39 / 48
番外編
アイリスのファンの集い2
しおりを挟む
本日はアイリス様を見守る《時に助ける》会、略してアイリスの集いの緊急招集である。結構な頻度で定期的に行われているこの集い・・・それ故に緊急招集なんて只事では無い!
私は逸る気持ちを抑え務めて冷静にお淑やかに会場へと向かう。
あっ申し遅れました!私あのパーティーでキャスリーンにワイングラスを投げつけた女です。後悔?いえ微塵もしておりませんよ、そんなこと。むしろスっとしました!
と、そんな事はさて置き、会場に着くともうほとんどの人が到着していた。
「遅くなり申し訳ありません」
私がそう言って席に着くとこの集う会の発足者である会長が1つ頷いた。
「さて、まだ来ておられない方も少しいるようですが始めさせて頂きたいと思います」
その言葉で始まった緊急招集会、ここに集まった皆は衝撃の内容を聞くことになる。
「なぁんですってぇ!あの女・・・ごほん・・・キャスリーン嬢に子供!?」
「はい、そう言って侯爵家に乗り込みました」
あまりの内容にその場にいる皆の顔が険しくなる。
・・・しかしそんなトップシークレットの内容をこの方どうやって仕入れているの?・・・怖っ。い、いいえ今はそんな事を考えている時では無いわ!私がそう首を振ると他の奥様から怒りに充ちた声が聞こえてくる。
「人の夫に手を出すばかりでは飽き足らず・・・子供まで!・・・許せない!」
声がする方を見ると・・・あれはかつてキャスリーンが出ていた劇場の支配人の奥様。
今は落ち着かれたようですけど、あのパーティーの直後は劇場関係者やファンからすごく叩かれていらしたし・・・劇場関係者からは「何故あんな女出してたんだ!」とか「なんで支配人を止めてくれなかったんだ!」と言われキャスリーンのファンからは「騙された!」「金返せ!」と責められていた。私達から見たら奥様は完全なる被害者だけど劇場関係者やファンからしたら奥様も支配人側に見えるんでしょう、あれは見ていて可哀想でした。だから恨みも人一倍だと思います。
「しかも!あの女!」
あら会長さん、もうキャスリーンの事をあの女呼ばわり・・・。
「あの女!・・・事もあろうかアイリス様に向かってっ!子供も産めない奥様に代わって産んで差し上げるなどと!ふざけた事を!アイリス様に向かって言ったのです!・・・・・・許せない・・・」
・・・分かります!分かりますよ!悔しいですよね。許せないですよね。分かる、分かるんだけど・・・!何でそんなに詳しいんですか?その場に居たの?って思う程詳しいの何でですか?
「その子供本当に侯爵様の子供ですの?」
別の声にはっとなりそちらを見るとあのパーティーを開催した奥様でした。
流石絶対に騒動が起こると分かっていてパーティーにキャスリーンを呼んだ奥様は冷静ですね。そこやっぱり気になりますよね。
「・・・そこの真意は定かではありません、ですがあんなに不特定多数の男と関係がある女ですものその子が他の人の子供だったとしても何ら不思議はありません」
「そうですよね・・・」
その場に沈黙が落ちる。流石に無責任にその子は侯爵様の子ではありませんよとは誰も言えない。
「私たちで秘密裏に処分してしまいますか?」
おおっと、来た!来てしまいました禁断の一言が!いやいや待って早まらないで!それはちょっと私達には荷が重すぎやしませんか?
「事故を装って・・・とか?」
いやいやいやいやいや、だから待って!
「お待ち下さい」
会長さんが止めてくれました!良かった!
「それはどうしようもなくなった時にとっておきましょう」
えっ?止めてない?まじで?最終手段それ?
