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舞台を見に行ってから1ヶ月あれからまた夫は家に帰って来なくなった。
拗れるかしらと思っていたけれど彼女と夫を見張らせていた使用人からは彼女は旦那様を奥様に取られるのが悔しかったらしく
(この私が他の女に男を取られるなんてありえない!とか言ってたらしい)あの手この手で旦那様に甘え私は貴方だけ愛してる!貴方も奥様の所になんて行かないで!とまるで女優のように・・・いや、本物の女優だったわ(笑)泣いて自分の所に留めていると報告を受けた。
あらあら、良かったじゃない!旦那様!
例えそれが今だけでも!今の彼女は貴方の事だけ考えて下さってますよ。
暫くはゆっくり過ごせそうかしらね?



それから暫くして一緒に舞台を見に行った奥様からパーティーの招待状が届いた。
舞台のチケットのお礼と言うことだ。
是非旦那様と御一緒にと書いてある。
・・・また彼女さんにお手紙かしらね?


招待されたパーティーの当日に夫は帰って来た。前回と違いそれはえらくご機嫌なご様子で。
「お前がどうしてもと言うから帰って来てやったのだ!彼女も優しいからな奥様がお困りなら帰って差し上げてと見送ってくれた!少しでも彼女に感謝の気持ちがあるなら彼女の為に金を都合させてやろう!」
「・・・・・・・・・聞き間違いかしら?」
私はパーティーの為に私の着付けを頑張ってくれているメイド達に顔を向けた。
「いいえ、奥様。聞き間違いでは無いかと」
「そう・・・あなた今の言葉意味分かった?もしや違う国の言葉だった?」
「いえ、この国の言葉です。私も言葉は理解出来ましたが意味まではちょっと理解出来なったです」
「そうよねぇ」
へぇ、あれ聞き間違いじゃ無かったのか。ふーん。まぁ、どうでもいいか。
私はまた鏡に向かう。
「おい!俺を無視するな!」
扉の辺りで喚いている夫を鏡越しに睨む。
「準備中の部屋にノックも無く入って来て通常の人間には理解出来ない事をわあわあ喚いている方にお答えする事は何もありませんわ」
私がそう言うのと同時にメイド頭が夫を部屋から追い出した。
「何意味の分からない事を仰っているかは知りませんが!邪魔です」
バタン!


あれから夫も着替えさせられて準備が出来た私と共に招待して下さった方の屋敷に向かう。
「おい、私の話を聞いているのか?」
・・・まだ話続いていたの?全く聞いていなかったわ。もうすぐ着くって言うのに・・・はぁ、うるさい。
「わたくしが用意したお金よりも大好きな貴方が働いて稼いだお金の方が彼女は喜ぶんではないかしら?」
私が笑顔でそう言うと
「!そうか!そうだな!」
と単純な夫は言った。
良かったわね彼女さん!私の夫が一生懸命働いて稼いでくれるらしいですよ。
まぁ、あの男にいくら稼げるかは分からないけど(笑)




次回パーティーです。
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