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第2章「冒険者で稼ごう!」
第17話「キノコでもっと稼ごう!」
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深夜、大森林の中層。シンジの姿は普段の活動域よりも深い場所にあった。
もちろん、仔狼たち2匹も一緒。
夜間だけ活動する魔物も多い。野獣ももちろん居る。
そんな魔物を避け、シンジはほど広い場所に座り込んだ。大森林に入ってからは魔狼の姿になっている。シンジが腰を落ち着けたところで、仔狼たちは周囲を探るように歩き回り、はしゃぎだした。
そして1時間が過ぎた頃、それが姿を現す。立派な体躯の魔狼のオスのようだ。
「貴様、何者だ? 仲間のようで仲間じゃない。昼間はなぜニンゲンと一緒に居た?」
こちらの匂いを確かめるように、魔狼は頭を低くしシンジをにらんでいる。
狼や犬が頭を低くするのは最大限の警戒行動だ。いつでも飛びかかれるように、逃げ出せるようにとの姿勢だろう。
「なぜ貴様は、我が番と同じ匂いをしている? 返答によっては生かして返さん」
返答しないシンジにしびれを切らしたのか、得体の知れない相手に警戒しながらも語気を強める魔狼。
「なぜ我が仔を連れている! 我を狙ってのことか!」
やっぱりか。シンジはそう苦笑する。
狼や犬の集団は、その多くがボスを中心としたハーレムだ。
ボスとその妻たち、その子供たちとボスの配下からなる集団が一般的で、群れの中で仔を残せるオスはボスだけだ。
夜明けの星を襲った魔狼たちはメスがほとんどで、ボスは居なかった。数少なかったオスたちの中にボスが居たのかもと思ったが、メスたちに比べて貧弱すぎたのだ。それがボス不在を判断した理由。
もっとも生前の記憶からの推測でしかない。
しかし実際に目の前に現れたそれは、大きく、強く、慎重で、賢い。その判断は間違ってなさそうだ。
「我が問うているのだ、答えよ! さもなくば‥‥」
「うるさい!」
「‥‥うげ」
問答無用で、いや問われたから「問答無用」ではないか。焦れた魔狼は一足飛びに襲い掛かってきたが、シンジはそれを前足で押し止めた。
鼻先を押され、つまりは木立の幹に鼻をぶつけたようなもので、うずくまる魔狼は鼻を押さえて涙目。
「きッ、貴様!!」
悔しそうにうずくまったまま、シンジを上目遣いでにらんでいるが、さすがに威厳はない。
そんな魔狼にシンジは話して聞かせた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「そうか‥‥それで‥‥」
仔狼らの母魔狼がヒトたちに殺されてしまったことを伝え、残された仔狼を預かったのだと説明したら、納得しかけて慌てた。
「貴様はどうしてニンゲンに従っているのだ! 我らの誇りは捨てたのか!」
見せたほうが早いと、シンジはシンジの姿に戻る。
いや実際はスライムが本来の姿なのだが、ここはヒトの姿で。
ギョッとする魔狼と、ヒトの姿に喜んで駆け寄ってくる仔狼たち。地面にあぐらをかくシンジの両ひざに抱き付くようにじゃれてくる2匹。
「きさッ、おまッ、なんッ‥‥!!」
驚きで言葉にもならない魔狼。「落ち着け」とシンジは魔狼にチョップ。
「元々俺は魔物なんだ。姿を変えることができるから、普段はこの姿でニンゲンとして生活している」
そして魔狼の姿で夜な夜な、仔狼の教育に走り回っていたのだと説明。再び魔狼の姿に化けると、魔狼も納得するしかない。
そしてその姿と匂いが、魔狼の元の妻の1匹にそっくりだったらしい。
なので仔を連れて、危険なニンゲンの許に居るのが不可解だったそうで。
「それで相談なんだが」
「な、なんだ?」
「手間だろうが、この仔たちを預かってやってくれんか?」
