契約結婚を申し込んできた夫にちっちゃく復讐しようと思う

きんのたまご

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番外編

アイリスのファンの集い2

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本日はアイリス様を見守る《時に助ける》会、略してアイリスの集いの緊急招集である。結構な頻度で定期的に行われているこの集い・・・それ故に緊急招集なんて只事では無い!
私は逸る気持ちを抑え務めて冷静にお淑やかに会場へと向かう。
あっ申し遅れました!私あのパーティーでキャスリーンにワイングラスを投げつけた女です。後悔?いえ微塵もしておりませんよ、そんなこと。むしろスっとしました!
と、そんな事はさて置き、会場に着くともうほとんどの人が到着していた。
「遅くなり申し訳ありません」
私がそう言って席に着くとこの集う会の発足者である会長が1つ頷いた。
「さて、まだ来ておられない方も少しいるようですが始めさせて頂きたいと思います」
その言葉で始まった緊急招集会、ここに集まった皆は衝撃の内容を聞くことになる。

「なぁんですってぇ!あの女・・・ごほん・・・キャスリーン嬢に子供!?」
「はい、そう言って侯爵家に乗り込みました」
あまりの内容にその場にいる皆の顔が険しくなる。
・・・しかしそんなトップシークレットの内容をこの方どうやって仕入れているの?・・・怖っ。い、いいえ今はそんな事を考えている時では無いわ!私がそう首を振ると他の奥様から怒りに充ちた声が聞こえてくる。
「人の夫に手を出すばかりでは飽き足らず・・・子供まで!・・・許せない!」
声がする方を見ると・・・あれはかつてキャスリーンが出ていた劇場の支配人の奥様。
今は落ち着かれたようですけど、あのパーティーの直後は劇場関係者やファンからすごく叩かれていらしたし・・・劇場関係者からは「何故あんな女出してたんだ!」とか「なんで支配人を止めてくれなかったんだ!」と言われキャスリーンのファンからは「騙された!」「金返せ!」と責められていた。私達から見たら奥様は完全なる被害者だけど劇場関係者やファンからしたら奥様も支配人側に見えるんでしょう、あれは見ていて可哀想でした。だから恨みも人一倍だと思います。
「しかも!あの女!」
あら会長さん、もうキャスリーンの事をあの女呼ばわり・・・。
「あの女!・・・事もあろうかアイリス様に向かってっ!子供も産めない奥様に代わって産んで差し上げるなどと!ふざけた事を!アイリス様に向かって言ったのです!・・・・・・許せない・・・」
・・・分かります!分かりますよ!悔しいですよね。許せないですよね。分かる、分かるんだけど・・・!何でそんなに詳しいんですか?その場に居たの?って思う程詳しいの何でですか?
「その子供本当に侯爵様の子供ですの?」
別の声にはっとなりそちらを見るとあのパーティーを開催した奥様でした。
流石絶対に騒動が起こると分かっていてパーティーにキャスリーンを呼んだ奥様は冷静ですね。そこやっぱり気になりますよね。
「・・・そこの真意は定かではありません、ですがあんなに不特定多数の男と関係がある女ですものその子が他の人の子供だったとしても何ら不思議はありません」
「そうですよね・・・」
その場に沈黙が落ちる。流石に無責任にその子は侯爵様の子ではありませんよとは誰も言えない。
「私たちで秘密裏に処分してしまいますか?」
おおっと、来た!来てしまいました禁断の一言が!いやいや待って早まらないで!それはちょっと私達には荷が重すぎやしませんか?
「事故を装って・・・とか?」
いやいやいやいやいや、だから待って!
「お待ち下さい」
会長さんが止めてくれました!良かった!
「それはどうしようもなくなった時にとっておきましょう」
えっ?止めてない?まじで?最終手段それ?
「アイリス様は子供が生まれてからもう一度話し合いをしましょうとあの女に言っていました。アイリス様がそうお決めになったのなら私たちは見守りましょう」
うん、そう!そうしましょう!だって見守る会ですよ?私は心の中で拍手喝采を送った。

そうして衝撃の緊急招集は終了した。
すごく疲れました・・・主に心が・・・。
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