9 / 30
二章
01
しおりを挟む
マリアーナは馬車に揺られながら、車窓の外を眺め続ける。
ティフマ城からフィーアンダ国境の城までの間カーテンは閉め切られていたが、今回は必要ないとの判断か初めから開けられていた。
その為、ゆっくりと外を流れる森の景色を眺めることができた。
ただ、前回と違うのはそれだけではない。
(ソリヤ……いいえ、ソフィアだったかしら)
昨日、部屋にやってきたアルベルトに『妻にする』と宣言された後、マリアーナに続いて謁見の間に呼ばれていたソリヤが戻って来た。
マリアーナの傍まで来た彼女はその場で膝をつき、深々と頭を下げると言った。
『ずっと黙っていて申し訳ございません。わたしソリヤはルーベンソン公爵から命令を受けてティフマ城に潜入しておりました。本名をソフィア・オリーンと申します。この五年間、マリアーナ様を騙していたことを、ここにお詫び申し上げます。申し訳ございません』
前髪が床につくのではと思うほど深く下げられた後頭部を見つめ、様々な思いが去来するマリアーナは長い沈黙後、『そう』としか返せなかった。
もっと何か言わなければと思うのに、口を開けば彼女を責める言葉が出てくるのではと不安で声が詰まる。
戸惑っているうちに変わりの侍女がやってきて、フランが侍女の交代を説明しソリヤは――ソフィアは出て行ってしまった。
(お礼だけでも言えば良かった……)
間諜だと知って「騙された」という思いは確かにあるが、この五年彼女には助けられたことばかりだった。
辺境を守るティフマ城という過酷な環境で、これほど長く傍にいてくれた侍女は彼女が初めてだ。
マリアーナが鈍いだけかも知れないが、彼女は一切の不審な言動もなく忠誠心のある侍女だったから、心の支えとして大事な存在であった。
だが、だからこそ言葉を失ったのかも知れない。
新たにあてがわれた侍女との同乗を断って、一人馬車に揺られながらマリアーナはソフィアに思い馳せる。
(彼女が居ないと、こんなに心細いのね)
侍女が交代されたのは恐らくマリアーナの心情を思ってのことだろう。心の整理がつかないため有難くもあるが、これから一人で見知らぬ環境へ向かわなければならないのだ。
馬車はアルベルトが治める領地にある本邸へ向かっていた。初めは王都へという話だったが、フィーアンダの習慣や行儀作法を学ぶため、しばらくは公爵邸へ滞在することになるという。
(いきなり王都へ行くよりは心の準備もできて助かるわ。だけど、受け入れてもらえるのかしら……)
エーリスと父タルヴォの浅慮で行った侵略行為はあっけなく撃退させられたが、それでも国境を侵犯した城主の娘である。それを考慮しなくても、関係の良くない敵国の貴族子女だ。
“そういった”目で見られることは必至に思えた。
そして思う――なぜ、そんな娘を『妻に』と彼は言ったのか。
(エーリス殿下への報復……ではないわよね)
侵略を命じた王子の婚約者であるマリアーナを、自分の妻にすることでエーリスの面目を潰す、あるいは嫌がらせをする――という意味も考えたが、そういう思惑があったとしてもそれだけではないはずだ。
マリアーナを娶ったことでティペリッシュの辺境領を治める者とアルベルトが縁続きになる。因縁を作ることでエーリスを二度と辺境領に足を踏み入れさせないように――とも考えたが、それも回りくどく感じる。
このほかにも何か理由があるのでは――そう思索を続けるマリアーナの視界に、森の奥から陽の光が飛び込んできて我に返った。
何かが陽の光を反射しているらしい。よくよく見ると少し離れたところに湖が見えた。なぜか鼓動が速くなるのを感じる。
(あの時溺れた……いいえ、まさか)
幼いころ森に迷い、光と戯れ、なぜか湖に落ちたときのことを思い出す。
だが、もう馬車は随分と遠くまで来ている。国境からここまで幼い子供の足で歩いて来れる距離ではない。
自分が溺れた湖ではないと思いつつも、それから目が離せずにいた。