シンジは、このままニンゲンの近くで居ると、仔狼たちがニンゲンに懐いてしまう心配があると告げた。ニンゲンは怖いのだと教えてはいるが、元がヒトのシンジでは限界があるとも。
「お前たち‥‥そうなのか?」
「ニンゲン、みんな、おやつくれるのー」
「でもニンゲンは武器を使うから怖いんだって~?」
いくつかの答えを聞き、あーなるほどと魔狼は現状を理解してくれた。
しかし育児をしながらだと、これまでの生活は成り立たなくなる。どこかに巣を作って待たせておくのも危険だし、ましてや仔狼は連れ歩くのもどうかという年齢だ。
しばらく頭を抱える魔狼。
「大丈夫、基本的な狩りは教えてある。追い込みもトドメも、誘い込みも出来るから、実戦代わりに狩りを手伝わせることは出来るだろう」
「お前たち、そうなのか?」
「ウサギも追いかけられるよ~」
「イノシシからも逃げられる」
「とはいえ、まだまだヒヨッ子で頼りないんだがな」
「む~~~っ、ちゃんとできるもんっ!」
「できるもん‥‥」
1匹はけっこう勝気で、もう1匹は少し気弱。そんな対比もシンジには愛しい。
そして涙ぐむ1匹を見て、魔狼もなるほどと笑う。
「良いだろう、しばらくは手がかかるだろうが、なに、我の子だ。すぐに慣れるだろう」
少々、いやだいぶ食うに困るかもだが、冬場ほどではないだろうと魔狼は決断した。
それにこのニンゲンも、かなり仔たちを大事にしてくれたようだ。懐き方を見ればわかる。ならば実の親である自分も負けてはいられないと奮起したのだ。
「じゃ、これでサヨナラだな」
「サヨナラ~?」
「何それ? 美味しいの?」
「お別れ、ってことだよ」
「「え‥‥」」
その意味をなんとなく理解した2匹は、泣いた。
鳴くではない、泣いた。
「やだやだ、ママといっしょが良い!」
「ママ‥‥いなくなっちゃヤダ‥‥」
「わかっているだろう? 狼とニンゲンは一緒にいられないんだ」
そして長い間、説得が続いたがなんとか納得してくれた。
無理矢理、納得させたというのが正しいかもしれない。
決して、2度と会えない訳じゃない。いつか再会できる機会はある。
そう言い聞かせた。
「強く生きろよ! ニンゲンには近寄っちゃダメだぞ!」
2匹とも涙をこらえて、見送ってくれた。狼の成長って早いんだな、そうシンジは納得し、少し寂しくも感じたのである。
そして街に戻り、ギルドで放逐を報告したら、今夜は1人だった受付嬢に黙って殴られた。
昼間の多数の受付嬢には袋叩きにあった。
ルイーザとサニアには、2日ほど口を聞いてもらえなかったのは納得いかないシンジ。
飼育できない以上、いつかは手放さなければならないのはわかっているのに、女性というのは感情の生き物だと身を以って知ってしまったのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
仔狼たちと別れて数日。
雨の後なので、森でキノコを探すことにした。
もうゴブリンに襲われても、よほどのトラブルでもなければ傷付くことはない位には3人とも鍛えられている。なのでシンジがヒトの姿で魔狼の鼻を使い、キノコの場所を指示していき、ジミーは1人で盾を背負い、サニアとルイーザは交互に警戒しながら、採取していくという分担で進めていた。
キノコは土キノコだけでなく、シメジっぽいのやシイタケっぽいの、ヒラタケっぽいの等々、たくさん採取していくが、木の幹に生えるキクラゲっぽいのは、どうやら食べる習慣がないようだ。
歯ごたえが美味しいのに、味がしないのが減点らしい。
もったいないので、シンジは個人的に採取して体内庫に保存しておくことにする。
シンジの指導で、キノコは採取しても下の菌糸体は極力傷付けないようにしている。
