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第三章 南の森
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メイはバンデルから再提示された金額を無言で見つめると、リュックから今度は麻袋を取り出した。
「これも付けるから、ポンと景気良くキリのいい所まで上乗せしてくれよ」
バンデルは若干の警戒心を抱きながら、置かれた麻袋を覗き込む。中には鉄牙や毛針が入っていた。
「キリ、というと……これで?」
端末を叩いてバンデルが金額を提示する。するとメイが、すううっと息を吸い込み始めた。
「わ、分かりました、分かりましたっ」
改めて提示された金額に、メイはやっと頷いた。
「よし売った。さすが漢気の塊はひと味違うな」
画面の金額を確認しながら、メイが自分の市民証を端末下部にあるカード差込み口に差し込む。すると端末からピコンと音が鳴り、嬉しそうに市民証を抜き取った。
「は、はは…ご満足いただけて何よりです」
力ない笑顔を残して、バンデルがトボトボと去っていく。
何だか少し不憫に思い、神木公平はその背中を申し訳なさそうに見送った。
しかし突然その彼が、何かを見つけたように勢いよく駆け出す。その行き先には、ちょうど裏門から帰ってきた、別の馬車の姿が見えた。
……思ったより元気だな。
神木公平は商魂逞しいその姿に、思わず苦笑いを浮かべた。
~~~
「はいよ、今日の報酬だ」
メイが財布から1万リルグ紙幣(1リルグ1円、物価は日本並み)を2枚取り出すと、神木公平と佐敷瞳子に差し出した。
「えっ…これ現金? じゃあ、さっきのは?」
神木公平はメイからお金を受け取ると、マジマジと見つめながら驚いた声をあげる。
「あー、さっきのは仮想通貨だ」
メイは市民証を取り出すと、二人に見えるように差し出した。マイナンバーカードのように、顔写真も併せて表示されている。
「こういう屋外だと、その方が便利がいいからな」
「確かに…」
最近日本でも、キャッシュレス化が騒がれている。詳しくは分からないが、コレも似たような制度なのだろう。
「あ…あのっ」
そのとき佐敷瞳子が頭を下げながら、勢いよくお金をメイに差し出した。
「このお金で…公平くんの籠手に、魔核を取り付けて…ください」
佐敷瞳子がギュッと目を閉じて懇願する。
「アンタ、出来た嫁だねー」
その姿を見て、メイが感心したような声を出した。
「…は?」
「…へ⁉︎」
予想外の返答に、二人揃っておかしな声が口から飛び出す。
「私のハンマーを見てから、ずっとそれを考えてたんだろ?」
「う…うん」
メイに真っ直ぐに見つめられ、佐敷瞳子は耳まで真っ赤に染めながらゆっくりと顔を伏せた。
「瞳子、お前…」
神木公平は言葉に詰まって彼女の横顔を見つめる。
「ただなー、感応金属の精製技術は、現代には受け継がれてないんだよ」
そう言ってメイは、頭の後ろをポリポリと掻いた。
「これも付けるから、ポンと景気良くキリのいい所まで上乗せしてくれよ」
バンデルは若干の警戒心を抱きながら、置かれた麻袋を覗き込む。中には鉄牙や毛針が入っていた。
「キリ、というと……これで?」
端末を叩いてバンデルが金額を提示する。するとメイが、すううっと息を吸い込み始めた。
「わ、分かりました、分かりましたっ」
改めて提示された金額に、メイはやっと頷いた。
「よし売った。さすが漢気の塊はひと味違うな」
画面の金額を確認しながら、メイが自分の市民証を端末下部にあるカード差込み口に差し込む。すると端末からピコンと音が鳴り、嬉しそうに市民証を抜き取った。
「は、はは…ご満足いただけて何よりです」
力ない笑顔を残して、バンデルがトボトボと去っていく。
何だか少し不憫に思い、神木公平はその背中を申し訳なさそうに見送った。
しかし突然その彼が、何かを見つけたように勢いよく駆け出す。その行き先には、ちょうど裏門から帰ってきた、別の馬車の姿が見えた。
……思ったより元気だな。
神木公平は商魂逞しいその姿に、思わず苦笑いを浮かべた。
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「はいよ、今日の報酬だ」
メイが財布から1万リルグ紙幣(1リルグ1円、物価は日本並み)を2枚取り出すと、神木公平と佐敷瞳子に差し出した。
「えっ…これ現金? じゃあ、さっきのは?」
神木公平はメイからお金を受け取ると、マジマジと見つめながら驚いた声をあげる。
「あー、さっきのは仮想通貨だ」
メイは市民証を取り出すと、二人に見えるように差し出した。マイナンバーカードのように、顔写真も併せて表示されている。
「こういう屋外だと、その方が便利がいいからな」
「確かに…」
最近日本でも、キャッシュレス化が騒がれている。詳しくは分からないが、コレも似たような制度なのだろう。
「あ…あのっ」
そのとき佐敷瞳子が頭を下げながら、勢いよくお金をメイに差し出した。
「このお金で…公平くんの籠手に、魔核を取り付けて…ください」
佐敷瞳子がギュッと目を閉じて懇願する。
「アンタ、出来た嫁だねー」
その姿を見て、メイが感心したような声を出した。
「…は?」
「…へ⁉︎」
予想外の返答に、二人揃っておかしな声が口から飛び出す。
「私のハンマーを見てから、ずっとそれを考えてたんだろ?」
「う…うん」
メイに真っ直ぐに見つめられ、佐敷瞳子は耳まで真っ赤に染めながらゆっくりと顔を伏せた。
「瞳子、お前…」
神木公平は言葉に詰まって彼女の横顔を見つめる。
「ただなー、感応金属の精製技術は、現代には受け継がれてないんだよ」
そう言ってメイは、頭の後ろをポリポリと掻いた。
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