「あっ――」
思わずマリアーナは身を乗り出し声を上げていた。
遠くに見える湖の上に、いつか見た小さな光が舞っているのが見えた気がした。その瞬間なぜかマリアーナは、あの場へ行きたい衝動に強く駆られる。
だが、車輪が小石に乗り上げた振動で我に返る。同時に周りを騎兵に囲まれていて、自分に自由がないことを思い出す。
すると遠くに見えていた小さな光も、湖に射し込む陽の光に溶け込んで消えていった。
それを寂しく思いながらマリアーナは、湖が木々の合間に隠れて見えなくなるまでずっと見つめ続けた。
マリアーナを運ぶ一行は三日かけてアルベルトの治める領地に入った。
道中、夜になれば貴人用の宿に泊まったり、その領地を治める者の邸宅に世話になったりしたが、宿屋で、あるいは邸宅内でアルベルトの姿を見ることはなかった。
相変わらず馬車での乗り降りの際には彼がエスコートをするのに――。
(必要最低限のことはして頂いてる……わたしとの結婚など公爵閣下も望んでいないことだから、顔も合わせたくないのかも知れないわ)
しかしそう考えてはみても、アルベルトがマリアーナを見るその目はいつも、騎士を率いるときと違い優しく感じてしまう。
そして今も、公爵邸の玄関前に止められた馬車から降りる際、手を差し出すアルベルトのマリアーナを見るその眼差しは温かい。
「お帰りなさいませ、旦那様」
思わずアルベルトから目が離せないでいると、近くから声がかけられて慌てて視線を外す。目線を前方へ戻せば、傍に執事らしき男性がいることに気づいた。
六十代の白髪が目立つその男性は、アルベルトに深く頭を下げた後、真っ直ぐにマリアーナを見つめてきた。
「そちらがティペリッシュの――」
やや低められた声音と鋭い視線に、マリアーナは敏感に相手の心情を察して背筋を伸ばした。だが、不用意に口を開くことはなく黙って待つ。
「――ああ、マリアーナ・ルオッツァライネン、ティフマ城の城主の娘だ。私の妻として迎え入れることになった。そのつもりで対応してくれ」
男性にそう説明をしたあと、アルベルトは続けてマリアーナにも向き直ると言った。
「マリアーナ嬢、彼はこの公爵邸を任せている執事のテオドルだ。この邸や周辺のことで分からないことがあれば彼を頼るといい」
そう紹介を受けて、マリアーナは小さく膝を折り頭を下げた。
「マリアーナ・ルオッツァライネンと申します。よろしくお願いいたします」
頭を上げ、下げていた目線を真っ直ぐに男性へ――テオドルへ戻すと、ずっとこちらを観察していたであろう彼と視線がぶつかる。
老齢の男性にじっと見つめられて怯みそうになるが、マリアーナは表情を変えることなくテオドルを見返した。
先に視線を外したのはテオドルだった。わかるか、わからないかの目礼をして、その視線を自分の主へと向ける。
「妻と言いますが、婚約もまだではありませんか」
淡々とした指摘にアルベルトが目を細めた。眉間にしわも寄っている。彼の勘気を悟ってマリアーナはつい身を硬くしたが――
「すでに書類は取り寄せている。これから署名をし、明日には王都へ私自ら届けにいく」
アルベルトの口から出てきたのもまた淡々とした説明だった。
ただ、やはり若干口調がとげとげしい。
表情から怒っているようにも見えたが、どちらかというと“不貞腐れる”に近いようだ。
それが分かっているからか、テオドルの様子も落ち着いている。
しかしすぐにアルベルトは表情を改めると、やや硬い声音で続けた。
「――テオドル、これは陛下もすでにご承知のことだ。わかっているな?」
するとテオドルも姿勢を正し「かしこまりました」と深く頭を下げるのだった。
親しい間柄だからこその雰囲気が垣間見えた気がするも、出会ったばかりのマリアーナには本当のところどうなのか分からない。
そのせいでアルベルトの勘気に強張らせていた体を、解いていいのかどうか未だ迷ったままだった。