これはシンジが採取家の爺さんから聞き出した手法で、菌糸体を傷付けなければ子実体である「いわゆるキノコ」が早く生えてくるという裏技だった。
シンジも前世の知識で知っていた。キノコの本体は地中や培地、原木に広がる菌糸体であり、表面から生えるキノコは繁殖のための「実」であることを。
また採取家ならばそういったマナーを守るのを徹底しろとも教えられた。キノコなら菌糸体を傷付けず、果実なら木本体を弱らせず、野草ならばコロニーを取り尽さないといったマナーをだ。
また大森林は魔素とか魔力の関係か、場所が少々標高の高い高原地帯であるためか、冬以外はさほど「時期」というものが関係ないらしい。春から夏までに色んな植物が何度も発芽したり結実したりするそうだ。
なので先のマナーが、かなり重要なのだった。
シンジはそれを、3人に何度も説明し、念押しを繰り返したという訳で。
おそらくそのうち、実感として皆にもわかるだろうと考えている。
「けっこう獲れたなー」
「キノコは軽いから良いよね」
「どっちみち、俺が運ぶんだから帰りも手ぶらじゃん」
にぎやかに昼食を摂り、帰りはやっぱり色々と採取しながら帰るかと話し合っていたら。
シンジの感知能力を頼りに、つい普通に声を上げていたのが失敗だった。
「まま~~~!!」
仔狼の1匹がシンジに体当たり。
かなりのスピードで走ってきたのだろう、そのヘッドバットにシンジがうめき声を上げてしまう。
喜んだのは女性2人。仔狼を見るなり黄色い声で抱き上げ、なでなで、サンドイッチのフィレ肉の3セットマッチを奪い合うようにかます。
「すまん、もっと奥で寝ていたんだが‥‥声を聞き付けたらしい」
もう1匹をくわえて、父魔狼登場。
どれだけの距離を走ったのか、息も絶え絶えの父魔狼。仔狼を口にくわえていればそうなるか。
「まま~」
もう1匹も、シンジに抱き付いて尻尾を振っている。
シンジは仔狼をなでながら、次からは気を抜かずに小声で話そうと、ため息をつくのだった。
いや、ルイーザにもう1匹も奪われた。
シンジと父魔狼は盛大なため息をつくしかない。
もちろん、仔狼たち2匹も一緒。
夜間だけ活動する魔物も多い。野獣ももちろん居る。
そんな魔物を避け、シンジはほど広い場所に座り込んだ。大森林に入ってからは魔狼の姿になっている。シンジが腰を落ち着けたところで、仔狼たちは周囲を探るように歩き回り、はしゃぎだした。
そして1時間が過ぎた頃、それが姿を現す。立派な体躯の魔狼のオスのようだ。
「貴様、何者だ? 仲間のようで仲間じゃない。昼間はなぜニンゲンと一緒に居た?」
こちらの匂いを確かめるように、魔狼は頭を低くしシンジをにらんでいる。
狼や犬が頭を低くするのは最大限の警戒行動だ。いつでも飛びかかれるように、逃げ出せるようにとの姿勢だろう。
「なぜ貴様は、我が番と同じ匂いをしている? 返答によっては生かして返さん」
返答しないシンジにしびれを切らしたのか、得体の知れない相手に警戒しながらも語気を強める魔狼。
「なぜ我が仔を連れている! 我を狙ってのことか!」
やっぱりか。シンジはそう苦笑する。
狼や犬の集団は、その多くがボスを中心としたハーレムだ。
ボスとその妻たち、その子供たちとボスの配下からなる集団が一般的で、群れの中で仔を残せるオスはボスだけだ。
夜明けの星を襲った魔狼たちはメスがほとんどで、ボスは居なかった。数少なかったオスたちの中にボスが居たのかもと思ったが、メスたちに比べて貧弱すぎたのだ。それがボス不在を判断した理由。
もっとも生前の記憶からの推測でしかない。
しかし実際に目の前に現れたそれは、大きく、強く、慎重で、賢い。その判断は間違ってなさそうだ。
「我が問うているのだ、答えよ! さもなくば‥‥」
「うるさい!」
「‥‥うげ」
問答無用で、いや問われたから「問答無用」ではないか。焦れた魔狼は一足飛びに襲い掛かってきたが、シンジはそれを前足で押し止めた。
