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宵の約束は化かしあい
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「そこのわっぱ。何を泣いておるのじゃ?」
「………だれ?」
小山のてっぺんにある神社の階段で疼くまる小さな背中に宵乃よいのは声をかけた。
初夏の夕暮れ時、山で遊んでいた子供達はすでに姿を消している。
誰もいないと思い込んでいたのか、驚いて顔を上げた少年は、瞳に涙を浮かべて、今にも目玉ごと飛び出てしまうのではないかと思うほど、目一杯に見開いている。
その瞳の色は新緑のようで、サラサラと風に揺れる髪は金に輝いていた。
隣に座っても宵乃よいのの胸あたりにしかこない丸い頭を、思わず触りたいと思った衝動を飲み込む。
「妾は宵乃よいのだ。この神社に住み着いている化狐だよ」
「……怖い人?」
「ヒトではないが……まぁお前くらいなら頭からガブリと食べられるなぁ」
「ひぃっ!」
怯えて立ち上がった少年は、そのまま勢いよく階段を駆け降りていく。
宵乃は、遠ざかっていく背中を見つめた。
珍しい髪色に少し興味が湧いて話しかけてみただけだ。特にそれ以上何かするつもりも無かった。
「あんな少年じゃ、妾を満足させる事はできないのじゃ」
妖艶に微笑み、今日の男性食糧探しに、山を降りていく。
階段を降りる影には、頭には大きな耳と腰からはゆらゆらと揺れる尻尾が映されていた。
「………だれ?」
小山のてっぺんにある神社の階段で疼くまる小さな背中に宵乃よいのは声をかけた。
初夏の夕暮れ時、山で遊んでいた子供達はすでに姿を消している。
誰もいないと思い込んでいたのか、驚いて顔を上げた少年は、瞳に涙を浮かべて、今にも目玉ごと飛び出てしまうのではないかと思うほど、目一杯に見開いている。
その瞳の色は新緑のようで、サラサラと風に揺れる髪は金に輝いていた。
隣に座っても宵乃よいのの胸あたりにしかこない丸い頭を、思わず触りたいと思った衝動を飲み込む。
「妾は宵乃よいのだ。この神社に住み着いている化狐だよ」
「……怖い人?」
「ヒトではないが……まぁお前くらいなら頭からガブリと食べられるなぁ」
「ひぃっ!」
怯えて立ち上がった少年は、そのまま勢いよく階段を駆け降りていく。
宵乃は、遠ざかっていく背中を見つめた。
珍しい髪色に少し興味が湧いて話しかけてみただけだ。特にそれ以上何かするつもりも無かった。
「あんな少年じゃ、妾を満足させる事はできないのじゃ」
妖艶に微笑み、今日の男性食糧探しに、山を降りていく。
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