33 / 54
25イザヤvsルーク
しおりを挟む私がイザヤを好きになったのは
もう、ずっと前だ。
孤児だった私が教会に引き取られた時には既にイザヤがいた。同年代だったが、イザヤは兄のように優しく色々教えてくれた。
両親をなくし、毎晩1人泣いている私に、イザヤは黙って、泣き止むまで抱きしめてくれていたこともあったな……
「ルークってかわいいね。」
そう毎日のように言われていた当時は、イザヤよりも身長が低く、可愛らしい容姿だったようだが。
いつの間にか身長もイザヤより伸びてしまったし、日々の鍛錬で筋肉がつき男らしい身体になってしまった。
イザヤは私にかわいいと言う変わりに、女性をかわいいと言うようになった。
「今日デートの約束してんだよね。」
「お前、午後から師匠の稽古だぞ。」
「腹下して寝てるって言っといて!今回は俺本気だから!」
イザヤは女が好きだ。
だから私は一人称も俺から私にしたし、少しでも女に見えるよう髪も伸ばした。
魔王を倒しに行く際、邪魔だからと切ってしまったけど。
あの時、
「え!?切っちゃったの?キレイだったのに……」
本心か否か、こう言われて嬉しかった。
あの時の私は素直になれず、お前には関係ないとだけ答えた。
いつの間にかよく喧嘩をするようになったけど……
私を見てほしくて喧嘩をふっかけてしまっていることもある。
そんなことをしたって嫌われるだけなのにバカみたいだ。
私だけを見て欲しいのに。
そんな方法でしか振り向かせることが出来ないなんて。
こんな最低な私なんかが好かれるわけないんだ。
「イザヤはどうした?」
「腹が痛いみたいで……」
「はぁ……嘘だな。あいつは全く……」
「師匠は……」
「ん?」
「クリス様とどうやってそこまで信頼関係を築いてるんですか?」
「え、っとだな……(セックスでとは言えない……)」
「私は……イザヤが……すき、で……」
はっ!
何言ってるんだ私は……
思わず出た言葉に顔があつくなる。
「いや、ちがっ、そのッ、お二人のようにイザヤと信頼関係を築けたらもっと強くなれるかとッ、思っ、て……」
「ルーク……男を好きだからと恥じることはない。が、そういう話は俺では力にはなれなそうだ。クリスに相談してみてはどうだろうか?」
師匠のいつもは見せないふんわり優しい笑顔に、少し安心したのを覚えている。
「師匠とクリス様って仲良いよな。なんつーか……熟年夫婦?」
イザヤでもそう見えるのか。
でも確かに、お互い信頼してるって言うのが伝わってくる。
私もイザヤとそうありたいと願っているのに。
「イザヤは男同士の恋愛でもなんとも思わないのか?」
「クリス様はキレイだから違和感ないけど、師匠と師匠みたいなヤツが付き合ってたら気持ち悪いかも!」
「…………そ……かな。」
「俺は普通に女の子の方がいい!」
男同士の恋愛を、イザヤはそう思ってるのか。
イザヤは私の事なんか、
眼中にないんだろうな。
17
あなたにおすすめの小説
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる