐにみかちゃんが次の候補を。
「じゃあ魔王さま」
「まおうたま、ちょれがいい!」
「ちゃんちぇー!」
おお。魔王様、子供達に大人気ですよ。男の子達も今度はノリノリだ。
「なぜ魔王様?」
「らって、まおーたまが一番ヒマちょーらし」
「……」
いや、魔王様はすごくお忙しいと思うのだが。仕事をなさっているお姿を見たことの無い子供達からしたら、魔王様は暇そうに見えているのか……。夏祭りの時の羽根と角のある魔王様の勇姿に感動したからでは無いのか。
「こうかな?」
急遽呼ばれた魔王様は、文句を仰る事も無く輪になって座った子供達の中央で立っておられる。
「もっちょ、カッコよく」
「……こう?」
腰に手を当てて立たれた魔王様は充分すぎるほどイケてると思うのだが、何が駄目なんだ、子供達。ぶんぶん首を振って否定ですか。
「手をこんな感じで、片足上げてぇ……」
言われるがままに、やってくださる魔王様はホント付き合いがいい。君達、この魔王様は子供にお優しいからいいけど、ホントだったらお手打ちにされてもおかしくは無い暴挙だよ。
「しゅごーい! まおーたま」
「しょれ超カッコイイ!」
「描きまちゅ! 動かにゃいれ」
ポーズが決まったのは良い。だがこれは……。
「なんて勇ましくも凛々しいお姿。戦将のポーズですね!」
てんちゃんもうっとり見てますが、そ、そうなんですか? これが魔界の戦いの将のポーズなんですか? その内側を向けて上げられた片腕、もう片方の手の肘は直角に胸の前に曲げられ、上げられた片足はこれまた直角に曲げられてややガニマタ気味のもう片方の膝の前に……どう見ても「シェー」って声が聞こえてきそうですよね。無表情にお美しい顔がよりこのポーズを残念に彩っているよ。
笑ってはいけない。魔王様は真面目にモデルをやっておいでだ。そして子供達は真剣な顔で描いている。ここで私が笑ったり……しちゃ……!
「ぶっ」
すみません、ふき出してしまいました。
「何か面白いことでもあったのだろうか、ココナさん」
「いえ、何でも」
魔王様、どんな絵が出来上がるんでしょうね。若干膝が震えているのはやはり厳しいんですね、このポーズ。もう結構経ちますもんね。
「まおーたま、動いちゃらめれすぉ」
「も、もう描けたかな?」
「まだれーす」
「……」
ううっ、お腹が痛い。魔王様も限界が近そうだが私の腹筋もそろそろ限界に近い。この魔王様をサリエノーアさんに見せてあげたい! きっともう怖いなんて絶対に思わないと思う。
「あ、足が吊る……」
魔王様、若干冷や汗が出ているように思います。
「色は後で塗ろうね。魔王様を休憩させてあげてね」
えーっと声が上がったが仕方が無い。椅子を差し出すと魔王様がほっとしたように掛けられた。
「……この程度で疲れるとは。鍛え方が足りないだろうか。それとも歳かな」
「何を仰います。毎朝城の周りを三百周と筋トレをしてらっしゃいますのに」
いやー、あのポーズをかれこれ三十分やらされたら、誰でもキツイです。これ以上無駄に鍛えなくても良いと思います。運動会が怖いです。
子供達が絵を描いている間、魔王様がそっと私に手招きされた。
「あの、ココナさん、あの後彼女は何か言っていただろうか?」
「いえ……お疲れだったようですぐに休まれて。昨日もお仕事が忙しいらしくて朝早くに帰られて。ご挨拶もせずにすみませんと魔王様にお伝えくださいとだけ」
「……そうか」
魔王様の横顔が少し寂しそうに見えた。
でもまだ終わったわけじゃないですからね。頑張って彼女を魔界の真の住人にするという目的を果たしていただかなければ。彼女がまだ堕ちていないとわかったからお父さんは迎えに来ると言うのなら、堕天してしまえばいい。魔界の平和は魔王様に懸かっているのですからね。
……ちょっと方法はアレですが。
「まおーたまー! もう一回ー!」
お気の毒に、魔王様はもう一度『戦将のポーズ』をやらされました。
「描けた~!」
子供達もそろそろ描けたみたいですよ。さあ、どんな絵になったかな?
「うん……」
はい、みんなそれぞれ色んな角度で可愛くも大胆に描けましたね。まだ三・四歳の子の絵なんでモデルが魔王様だとわかる絵はありませんけどね。
おお! ペルちゃんは本当に上手だね。ちゃんと魔王様ってわかるよ!
「すごく上手に描けたね」
「お母さんに見せます!」
ぜひ見せてあげてください。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつもりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。