最弱ステータスのこの俺が、こんなに強いわけがない。

さこゼロ

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第三章 南の森

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「実を言うとね、トーコ。このアオツメソウがアンタたちに出すお題のつもりだったんだよ」

「お題…?」

「そうさ」

佐敷瞳子の不思議そうな顔を見て、メイが頬をポリポリと掻きながら苦笑いを浮かべた。

「二人で協力して、この群生地の中からアオツメソウを探し出してもらう予定だったのさ」

「うへー」

その作業を想像して、神木公平の口から思わず疲れた声が漏れる。

「勿論見つかるとは限らないし、無くても仕方がないとは思っていたのだけど…それが何だい、アンタって子はー」

メイは佐敷瞳子の前に立つと、見上げるように下から睨みつけた。

「あ、あの…」

その凄まじい気迫に、佐敷瞳子はオロオロと慌てふためく。

「最高じゃないかいっ!」

次の瞬間、メイがギュッと抱き付いてきた。

(え、ええーーっっ!)

佐敷瞳子は驚いて天を仰ぐと、声にならない叫び声をあげた。

   ~~~

「本当はアンタたちが探している間に、私ひとりで森の奥に入ろうと思ってたんだけどさ」

メイはちょっと困った顔で森の奥へと顔を向ける。

「こうなったからには、一緒に入るか…」

メイは表情を引き締めると、二人の方にゆっくりと視線を戻した。

「準備しな」

そのひと言に、神木公平はゴクリと息を飲む。それは紛れもなく「戦闘準備」を意味していた。

「こ、公平くん、あの…」

「瞳子、良かったら俺と『パーティ』を組んでくれないか?」

佐敷瞳子は思わず目を見開いた。それは正に、自分が今言おうと思っていた事だからだ。

「ホントに、良いの…?」

「瞳子はこんな俺について来てくれたんだ。俺だって根性見せなきゃなっ!」

神木公平は満面の笑みを浮かべると、サッと右手を差し出した。

「瞳子、俺とパーティを組んでくれ」

「う、うん」

佐敷瞳子も大きく頷いてその手を握る。

その瞬間、二人の身体が淡い光に包まれた。特に変化は見られないが、多分これで良いのだろう。

それから神木公平は、メイから貰ったベルト式のホルスターに収めている、一対の籠手ガントレットに視線を落とした。そしてそのままポケットに手を突っ込むように、両手を差し込み素早く籠手を装着する。

まるで注文品オーダーメイドであるかのように、自分の手にしっかり馴染む。何だか少し血が騒いだ。

佐敷瞳子はポケットに仕舞っていたイヤリングの羽飾りを、パチリと右耳に装着した。自分的には特に何の実感もない。しかし目の前にいた神木公平が驚いた表情を見せた。

「スゲーな、ホントに姿が分からなくなった」

「そ、そう?」

何だかちょっとこそばゆい。不思議な気分だ。

「これは、はぐれないように何か対策を考えないといけないようだね」

メイが思案顔で、両腕を組んで顔を伏せる。

「あ…ヘッドホン」
「ヘッドホンだっ!」

佐敷瞳子と神木公平が同時に声を張り上げた。
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