(わたしにはわからない間合いだわ。当然だけど……)
これから知っていくことができるのか、それとも、そんな日は永遠に来ないのか。
それすらも、今のマリアーナにはまったくわかりようの無いことだった。
ティフマ城からフィーアンダ国境の城までの間カーテンは閉め切られていたが、今回は必要ないとの判断か初めから開けられていた。
その為、ゆっくりと外を流れる森の景色を眺めることができた。
ただ、前回と違うのはそれだけではない。
(ソリヤ……いいえ、ソフィアだったかしら)
昨日、部屋にやってきたアルベルトに『妻にする』と宣言された後、マリアーナに続いて謁見の間に呼ばれていたソリヤが戻って来た。
マリアーナの傍まで来た彼女はその場で膝をつき、深々と頭を下げると言った。
『ずっと黙っていて申し訳ございません。わたしソリヤはルーベンソン公爵から命令を受けてティフマ城に潜入しておりました。本名をソフィア・オリーンと申します。この五年間、マリアーナ様を騙していたことを、ここにお詫び申し上げます。申し訳ございません』
前髪が床につくのではと思うほど深く下げられた後頭部を見つめ、様々な思いが去来するマリアーナは長い沈黙後、『そう』としか返せなかった。
もっと何か言わなければと思うのに、口を開けば彼女を責める言葉が出てくるのではと不安で声が詰まる。
戸惑っているうちに変わりの侍女がやってきて、フランが侍女の交代を説明しソリヤは――ソフィアは出て行ってしまった。
(お礼だけでも言えば良かった……)
間諜だと知って「騙された」という思いは確かにあるが、この五年彼女には助けられたことばかりだった。
辺境を守るティフマ城という過酷な環境で、これほど長く傍にいてくれた侍女は彼女が初めてだ。
マリアーナが鈍いだけかも知れないが、彼女は一切の不審な言動もなく忠誠心のある侍女だったから、心の支えとして大事な存在であった。
だが、だからこそ言葉を失ったのかも知れない。
新たにあてがわれた侍女との同乗を断って、一人馬車に揺られながらマリアーナはソフィアに思い馳せる。
(彼女が居ないと、こんなに心細いのね)
侍女が交代されたのは恐らくマリアーナの心情を思ってのことだろう。心の整理がつかないため有難くもあるが、これから一人で見知らぬ環境へ向かわなければならないのだ。
馬車はアルベルトが治める領地にある本邸へ向かっていた。初めは王都へという話だったが、フィーアンダの習慣や行儀作法を学ぶため、しばらくは公爵邸へ滞在することになるという。
(いきなり王都へ行くよりは心の準備もできて助かるわ。だけど、受け入れてもらえるのかしら……)
エーリスと父タルヴォの浅慮で行った侵略行為はあっけなく撃退させられたが、それでも国境を侵犯した城主の娘である。それを考慮しなくても、関係の良くない敵国の貴族子女だ。
“そういった”目で見られることは必至に思えた。
そして思う――なぜ、そんな娘を『妻に』と彼は言ったのか。
(エーリス殿下への報復……ではないわよね)
侵略を命じた王子の婚約者であるマリアーナを、自分の妻にすることでエーリスの面目を潰す、あるいは嫌がらせをする――という意味も考えたが、そういう思惑があったとしてもそれだけではないはずだ。
マリアーナを娶ったことでティペリッシュの辺境領を治める者とアルベルトが縁続きになる。因縁を作ることでエーリスを二度と辺境領に足を踏み入れさせないように――とも考えたが、それも回りくどく感じる。
このほかにも何か理由があるのでは――そう思索を続けるマリアーナの視界に、森の奥から陽の光が飛び込んできて我に返った。
何かが陽の光を反射しているらしい。よくよく見ると少し離れたところに湖が見えた。なぜか鼓動が速くなるのを感じる。
(あの時溺れた……いいえ、まさか)
幼いころ森に迷い、光と戯れ、なぜか湖に落ちたときのことを思い出す。