「アイリス様は子供が生まれてからもう一度話し合いをしましょうとあの女に言っていました。アイリス様がそうお決めになったのなら私たちは見守りましょう」
うん、そう!そうしましょう!だって見守る会ですよ?私は心の中で拍手喝采を送った。
そうして衝撃の緊急招集は終了した。
すごく疲れました・・・主に心が・・・。
私は逸る気持ちを抑え務めて冷静にお淑やかに会場へと向かう。
あっ申し遅れました!私あのパーティーでキャスリーンにワイングラスを投げつけた女です。後悔?いえ微塵もしておりませんよ、そんなこと。むしろスっとしました!
と、そんな事はさて置き、会場に着くともうほとんどの人が到着していた。
「遅くなり申し訳ありません」
私がそう言って席に着くとこの集う会の発足者である会長が1つ頷いた。
「さて、まだ来ておられない方も少しいるようですが始めさせて頂きたいと思います」
その言葉で始まった緊急招集会、ここに集まった皆は衝撃の内容を聞くことになる。
「なぁんですってぇ!あの女・・・ごほん・・・キャスリーン嬢に子供!?」
「はい、そう言って侯爵家に乗り込みました」
あまりの内容にその場にいる皆の顔が険しくなる。
・・・しかしそんなトップシークレットの内容をこの方どうやって仕入れているの?・・・怖っ。い、いいえ今はそんな事を考えている時では無いわ!私がそう首を振ると他の奥様から怒りに充ちた声が聞こえてくる。
「人の夫に手を出すばかりでは飽き足らず・・・子供まで!・・・許せない!」
声がする方を見ると・・・あれはかつてキャスリーンが出ていた劇場の支配人の奥様。
今は落ち着かれたようですけど、あのパーティーの直後は劇場関係者やファンからすごく叩かれていらしたし・・・劇場関係者からは「何故あんな女出してたんだ!」とか「なんで支配人を止めてくれなかったんだ!」と言われキャスリーンのファンからは「騙された!」「金返せ!」と責められていた。私達から見たら奥様は完全なる被害者だけど劇場関係者やファンからしたら奥様も支配人側に見えるんでしょう、あれは見ていて可哀想でした。だから恨みも人一倍だと思います。
「しかも!あの女!」
あら会長さん、もうキャスリーンの事をあの女呼ばわり・・・。
「あの女!・・・事もあろうかアイリス様に向かってっ!子供も産めない奥様に代わって産んで差し上げるなどと!ふざけた事を!アイリス様に向かって言ったのです!・・・・・・許せない・・・」
・・・分かります!分かりますよ!悔しいですよね。許せないですよね。分かる、分かるんだけど・・・!何でそんなに詳しいんですか?その場に居たの?って思う程詳しいの何でですか?
「その子供本当に侯爵様の子供ですの?」
別の声にはっとなりそちらを見るとあのパーティーを開催した奥様でした。
流石絶対に騒動が起こると分かっていてパーティーにキャスリーンを呼んだ奥様は冷静ですね。そこやっぱり気になりますよね。
「・・・そこの真意は定かではありません、ですがあんなに不特定多数の男と関係がある女ですものその子が他の人の子供だったとしても何ら不思議はありません」
「そうですよね・・・」
その場に沈黙が落ちる。流石に無責任にその子は侯爵様の子ではありませんよとは誰も言えない。
「私たちで秘密裏に処分してしまいますか?」
おおっと、来た!来てしまいました禁断の一言が!いやいや待って早まらないで!それはちょっと私達には荷が重すぎやしませんか?
「事故を装って・・・とか?」
いやいやいやいやいや、だから待って!
「お待ち下さい」
会長さんが止めてくれました!良かった!
「それはどうしようもなくなった時にとっておきましょう」
えっ?止めてない?まじで?最終手段それ?
