幽霊と神様にこんにちは

明智 颯茄

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審神者(さにわ)とは何か

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 審神者さにわという言葉は知っているだろうか。諸説あるが、ここでいう審神者とは、霊視しているものが事実か幻かを確認する作業のことを指す。

 物質界で生きていると、目に見えているものは実在している。見間違いということは起きるが、もう一度見れば、現実として信じて間違いがない。

 しかし、霊界や神界は心の世界である。物質界の法則が通用しない時がある。

 例え話をしよう。
 今から聞くことを考えてほしい。

「今日の朝ごはんは何を食べましたか?」

 食べていようとも、食べていなくても、朝へ記憶を巻き戻したのではないだろうか。肉体は過去へ戻ることができないが、心はきちんと今朝へと戻っている。すなわち、心は過去へ行ったのである。

 これと同じで、明日の夕方のことを考えたとする。すると、心は今度未来へと行ってしまう。

 これほど簡単に、心は時間を飛び越えてしまうものである。霊視をして見えたものが、現在のものとは限らない。ということも当たり前に起こってくる。

 筆者もよく出会う話だが、心霊スポットと呼ばれている場所を見たり、聞いたりする。心を飛ばして、そこを霊視をするが、すでに幽霊は成仏していてまったくいない。などという体験は数多くしている。

 幽霊がいちいち、今日は何年の何月何日で、何時何分何十秒です。とは教えてくれない。だからこそ、確認する作業、審神者が必要となる。

 どのように行うかである。一番いいのは、霊視できる人に、同じものを見ているかどうかを聞くのがよい。しかしこれは、かなりまれなケースだろう。そうそう、近くには同じように霊感がある人はいないものである。

 そうなると、自身の感覚を磨くしかなくなる。先ほどの、朝食の時刻へと巻き戻した感覚を何度も行なって、過去だと判断できるように鍛錬する。

 未来を見る時はさらなる注意が必要になる。未来を変えることはできる。未来は変わる。こんな言葉を聞いたことがあるだろう。この通りに霊視した未来とは、ちょっとしたことでまったく違いものになってしまうことはよく起きる。

 例えば、未来を見るという行動を取る。これだけで大きく変わってしまう。なぜなら、先を知っているのと、知らないで進んでゆくのでは、心構えも起こす言動も変化してしまうからである。

 ちょっとした言葉遣いでも、未来は変わってしまう。

 例えば、

「見てる」
「見ている」

 たったひとつ文字数が違うだけだ。しかし、小説家などの言葉を扱う人であれば、これは大きな誤差だ。それほど、未来とは繊細なものである。

 だがこれは安心しておこう。例えば、今朝ご飯をちょっとこぼした。というような小さな出来事も世界を驚かすような大きな出来事も、神様が見た未来通りに全ては導かれて、この文明より幾つも前から何ひとつ予想外のことは起こっていないそうだ。神様の緻密な計算通りに世界は動いている。

 つまりは、私たちがどのような選択肢を選んでも、神様には予測済みということである。

 この審神者という作業だが、以前は非常に重要な意味を持っていた。著者の体験談である。

 霊感を持ち始めた頃、まだ邪神界という制度は存在していた。守護をしてくださる存在は常にそばにいてくださったが、邪神界からの襲撃を受けたことがある。

 自宅にいたが、外出先であったら、事故などに遭っていたかもしれない。非常に危険な場面に出くわした。

 その時に起こったことだが、守護をしてくださっている神様の姿形に、邪神界のものが化けて、すぐ近くまで来て、魂を傷つけようとされたりした。

 電気をいつも通りつけているのに、部屋は薄暗い。息をするのも苦しく、自身を押しつぶすような重圧を感じたりと、様々なことがあった。気配はするのだが、姿を見ることは不可能だった。

 著者と一緒に襲撃された人間はもう一人いた。その人は著者よりも霊視する力に優れており、審神者を何度もするが、その度に内容が違うと言っていた。どこどこの駅へ今すぐ来て欲しいなどという話だったり、それは嘘だと教えるものだったりである。

 もし、確認する作業をしなければ、外へと連れ出され、どうなっていたかはわからない。その時、守護してくださっていた神様のお陰で、今も無事に毎日を迎えられていると思うと、大いに感謝である。

 前の章でも書いたが、今現在は邪神界は存在していないので、しき者からの幻や嘘を見抜く必要はない。

 しかし、時間軸のズレだけは自身で訂正しないと、正しい霊視から遠ざかってしまうので、十分な注意が必要である。

 次は幽霊や神様と話す時の言葉遣いについて話そう。
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