だが、もう馬車は随分と遠くまで来ている。国境からここまで幼い子供の足で歩いて来れる距離ではない。
自分が溺れた湖ではないと思いつつも、それから目が離せずにいた。
「あっ――」
思わずマリアーナは身を乗り出し声を上げていた。
遠くに見える湖の上に、いつか見た小さな光が舞っているのが見えた気がした。その瞬間なぜかマリアーナは、あの場へ行きたい衝動に強く駆られる。
だが、車輪が小石に乗り上げた振動で我に返る。同時に周りを騎兵に囲まれていて、自分に自由がないことを思い出す。
すると遠くに見えていた小さな光も、湖に射し込む陽の光に溶け込んで消えていった。
それを寂しく思いながらマリアーナは、湖が木々の合間に隠れて見えなくなるまでずっと見つめ続けた。
マリアーナを運ぶ一行は三日かけてアルベルトの治める領地に入った。
道中、夜になれば貴人用の宿に泊まったり、その領地を治める者の邸宅に世話になったりしたが、宿屋で、あるいは邸宅内でアルベルトの姿を見ることはなかった。
相変わらず馬車での乗り降りの際には彼がエスコートをするのに――。
(必要最低限のことはして頂いてる……わたしとの結婚など公爵閣下も望んでいないことだから、顔も合わせたくないのかも知れないわ)
しかしそう考えてはみても、アルベルトがマリアーナを見るその目はいつも、騎士を率いるときと違い優しく感じてしまう。
そして今も、公爵邸の玄関前に止められた馬車から降りる際、手を差し出すアルベルトのマリアーナを見るその眼差しは温かい。
「お帰りなさいませ、旦那様」
思わずアルベルトから目が離せないでいると、近くから声がかけられて慌てて視線を外す。目線を前方へ戻せば、傍に執事らしき男性がいることに気づいた。
六十代の白髪が目立つその男性は、アルベルトに深く頭を下げた後、真っ直ぐにマリアーナを見つめてきた。
「そちらがティペリッシュの――」
やや低められた声音と鋭い視線に、マリアーナは敏感に相手の心情を察して背筋を伸ばした。だが、不用意に口を開くことはなく黙って待つ。
「――ああ、マリアーナ・ルオッツァライネン、ティフマ城の城主の娘だ。私の妻として迎え入れることになった。そのつもりで対応してくれ」
男性にそう説明をしたあと、アルベルトは続けてマリアーナにも向き直ると言った。
「マリアーナ嬢、彼はこの公爵邸を任せている執事のテオドルだ。この邸や周辺のことで分からないことがあれば彼を頼るといい」
そう紹介を受けて、マリアーナは小さく膝を折り頭を下げた。
「マリアーナ・ルオッツァライネンと申します。よろしくお願いいたします」
頭を上げ、下げていた目線を真っ直ぐに男性へ――テオドルへ戻すと、ずっとこちらを観察していたであろう彼と視線がぶつかる。
老齢の男性にじっと見つめられて怯みそうになるが、マリアーナは表情を変えることなくテオドルを見返した。
先に視線を外したのはテオドルだった。わかるか、わからないかの目礼をして、その視線を自分の主へと向ける。
「妻と言いますが、婚約もまだではありませんか」
淡々とした指摘にアルベルトが目を細めた。眉間にしわも寄っている。彼の勘気を悟ってマリアーナはつい身を硬くしたが――
「すでに書類は取り寄せている。これから署名をし、明日には王都へ私自ら届けにいく」
アルベルトの口から出てきたのもまた淡々とした説明だった。
ただ、やはり若干口調がとげとげしい。
表情から怒っているようにも見えたが、どちらかというと“不貞腐れる”に近いようだ。
それが分かっているからか、テオドルの様子も落ち着いている。
しかしすぐにアルベルトは表情を改めると、やや硬い声音で続けた。
「――テオドル、これは陛下もすでにご承知のことだ。わかっているな?」
するとテオドルも姿勢を正し「かしこまりました」と深く頭を下げるのだった。
親しい間柄だからこその雰囲気が垣間見えた気がするも、出会ったばかりのマリアーナには本当のところどうなのか分からない。
