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第五章 薬師リーラ
36 番外編 2
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3人の鑑定士たちが、手分けをしながら全ての道具を検分していく。
しかし太陽剣以外、鑑定不能…いわゆる「神器」と呼ばれる物は見つからなかった。
とはいえ、何も成果が無かったと言う訳でもない。
なんと、かの英雄「バルキエラ」が使用していた、長さ1メートル程の魔法杖が保管されていたのだ。
バルキエラは魔法国家「ネルーネ」を代表する、高明な雷撃魔法士である。
そしてネルーネとは、魔法道具の開発や地脈魔法の理論を構築した、その名の通り魔法技術の発達した国であった。
しかし40年ほど前、3本目となる闇の楔を撃ち込まれ、魔境から魔物が溢れ出す。
その時バルキエラは、生き残った国民を隣国アーバインへ逃がすため、僅かな手勢を引き連れて、自らしんがりを買って出た。
敵は「不死の王」率いる大軍勢、勝てる見込みは全くなかった。
その後、国民の避難は成功したが…これ以降、バルキエラの消息を知る者は誰もいない。
「不死の王は神属性である闇の代表格…恐らく身命を賭して相討ちに持ち込んだのでしょう」
3人の中で一番ベテランの鑑定士が、その魔法杖を大事そうに両手で抱える。
「杖には『浄化』の称号が付与され、彼の名前がそのまま銘打ちとして昇華されています」
そうしてベテラン鑑定士は、ゆっくりと鳴神ひかりの前に立った。
一瞬意味の分からなかった鳴神ひかりは、その魔法杖とベテラン鑑定士の顔を交互に見る。それから何かに気付いたように、ハッと驚いた顔を見せた。
「え…、ウチ?」
「はい」
ベテラン鑑定士が真っ直ぐな瞳で頷く。
「でもだって、そんな大層な杖、ウチなんかじゃ申し訳ないって言うかー…」
「ヒカリさま以外に誰がいますかっ!」
「そーだぜ、ひかりちゃん。ひかりちゃん以外の適役なんて他にいないよ!」
ユミルと白石和真に勢いよく詰め寄られ、困った鳴神ひかりは、助けを求めるように咲森勇人の方に顔を向けた。
その視線に気付いた咲森勇人は、優しい笑みを浮かべながら一度だけ小さく頷く。するとそれを見た鳴神ひかりは、その表情に明るい笑顔を咲かせた。
「分かったー、ウチ、頑張ってみるー」
~~~
「何だか上手くいかねーなー」
白石和真は、やや不満げにボソリと呟いた。
咲森勇人は派手な魅せ場で、この場の全てを掻っ攫ってしまうし、鳴神ひかりも自分に相応しい武器を手に入れた。
しかし残念ながら、残り物の中に、彼の眼鏡に叶う武器は見当たらなかった。
どれも弱い武器と云う訳ではない。
ただ前述の二人に比べて、どうしてもインパクトに欠けてしまうのだ。
そこで彼は、考え方を改めた。
「ひかりちゃんを護る」と云うこの決意を、文字通りの意味にしてしまおうと。
そうして白石和真が選んだのは…
「ひかりちゃんの事は、必ずオレが護るからね」
「うん、カズっぺ、期待してるー」
角に丸みのある逆二等辺三角形の形をした、物理・魔法ともに高い耐性を誇る「聖銀」製の大盾であった。
しかし太陽剣以外、鑑定不能…いわゆる「神器」と呼ばれる物は見つからなかった。
とはいえ、何も成果が無かったと言う訳でもない。
なんと、かの英雄「バルキエラ」が使用していた、長さ1メートル程の魔法杖が保管されていたのだ。
バルキエラは魔法国家「ネルーネ」を代表する、高明な雷撃魔法士である。
そしてネルーネとは、魔法道具の開発や地脈魔法の理論を構築した、その名の通り魔法技術の発達した国であった。
しかし40年ほど前、3本目となる闇の楔を撃ち込まれ、魔境から魔物が溢れ出す。
その時バルキエラは、生き残った国民を隣国アーバインへ逃がすため、僅かな手勢を引き連れて、自らしんがりを買って出た。
敵は「不死の王」率いる大軍勢、勝てる見込みは全くなかった。
その後、国民の避難は成功したが…これ以降、バルキエラの消息を知る者は誰もいない。
「不死の王は神属性である闇の代表格…恐らく身命を賭して相討ちに持ち込んだのでしょう」
3人の中で一番ベテランの鑑定士が、その魔法杖を大事そうに両手で抱える。
「杖には『浄化』の称号が付与され、彼の名前がそのまま銘打ちとして昇華されています」
そうしてベテラン鑑定士は、ゆっくりと鳴神ひかりの前に立った。
一瞬意味の分からなかった鳴神ひかりは、その魔法杖とベテラン鑑定士の顔を交互に見る。それから何かに気付いたように、ハッと驚いた顔を見せた。
「え…、ウチ?」
「はい」
ベテラン鑑定士が真っ直ぐな瞳で頷く。
「でもだって、そんな大層な杖、ウチなんかじゃ申し訳ないって言うかー…」
「ヒカリさま以外に誰がいますかっ!」
「そーだぜ、ひかりちゃん。ひかりちゃん以外の適役なんて他にいないよ!」
ユミルと白石和真に勢いよく詰め寄られ、困った鳴神ひかりは、助けを求めるように咲森勇人の方に顔を向けた。
その視線に気付いた咲森勇人は、優しい笑みを浮かべながら一度だけ小さく頷く。するとそれを見た鳴神ひかりは、その表情に明るい笑顔を咲かせた。
「分かったー、ウチ、頑張ってみるー」
~~~
「何だか上手くいかねーなー」
白石和真は、やや不満げにボソリと呟いた。
咲森勇人は派手な魅せ場で、この場の全てを掻っ攫ってしまうし、鳴神ひかりも自分に相応しい武器を手に入れた。
しかし残念ながら、残り物の中に、彼の眼鏡に叶う武器は見当たらなかった。
どれも弱い武器と云う訳ではない。
ただ前述の二人に比べて、どうしてもインパクトに欠けてしまうのだ。
そこで彼は、考え方を改めた。
「ひかりちゃんを護る」と云うこの決意を、文字通りの意味にしてしまおうと。
そうして白石和真が選んだのは…
「ひかりちゃんの事は、必ずオレが護るからね」
「うん、カズっぺ、期待してるー」
角に丸みのある逆二等辺三角形の形をした、物理・魔法ともに高い耐性を誇る「聖銀」製の大盾であった。
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