契約結婚を申し込んできた夫にちっちゃく復讐しようと思う

きんのたまご

文字の大きさ
15 / 48

14

しおりを挟む
舞台を見に行ってから1ヶ月あれからまた夫は家に帰って来なくなった。
拗れるかしらと思っていたけれど彼女と夫を見張らせていた使用人からは彼女は旦那様を奥様に取られるのが悔しかったらしく
(この私が他の女に男を取られるなんてありえない!とか言ってたらしい)あの手この手で旦那様に甘え私は貴方だけ愛してる!貴方も奥様の所になんて行かないで!とまるで女優のように・・・いや、本物の女優だったわ(笑)泣いて自分の所に留めていると報告を受けた。
あらあら、良かったじゃない!旦那様!
例えそれが今だけでも!今の彼女は貴方の事だけ考えて下さってますよ。
暫くはゆっくり過ごせそうかしらね?



それから暫くして一緒に舞台を見に行った奥様からパーティーの招待状が届いた。
舞台のチケットのお礼と言うことだ。
是非旦那様と御一緒にと書いてある。
・・・また彼女さんにお手紙かしらね?


招待されたパーティーの当日に夫は帰って来た。前回と違いそれはえらくご機嫌なご様子で。
「お前がどうしてもと言うから帰って来てやったのだ!彼女も優しいからな奥様がお困りなら帰って差し上げてと見送ってくれた!少しでも彼女に感謝の気持ちがあるなら彼女の為に金を都合させてやろう!」
「・・・・・・・・・聞き間違いかしら?」
私はパーティーの為に私の着付けを頑張ってくれているメイド達に顔を向けた。
「いいえ、奥様。聞き間違いでは無いかと」
「そう・・・あなた今の言葉意味分かった?もしや違う国の言葉だった?」
「いえ、この国の言葉です。私も言葉は理解出来ましたが意味まではちょっと理解出来なったです」
「そうよねぇ」
へぇ、あれ聞き間違いじゃ無かったのか。ふーん。まぁ、どうでもいいか。
私はまた鏡に向かう。
「おい!俺を無視するな!」
扉の辺りで喚いている夫を鏡越しに睨む。
「準備中の部屋にノックも無く入って来て通常の人間には理解出来ない事をわあわあ喚いている方にお答えする事は何もありませんわ」
私がそう言うのと同時にメイド頭が夫を部屋から追い出した。
「何意味の分からない事を仰っているかは知りませんが!邪魔です」
バタン!


あれから夫も着替えさせられて準備が出来た私と共に招待して下さった方の屋敷に向かう。
「おい、私の話を聞いているのか?」
・・・まだ話続いていたの?全く聞いていなかったわ。もうすぐ着くって言うのに・・・はぁ、うるさい。
「わたくしが用意したお金よりも大好きな貴方が働いて稼いだお金の方が彼女は喜ぶんではないかしら?」
私が笑顔でそう言うと
「!そうか!そうだな!」
と単純な夫は言った。
良かったわね彼女さん!私の夫が一生懸命働いて稼いでくれるらしいですよ。
まぁ、あの男にいくら稼げるかは分からないけど(笑)




次回パーティーです。
しおりを挟む
感想 441

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

真実の愛のお相手様と仲睦まじくお過ごしください

LIN
恋愛
「私には真実に愛する人がいる。私から愛されるなんて事は期待しないでほしい」冷たい声で男は言った。 伯爵家の嫡男ジェラルドと同格の伯爵家の長女マーガレットが、互いの家の共同事業のために結ばれた婚約期間を経て、晴れて行われた結婚式の夜の出来事だった。 真実の愛が尊ばれる国で、マーガレットが周囲の人を巻き込んで起こす色んな出来事。 (他サイトで載せていたものです。今はここでしか載せていません。今まで読んでくれた方で、見つけてくれた方がいましたら…ありがとうございます…) (1月14日完結です。設定変えてなかったらすみません…)

白い結婚を告げようとした王子は、冷遇していた妻に恋をする

夏生 羽都
恋愛
ランゲル王国の王太子ヘンリックは結婚式を挙げた夜の寝室で、妻となったローゼリアに白い結婚を宣言する、 ……つもりだった。 夫婦の寝室に姿を見せたヘンリックを待っていたのは、妻と同じ髪と瞳の色を持った見知らぬ美しい女性だった。 「『愛するマリーナのために、私はキミとは白い結婚とする』でしたか? 早くおっしゃってくださいな」 そう言って椅子に座っていた美しい女性は悠然と立ち上がる。 「そ、その声はっ、ローゼリア……なのか?」 女性の声を聞いた事で、ヘンリックはやっと彼女が自分の妻となったローゼリアなのだと気付いたのだが、驚きのあまり白い結婚を宣言する事も出来ずに逃げるように自分の部屋へと戻ってしまうのだった。 ※こちらは「裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。」のIFストーリーです。 ヘンリック(王太子)が主役となります。 また、上記作品をお読みにならなくてもお楽しみ頂ける内容となっております。

婚約破棄を申し入れたのは、父です ― 王子様、あなたの企みはお見通しです!

みかぼう。
恋愛
公爵令嬢クラリッサ・エインズワースは、王太子ルーファスの婚約者。 幼い日に「共に国を守ろう」と誓い合ったはずの彼は、 いま、別の令嬢マリアンヌに微笑んでいた。 そして――年末の舞踏会の夜。 「――この婚約、我らエインズワース家の名において、破棄させていただきます!」 エインズワース公爵が力強く宣言した瞬間、 王国の均衡は揺らぎ始める。 誇りを捨てず、誠実を貫く娘。 政の闇に挑む父。 陰謀を暴かんと手を伸ばす宰相の子。 そして――再び立ち上がる若き王女。 ――沈黙は逃げではなく、力の証。 公爵令嬢の誇りが、王国の未来を変える。 ――荘厳で静謐な政略ロマンス。 (本作品は小説家になろうにも掲載中です)

【完結】恋が終わる、その隙に

七瀬菜々
恋愛
 秋。黄褐色に光るススキの花穂が畦道を彩る頃。  伯爵令嬢クロエ・ロレーヌは5年の婚約期間を経て、名門シルヴェスター公爵家に嫁いだ。  愛しい彼の、弟の妻としてーーー。  

いくつもの、最期の願い

しゃーりん
恋愛
エステルは出産後からずっと体調を崩したままベッドで過ごしていた。 夫アイザックとは政略結婚で、仲は良くも悪くもない。 そんなアイザックが屋敷で働き始めた侍女メイディアの名を口にして微笑んだ時、エステルは閃いた。 メイディアをアイザックの後妻にしよう、と。 死期の迫ったエステルの願いにアイザックたちは応えるのか、なぜエステルが生前からそれを願ったかという理由はエステルの実妹デボラに関係があるというお話です。

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

〈完結〉だってあなたは彼女が好きでしょう?

ごろごろみかん。
恋愛
「だってあなたは彼女が好きでしょう?」 その言葉に、私の婚約者は頷いて答えた。 「うん。僕は彼女を愛している。もちろん、きみのことも」

処理中です...