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第3回鑑賞会
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*諸事情により、妻の名前が倫礼から颯茄に変更になっています。
ことの発端は、焉貴がハイテンションで、
「これ、買っちゃってください!」
ということで、DVDを購入しようとしたが、きっちり、R17の年齢確認が出てきた。今回は過去の2作品よりも、内容は過激になっている。
妻としては、同性愛の概念がない世界に住んでいる、旦那さんたちのプレイに役立つようにと思って購入しているわけで、彼らが観ないと意味がない。
全員、妻の部屋に呼び集めて、第3回鑑賞会。
たまにはメンバーを書き留めておこう。
蓮、光命、夕霧命、焉貴、月命、孔明、明引呼、貴増参、独健、張飛。
再生する前に、BLが苦手な独健に、妻は注意を促そうとすると、
「早く再生しろ」
と、旦那さんたちから急かされて、思わずプレイしたら、独健が初っ端たじろいでいた。
「い、いきなりだ……」
「すみません。説明があとになってしまって。本当のR17です。だから、独健さん、覚悟して観てください」
1話目がスタート。
毎回、妻が聞く質問。
「これ、誰に似てますか?」
ソファーにというか、他の旦那さんの足に寄りかかって観ていた明引呼が、
「月じゃねぇのか?」
寄りかかられていた月命が、凛とした澄んだ女性的な声でありながら、男性のそれで骨までえぐるように聞き返した。
「僕ですか~?」
「こういう、寂しそうな顔してただろ?」
「いつの話ですか~?」
「てめぇの誘い、オレが断ったら、してただろ?」
妻子がいる身で、担任教師と保護者の関係で、恋愛している時の話――というか、ふたりのラブラブな世界。
旦那さんふたりはもう放置して、妻は続きを見ようとしたら、明引呼のこんな言葉が聞こえてきた。
「てめぇ、オレの頭にスカート被せんなよ」
どんな誘い方だ!
もうめちゃくちゃだ~!
妻は頭を抱えた。月命の今日の服装は、エメラルドグリーンのドレスだった。そんな騒ぎをしているちょっと離れたところで、焉貴のまだら模様で純真無垢の声が、
「入れちゃうの? あぁ、入れちゃったね」
またいろいろ口走っている。他の旦那さんたちはいつも静かだから、ちらっと振り返ったら、見つけてしまった。
光命と夕霧命がお互いの膝に両手を乗せているのを。雰囲気的に、かろうじて足でとどまっている気がする。
1話目終了。エンディングテーマが流れそうになると、明引呼が、
「飛ばせよ」
妻に映像のスキップを要求。
「はい、明の仰せのままに!」
「ふざけてんじゃねぇよ」
パシンと頭を叩かれたが、それっきりで、明引呼と月命はお楽しみに突入。ということで、ふたりは別の日に勝手に観てください。残り、8人。エロサバイバルゲーム。
R17シーンに入るたびに、独健が少々げんなりしていた。
「必ずこっちに話が流れるんだな」
「そういうジャンルなので……」
焉貴の声がまた、
「こういう気持ちわかるね」
エロの部分ではなく、純粋な恋愛の感想を言う人は、今は一人だけ。明引呼は月命の性器で口がふさがっているから、わりと静かで、2話目が終了。エンディングが始まろうすると、
「飛ばせ」
指示が入った。
あれ? 明引呼さんたち終わった?
振り返ってみたが、真っ最中で、
「誰? 今言ったの」
「俺だ」
地鳴りのような低い声が聞こえてきた。夕霧命からの願いを聞いて、妻はただ再生係と化した。全て見終わり、旦那さんたちの感想は、
「いい話だった」
であった。しかし、エンディングが終わったら、バタバタし始めた。
夕霧命が光命をお姫様抱っこして、真っ先に部屋から出てゆく。
あぁ~! やっぱり刺激強すぎたんだ!
貴増参と独健はすでにいない。月命と明引呼も瞬間移動で消え去った。
次々といなくなってる! というかお楽しみに直行している!