鼻先を押され、つまりは木立の幹に鼻をぶつけたようなもので、うずくまる魔狼は鼻を押さえて涙目。
「きッ、貴様!!」
悔しそうにうずくまったまま、シンジを上目遣いでにらんでいるが、さすがに威厳はない。
そんな魔狼にシンジは話して聞かせた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「そうか‥‥それで‥‥」
仔狼らの母魔狼がヒトたちに殺されてしまったことを伝え、残された仔狼を預かったのだと説明したら、納得しかけて慌てた。
「貴様はどうしてニンゲンに従っているのだ! 我らの誇りは捨てたのか!」
見せたほうが早いと、シンジはシンジの姿に戻る。
いや実際はスライムが本来の姿なのだが、ここはヒトの姿で。
ギョッとする魔狼と、ヒトの姿に喜んで駆け寄ってくる仔狼たち。地面にあぐらをかくシンジの両ひざに抱き付くようにじゃれてくる2匹。
「きさッ、おまッ、なんッ‥‥!!」
驚きで言葉にもならない魔狼。「落ち着け」とシンジは魔狼にチョップ。
「元々俺は魔物なんだ。姿を変えることができるから、普段はこの姿でニンゲンとして生活している」
そして魔狼の姿で夜な夜な、仔狼の教育に走り回っていたのだと説明。再び魔狼の姿に化けると、魔狼も納得するしかない。
そしてその姿と匂いが、魔狼の元の妻の1匹にそっくりだったらしい。
なので仔を連れて、危険なニンゲンの許に居るのが不可解だったそうで。
「それで相談なんだが」
「な、なんだ?」
「手間だろうが、この仔たちを預かってやってくれんか?」
シンジは、このままニンゲンの近くで居ると、仔狼たちがニンゲンに懐いてしまう心配があると告げた。ニンゲンは怖いのだと教えてはいるが、元がヒトのシンジでは限界があるとも。
「お前たち‥‥そうなのか?」
「ニンゲン、みんな、おやつくれるのー」
「でもニンゲンは武器を使うから怖いんだって~?」
いくつかの答えを聞き、あーなるほどと魔狼は現状を理解してくれた。
しかし育児をしながらだと、これまでの生活は成り立たなくなる。どこかに巣を作って待たせておくのも危険だし、ましてや仔狼は連れ歩くのもどうかという年齢だ。
しばらく頭を抱える魔狼。
「大丈夫、基本的な狩りは教えてある。追い込みもトドメも、誘い込みも出来るから、実戦代わりに狩りを手伝わせることは出来るだろう」
「お前たち、そうなのか?」
「ウサギも追いかけられるよ~」
「イノシシからも逃げられる」
「とはいえ、まだまだヒヨッ子で頼りないんだがな」
「む~~~っ、ちゃんとできるもんっ!」
「できるもん‥‥」
1匹はけっこう勝気で、もう1匹は少し気弱。そんな対比もシンジには愛しい。
そして涙ぐむ1匹を見て、魔狼もなるほどと笑う。
「良いだろう、しばらくは手がかかるだろうが、なに、我の子だ。すぐに慣れるだろう」
少々、いやだいぶ食うに困るかもだが、冬場ほどではないだろうと魔狼は決断した。
それにこのニンゲンも、かなり仔たちを大事にしてくれたようだ。懐き方を見ればわかる。ならば実の親である自分も負けてはいられないと奮起したのだ。
「じゃ、これでサヨナラだな」
「サヨナラ~?」
「何それ? 美味しいの?」
「お別れ、ってことだよ」
「「え‥‥」」
その意味をなんとなく理解した2匹は、泣いた。
鳴くではない、泣いた。
「やだやだ、ママといっしょが良い!」
「ママ‥‥いなくなっちゃヤダ‥‥」
「わかっているだろう? 狼とニンゲンは一緒にいられないんだ」
そして長い間、説得が続いたがなんとか納得してくれた。
無理矢理、納得させたというのが正しいかもしれない。
決して、2度と会えない訳じゃない。いつか再会できる機会はある。
そう言い聞かせた。