「アイリス様は子供が生まれてからもう一度話し合いをしましょうとあの女に言っていました。アイリス様がそうお決めになったのなら私たちは見守りましょう」
うん、そう!そうしましょう!だって見守る会ですよ?私は心の中で拍手喝采を送った。
そうして衝撃の緊急招集は終了した。
すごく疲れました・・・主に心が・・・。
40
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
真実の愛のお相手様と仲睦まじくお過ごしください
LIN
恋愛
「私には真実に愛する人がいる。私から愛されるなんて事は期待しないでほしい」冷たい声で男は言った。
伯爵家の嫡男ジェラルドと同格の伯爵家の長女マーガレットが、互いの家の共同事業のために結ばれた婚約期間を経て、晴れて行われた結婚式の夜の出来事だった。
真実の愛が尊ばれる国で、マーガレットが周囲の人を巻き込んで起こす色んな出来事。
(他サイトで載せていたものです。今はここでしか載せていません。今まで読んでくれた方で、見つけてくれた方がいましたら…ありがとうございます…)
(1月14日完結です。設定変えてなかったらすみません…)
白い結婚を告げようとした王子は、冷遇していた妻に恋をする
夏生 羽都
恋愛
ランゲル王国の王太子ヘンリックは結婚式を挙げた夜の寝室で、妻となったローゼリアに白い結婚を宣言する、
……つもりだった。
夫婦の寝室に姿を見せたヘンリックを待っていたのは、妻と同じ髪と瞳の色を持った見知らぬ美しい女性だった。
「『愛するマリーナのために、私はキミとは白い結婚とする』でしたか? 早くおっしゃってくださいな」
そう言って椅子に座っていた美しい女性は悠然と立ち上がる。
「そ、その声はっ、ローゼリア……なのか?」
女性の声を聞いた事で、ヘンリックはやっと彼女が自分の妻となったローゼリアなのだと気付いたのだが、驚きのあまり白い結婚を宣言する事も出来ずに逃げるように自分の部屋へと戻ってしまうのだった。
※こちらは「裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。」のIFストーリーです。
ヘンリック(王太子)が主役となります。
また、上記作品をお読みにならなくてもお楽しみ頂ける内容となっております。
婚約破棄を申し入れたのは、父です ― 王子様、あなたの企みはお見通しです!
みかぼう。
恋愛
公爵令嬢クラリッサ・エインズワースは、王太子ルーファスの婚約者。
幼い日に「共に国を守ろう」と誓い合ったはずの彼は、
いま、別の令嬢マリアンヌに微笑んでいた。
そして――年末の舞踏会の夜。
「――この婚約、我らエインズワース家の名において、破棄させていただきます!」
エインズワース公爵が力強く宣言した瞬間、
王国の均衡は揺らぎ始める。
誇りを捨てず、誠実を貫く娘。
政の闇に挑む父。
陰謀を暴かんと手を伸ばす宰相の子。
そして――再び立ち上がる若き王女。
――沈黙は逃げではなく、力の証。
公爵令嬢の誇りが、王国の未来を変える。
――荘厳で静謐な政略ロマンス。
(本作品は小説家になろうにも掲載中です)
【完結】恋が終わる、その隙に
七瀬菜々
恋愛
秋。黄褐色に光るススキの花穂が畦道を彩る頃。
伯爵令嬢クロエ・ロレーヌは5年の婚約期間を経て、名門シルヴェスター公爵家に嫁いだ。
愛しい彼の、弟の妻としてーーー。
いくつもの、最期の願い
しゃーりん
恋愛
エステルは出産後からずっと体調を崩したままベッドで過ごしていた。
夫アイザックとは政略結婚で、仲は良くも悪くもない。
そんなアイザックが屋敷で働き始めた侍女メイディアの名を口にして微笑んだ時、エステルは閃いた。
メイディアをアイザックの後妻にしよう、と。
死期の迫ったエステルの願いにアイザックたちは応えるのか、なぜエステルが生前からそれを願ったかという理由はエステルの実妹デボラに関係があるというお話です。
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
〈完結〉だってあなたは彼女が好きでしょう?
ごろごろみかん。
恋愛
「だってあなたは彼女が好きでしょう?」
その言葉に、私の婚約者は頷いて答えた。
「うん。僕は彼女を愛している。もちろん、きみのことも」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる