最弱ステータスのこの俺が、こんなに強いわけがない。

さこゼロ

文字の大きさ
7 / 114
第一章 プレミアム召喚札

しおりを挟む
「さて、お次はどなたが行きますか?」

ミサが残りのメンバーをクルリと見回す。

神木公平は少し思案したあと、チラリと佐敷瞳子へと視線を向けた。しかし佐敷瞳子は、先程掴んだ袖口を離さないまま、やや俯き加減で動かない。

その様子を伺っていた詰襟少年は、前を向いてタンと一歩進み出た。

「なら、俺が」

「はい、どうぞ」

ミサが進路を譲るように半歩退いて、詰襟少年を誘導する。

詰襟少年は水晶玉の前に立つと、一度クイッと眼鏡を中指で持ち上げた。

「不思議と、雰囲気あるな」

白石和真がゴクリと喉を鳴らす。

「だねー、なんか期待しちゃう」

鳴神ひかりも同じように、詰襟少年の背中に熱い視線を注いだ。

そうして詰襟少年が水晶玉に触れた瞬間、黒板から眩い光が溢れ出た。

後ろで見守っていた全員が、思わず目を閉じる。

サキモリユート
タイリョク:1200(800)
マリョク :600(400)
チカラ  :900(600)
スバヤサ :600(400)
ユニークスキル:ユウシャ
パーティスキル:ヒカリノカゴ

「ゆ、勇者…キタ」

白石和真が、ただ呆然と呟いた。

   ~~~

「何なのだ、この数値は…」

ユミルが咲森勇人さきもりゆうとのステータスに只々絶句する。

「ふむ…」

咲森勇人は右手を黒板に伸ばすと、人差し指でスキル名称をポンとタップした。

『ユウシャ(ステータス50%増)』

「なるほど、それでこの表示か」

ひとり冷静に、自分のステータスを確認していく。

「なら、コレは…」

『ヒカリノカゴ(闇特効ステータス3倍)』

「おいおい何だよ、そのパーティースキルって?」

自分に無かったその能力に、白石和真は驚きを隠しきれない。

「ふむ…」

咲森勇人は両腕を組むと、チラリとユミルの方を確認した。

「わ…分かりません。見たことも聞いたこともありません……そもそもあなたの能力自体が、規格外すぎます。これが、召喚者の力…」

ユミルは半分泣きそうな瞳で、ジッと咲森勇人を見つめていた。

「あ、ちょっと待ってください。確か次元の女神から預かった『トリセツ』なる物がここに…」

ミサが慌ててポケットをまさぐる。

「取説だってー、ウケるー」

鳴神ひかりが口元に手を当て「キャハハ」と声をたてて笑った。

「あ、ありました……どうやら召喚者どうしなら、お互い合意の上でひとつのパーティーを組めるようです。その際、経験値や魔法効果など有利に働くメリットがあって、このスキルもその恩恵のひとつのようです」

「だ、そうだ」

咲森勇人が軽く微笑みながら、白石和真の方に顔を向けた。

「クッソー、これが勇者の力か…羨ましすぎるぜ」

「なんでー? どうせ皆んなでパーティー組むんだから、ユーたん居てくれたら怖い物なしだよー」

鳴神ひかりが「キャハ」と笑う。

「まー確かに、パーティーが前提ならバランス良さげだけどよー…」

(ひかりちゃんの事は、オレが自分で護りたいんだよ…)

白石和真がボソリと呟いた。

「えーカズっぺ、何か言ったー?」

「な…何でもねーよっ!」

そう言って白石和真は、真っ赤に上気した顔をサッと伏せた。
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

冷遇された聖女の結末

菜花
恋愛
異世界を救う聖女だと冷遇された毛利ラナ。けれど魔力慣らしの旅に出た途端に豹変する同行者達。彼らは同行者の一人のセレスティアを称えラナを貶める。知り合いもいない世界で心がすり減っていくラナ。彼女の迎える結末は――。 本編にプラスしていくつかのifルートがある長編。 カクヨムにも同じ作品を投稿しています。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活

シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

処理中です...