「強く生きろよ! ニンゲンには近寄っちゃダメだぞ!」
2匹とも涙をこらえて、見送ってくれた。狼の成長って早いんだな、そうシンジは納得し、少し寂しくも感じたのである。
そして街に戻り、ギルドで放逐を報告したら、今夜は1人だった受付嬢に黙って殴られた。
昼間の多数の受付嬢には袋叩きにあった。
ルイーザとサニアには、2日ほど口を聞いてもらえなかったのは納得いかないシンジ。
飼育できない以上、いつかは手放さなければならないのはわかっているのに、女性というのは感情の生き物だと身を以って知ってしまったのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
仔狼たちと別れて数日。
雨の後なので、森でキノコを探すことにした。
もうゴブリンに襲われても、よほどのトラブルでもなければ傷付くことはない位には3人とも鍛えられている。なのでシンジがヒトの姿で魔狼の鼻を使い、キノコの場所を指示していき、ジミーは1人で盾を背負い、サニアとルイーザは交互に警戒しながら、採取していくという分担で進めていた。
キノコは土キノコだけでなく、シメジっぽいのやシイタケっぽいの、ヒラタケっぽいの等々、たくさん採取していくが、木の幹に生えるキクラゲっぽいのは、どうやら食べる習慣がないようだ。
歯ごたえが美味しいのに、味がしないのが減点らしい。
もったいないので、シンジは個人的に採取して体内庫に保存しておくことにする。
シンジの指導で、キノコは採取しても下の菌糸体は極力傷付けないようにしている。
これはシンジが採取家の爺さんから聞き出した手法で、菌糸体を傷付けなければ子実体である「いわゆるキノコ」が早く生えてくるという裏技だった。
シンジも前世の知識で知っていた。キノコの本体は地中や培地、原木に広がる菌糸体であり、表面から生えるキノコは繁殖のための「実」であることを。
また採取家ならばそういったマナーを守るのを徹底しろとも教えられた。キノコなら菌糸体を傷付けず、果実なら木本体を弱らせず、野草ならばコロニーを取り尽さないといったマナーをだ。
また大森林は魔素とか魔力の関係か、場所が少々標高の高い高原地帯であるためか、冬以外はさほど「時期」というものが関係ないらしい。春から夏までに色んな植物が何度も発芽したり結実したりするそうだ。
なので先のマナーが、かなり重要なのだった。
シンジはそれを、3人に何度も説明し、念押しを繰り返したという訳で。
おそらくそのうち、実感として皆にもわかるだろうと考えている。
「けっこう獲れたなー」
「キノコは軽いから良いよね」
「どっちみち、俺が運ぶんだから帰りも手ぶらじゃん」
にぎやかに昼食を摂り、帰りはやっぱり色々と採取しながら帰るかと話し合っていたら。
シンジの感知能力を頼りに、つい普通に声を上げていたのが失敗だった。
「まま~~~!!」
仔狼の1匹がシンジに体当たり。
かなりのスピードで走ってきたのだろう、そのヘッドバットにシンジがうめき声を上げてしまう。
喜んだのは女性2人。仔狼を見るなり黄色い声で抱き上げ、なでなで、サンドイッチのフィレ肉の3セットマッチを奪い合うようにかます。
「すまん、もっと奥で寝ていたんだが‥‥声を聞き付けたらしい」
もう1匹をくわえて、父魔狼登場。
どれだけの距離を走ったのか、息も絶え絶えの父魔狼。仔狼を口にくわえていればそうなるか。
「まま~」
もう1匹も、シンジに抱き付いて尻尾を振っている。
シンジは仔狼をなでながら、次からは気を抜かずに小声で話そうと、ため息をつくのだった。
いや、ルイーザにもう1匹も奪われた。
シンジと父魔狼は盛大なため息をつくしかない。
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