あんなに無機質に感想を言っていた焉貴も、
「颯、あとで」
妻にキスをして、蓮と一緒に部屋を出ていった。そうして、最後に残った孔明と張飛。孔明は何も言わなかったが、張飛はやんちゃな好青年の笑みで、
「俺にはこれくらいがちょうどいいっす!」
さすが、妻がいた世界で生きていた人は、刺激に強いなぁ。
しかし、
「部屋借りるっす」
そのまま、孔明を床に押し倒していた。そうして、妻はまた一人きりの、寂しくもありながら、静かな夜になったのだった。
2019年9月3日、火曜日
ことの発端は、焉貴がハイテンションで、
「これ、買っちゃってください!」
ということで、DVDを購入しようとしたが、きっちり、R17の年齢確認が出てきた。今回は過去の2作品よりも、内容は過激になっている。
妻としては、同性愛の概念がない世界に住んでいる、旦那さんたちのプレイに役立つようにと思って購入しているわけで、彼らが観ないと意味がない。
全員、妻の部屋に呼び集めて、第3回鑑賞会。
たまにはメンバーを書き留めておこう。
蓮、光命、夕霧命、焉貴、月命、孔明、明引呼、貴増参、独健、張飛。
再生する前に、BLが苦手な独健に、妻は注意を促そうとすると、
「早く再生しろ」
と、旦那さんたちから急かされて、思わずプレイしたら、独健が初っ端たじろいでいた。
「い、いきなりだ……」
「すみません。説明があとになってしまって。本当のR17です。だから、独健さん、覚悟して観てください」
1話目がスタート。
毎回、妻が聞く質問。
「これ、誰に似てますか?」
ソファーにというか、他の旦那さんの足に寄りかかって観ていた明引呼が、
「月じゃねぇのか?」
寄りかかられていた月命が、凛とした澄んだ女性的な声でありながら、男性のそれで骨までえぐるように聞き返した。
「僕ですか~?」
「こういう、寂しそうな顔してただろ?」
「いつの話ですか~?」
「てめぇの誘い、オレが断ったら、してただろ?」
妻子がいる身で、担任教師と保護者の関係で、恋愛している時の話――というか、ふたりのラブラブな世界。
旦那さんふたりはもう放置して、妻は続きを見ようとしたら、明引呼のこんな言葉が聞こえてきた。
「てめぇ、オレの頭にスカート被せんなよ」
どんな誘い方だ!
もうめちゃくちゃだ~!
妻は頭を抱えた。月命の今日の服装は、エメラルドグリーンのドレスだった。そんな騒ぎをしているちょっと離れたところで、焉貴のまだら模様で純真無垢の声が、
「入れちゃうの? あぁ、入れちゃったね」
またいろいろ口走っている。他の旦那さんたちはいつも静かだから、ちらっと振り返ったら、見つけてしまった。
光命と夕霧命がお互いの膝に両手を乗せているのを。雰囲気的に、かろうじて足でとどまっている気がする。
1話目終了。エンディングテーマが流れそうになると、明引呼が、
「飛ばせよ」
妻に映像のスキップを要求。
「はい、明の仰せのままに!」
「ふざけてんじゃねぇよ」
パシンと頭を叩かれたが、それっきりで、明引呼と月命はお楽しみに突入。ということで、ふたりは別の日に勝手に観てください。残り、8人。エロサバイバルゲーム。
R17シーンに入るたびに、独健が少々げんなりしていた。
「必ずこっちに話が流れるんだな」
「そういうジャンルなので……」
焉貴の声がまた、
「こういう気持ちわかるね」
エロの部分ではなく、純粋な恋愛の感想を言う人は、今は一人だけ。明引呼は月命の性器で口がふさがっているから、わりと静かで、2話目が終了。エンディングが始まろうすると、
「飛ばせ」
指示が入った。
あれ? 明引呼さんたち終わった?
振り返ってみたが、真っ最中で、
「誰? 今言ったの」
「俺だ」
地鳴りのような低い声が聞こえてきた。夕霧命からの願いを聞いて、妻はただ再生係と化した。全て見終わり、旦那さんたちの感想は、
「いい話だった」
であった。しかし、エンディングが終わったら、バタバタし始めた。
夕霧命が光命をお姫様抱っこして、真っ先に部屋から出てゆく。
あぁ~! やっぱり刺激強すぎたんだ!
貴増参と独健はすでにいない。月命と明引呼も瞬間移動で消え去った。
次々といなくなってる! というかお楽しみに直行している!
あんなに無機質に感想を言っていた焉貴も、
「颯、あとで」
妻にキスをして、蓮と一緒に部屋を出ていった。そうして、最後に残った孔明と張飛。孔明は何も言わなかったが、張飛はやんちゃな好青年の笑みで、
「俺にはこれくらいがちょうどいいっす!」
さすが、妻がいた世界で生きていた人は、刺激に強いなぁ。
しかし、
「部屋借りるっす」
そのまま、孔明を床に押し倒していた。そうして、妻はまた一人きりの、寂しくもありながら、静かな夜になったのだった。
2019年9月3日、火曜日
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