そのせいでアルベルトの勘気に強張らせていた体を、解いていいのかどうか未だ迷ったままだった。
(わたしにはわからない間合いだわ。当然だけど……)
これから知っていくことができるのか、それとも、そんな日は永遠に来ないのか。
それすらも、今のマリアーナにはまったくわかりようの無いことだった。
117
あなたにおすすめの小説
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
真面目くさった女はいらないと婚約破棄された伯爵令嬢ですが、王太子様に求婚されました。実はかわいい彼の溺愛っぷりに困っています
綾森れん
恋愛
「リラ・プリマヴェーラ、お前と交わした婚約を破棄させてもらう!」
公爵家主催の夜会にて、リラ・プリマヴェーラ伯爵令嬢はグイード・ブライデン公爵令息から言い渡された。
「お前のような真面目くさった女はいらない!」
ギャンブルに財産を賭ける婚約者の姿に公爵家の将来を憂いたリラは、彼をいさめたのだが逆恨みされて婚約破棄されてしまったのだ。
リラとグイードの婚約は政略結婚であり、そこに愛はなかった。リラは今でも7歳のころ茶会で出会ったアルベルト王子の優しさと可愛らしさを覚えていた。しかしアルベルト王子はそのすぐあとに、毒殺されてしまった。
夜会で恥をさらし、居場所を失った彼女を救ったのは、美しい青年歌手アルカンジェロだった。
心優しいアルカンジェロに惹かれていくリラだが、彼は高い声を保つため、少年時代に残酷な手術を受けた「カストラート(去勢歌手)」と呼ばれる存在。教会は、子孫を残せない彼らに結婚を禁じていた。
禁断の恋に悩むリラのもとへ、父親が新たな婚約話をもってくる。相手の男性は親子ほども歳の離れた下級貴族で子だくさん。数年前に妻を亡くし、後妻に入ってくれる女性を探しているという、悪い条件の相手だった。
望まぬ婚姻を強いられ未来に希望を持てなくなったリラは、アルカンジェロと二人、教会の勢力が及ばない国外へ逃げ出す計画を立てる。
仮面舞踏会の夜、二人の愛は通じ合い、結ばれる。だがアルカンジェロが自身の秘密を打ち明けた。彼の正体は歌手などではなく、十年前に毒殺されたはずのアルベルト王子その人だった。
しかし再び、王権転覆を狙う暗殺者が迫りくる。
これは、愛し合うリラとアルベルト王子が二人で幸せをつかむまでの物語である。
【完結】元お飾り聖女はなぜか腹黒宰相様に溺愛されています!?
雨宮羽那
恋愛
元社畜聖女×笑顔の腹黒宰相のラブストーリー。
◇◇◇◇
名も無きお飾り聖女だった私は、過労で倒れたその日、思い出した。
自分が前世、疲れきった新卒社会人・花菱桔梗(はなびし ききょう)という日本人女性だったことに。
運良く婚約者の王子から婚約破棄を告げられたので、前世の教訓を活かし私は逃げることに決めました!
なのに、宰相閣下から求婚されて!? 何故か甘やかされているんですけど、何か裏があったりしますか!?
◇◇◇◇
お気に入り登録、エールありがとうございます♡
※ざまぁはゆっくりじわじわと進行します。
※「小説家になろう」「エブリスタ」様にも掲載しております(アルファポリス先行)。
※この作品はフィクションです。特定の政治思想を肯定または否定するものではありません(_ _*))
この婚約は白い結婚に繋がっていたはずですが? 〜深窓の令嬢は赤獅子騎士団長に溺愛される〜
氷雨そら
恋愛
婚約相手のいない婚約式。
通常であれば、この上なく惨めであろうその場所に、辺境伯令嬢ルナシェは、美しいベールをなびかせて、毅然とした姿で立っていた。
ベールから、こぼれ落ちるような髪は白銀にも見える。プラチナブロンドが、日差しに輝いて神々しい。
さすがは、白薔薇姫との呼び名高い辺境伯令嬢だという周囲の感嘆。
けれど、ルナシェの内心は、実はそれどころではなかった。
(まさかのやり直し……?)
先ほど確かに、ルナシェは断頭台に露と消えたのだ。しかし、この場所は確かに、あの日経験した、たった一人の婚約式だった。
ルナシェは、人生を変えるため、婚約式に現れなかった婚約者に、婚約破棄を告げるため、激戦の地へと足を向けるのだった。
小説家になろう様にも投稿しています。
【完結済】冷血公爵様の家で働くことになりまして~婚約破棄された侯爵令嬢ですが公爵様の侍女として働いています。なぜか溺愛され離してくれません~
北城らんまる
恋愛
**HOTランキング11位入り! ありがとうございます!**
「薄気味悪い魔女め。おまえの悪行をここにて読み上げ、断罪する」
侯爵令嬢であるレティシア・ランドハルスは、ある日、婚約者の男から魔女と断罪され、婚約破棄を言い渡される。父に勘当されたレティシアだったが、それは娘の幸せを考えて、あえてしたことだった。父の手紙に書かれていた住所に向かうと、そこはなんと冷血と知られるルヴォンヒルテ次期公爵のジルクスが一人で住んでいる別荘だった。
「あなたの侍女になります」
「本気か?」
匿ってもらうだけの女になりたくない。
レティシアはルヴォンヒルテ次期公爵の見習い侍女として、第二の人生を歩み始めた。
一方その頃、レティシアを魔女と断罪した元婚約者には、不穏な影が忍び寄っていた。
レティシアが作っていたお守りが、実は元婚約者の身を魔物から守っていたのだ。そんなことも知らない元婚約者には、どんどん不幸なことが起こり始め……。
※ざまぁ要素あり(主人公が何かをするわけではありません)
※設定はゆるふわ。
※3万文字で終わります
※全話投稿済です
悪役令嬢、記憶をなくして辺境でカフェを開きます〜お忍びで通ってくる元婚約者の王子様、私はあなたのことなど知りません〜
咲月ねむと
恋愛
王子の婚約者だった公爵令嬢セレスティーナは、断罪イベントの最中、興奮のあまり階段から転げ落ち、頭を打ってしまう。目覚めた彼女は、なんと「悪役令嬢として生きてきた数年間」の記憶をすっぽりと失い、動物を愛する心優しくおっとりした本来の性格に戻っていた。
もはや王宮に居場所はないと、自ら婚約破棄を申し出て辺境の領地へ。そこで動物たちに異常に好かれる体質を活かし、もふもふの聖獣たちが集まるカフェを開店し、穏やかな日々を送り始める。
一方、セレスティーナの豹変ぶりが気になって仕方ない元婚約者の王子・アルフレッドは、身分を隠してお忍びでカフェを訪れる。別人になったかのような彼女に戸惑いながらも、次第に本当の彼女に惹かれていくが、セレスティーナは彼のことを全く覚えておらず…?
※これはかなり人を選ぶ作品です。
感想欄にもある通り、私自身も再度読み返してみて、皆様のおっしゃる通りもう少しプロットをしっかりしてればと。
それでも大丈夫って方は、ぜひ。
婚活をがんばる枯葉令嬢は薔薇狼の執着にきづかない~なんで溺愛されてるの!?~
白井
恋愛
「我が伯爵家に貴様は相応しくない! 婚約は解消させてもらう」
枯葉のような地味な容姿が原因で家族から疎まれ、婚約者を姉に奪われたステラ。
土下座を強要され自分が悪いと納得しようとしたその時、謎の美形が跪いて手に口づけをする。
「美しき我が光……。やっと、お会いできましたね」
あなた誰!?
やたら綺麗な怪しい男から逃げようとするが、彼の執着は枯葉令嬢ステラの想像以上だった!
虐げられていた令嬢が男の正体を知り、幸せになる話。
【完結】魔力の見えない公爵令嬢は、王国最強の魔術師でした
er
恋愛
「魔力がない」と婚約破棄された公爵令嬢リーナ。だが真実は逆だった――純粋魔力を持つ規格外の天才魔術師! 王立試験で元婚約者を圧倒し首席合格、宮廷魔術師団長すら降参させる。王宮を救う活躍で副団長に昇進、イケメン公爵様からの求愛も!? 一方、元婚約者は没落し後悔の日々……。見る目のなかった男たちへの完全勝利と、新たな恋の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる