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第六章 ワイバーンの寝床
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「ワイバーンの寝床っ⁉︎」
隣の農村「ジェイエ」に着いた神木公平たちは、村の食堂で昼食を摂っていた。
そこでリーラから告げられた目的地に、神木公平は思わず口の中の食べ物を吹き出しそうになる。
「そんなに心配せずとも、複数ある寝床の中のひとつに過ぎないネ。滅多に姿なんか見せないアル」
「そ…そうなんですか?」
「まーそうは言っても不意の遭遇を恐れて、基本的には誰も近寄らないネ。だからこそ、可能性が高いアル」
リーラは半ば確信めいた瞳で、右手を胸の前でキュッと握りしめた。
「ずっと目星を付けてたアルが、探索に時間をかけるリスクはさすがに負えないアル。だけどメイの言うトーコの能力が本物なら…」
リーラの探るような視線に、佐敷瞳子は困ったような表情を浮かべる。
「サッと見つけて、サッと帰れるアル」
「あーでも、有るとは限らないんじゃー…」
そんな神木公平の弱気な発言に、リーラは仕方がなさそうに小さな溜め息を吐いた。
「無いなら無いで一歩前進アル。その情報だけでも半額にはしてやるネ」
~~~
「ここから先は街道から逸れる分、魔獣との遭遇率がグンと上がるネ。心するアル」
馬車に乗る前にリーラに告げられ、神木公平はゴクリと息を飲んだ。それから厚意で持たせてもらっている魔法道具を確認する。
籠手用ホルスターの腰背部に短刀を収めるポケットが付いていたので、現在はそこに「風の刃」を横向きに収納している。ちょうど右手の後ろに柄の部分が覗いている形だ。
佐敷瞳子も、メイからガンマン風のベルト式ホルスターを受け取っており、右手の側に「水の泡」を収めていた。
「別に荒事には期待してないから、私とオモクロに任せておけば良いアル」
どうやら本気で言われていることに気付き、神木公平は少しムッとした表情になる。
「さすがの俺も、オモクロよりは役に立つと思いますよ?」
「…オモクロを甘く見ると、後でタップリ後悔する事になるネ」
リーラの見せたその笑顔に、神木公平の背中を何故だか冷たい汗が流れていく。
しかし当の黒猫は御者台で丸くなったまま、まるで他人事のように呑気な欠伸を見せていた。
~~~
馬車が山地に近付くにつれて、周りの風景に木々の姿が現れ始めた。
目的の沼地は、山の麓にあるらしい。
人通りなど全くなく、当然街道など整備されている筈もない。剥き出しの荒れ地が続いている。
つまりはリーラの言う通り、この一帯は人の領域ではない事を意味していた。
やがて佐敷瞳子の視界の下隅に、ピコンと黄色いタグが跳ねる。
同時にオモクロの耳がピクリと動いて、ムクっと顔を持ち上げた。
「リーラさん、地面の下に…何か、います。弾丸…穴鼠?」
佐敷瞳子が馬車から身を乗り出しながら、少し大きめの声を出す。
「種類まで分かるとは、恐れ入るネ」
リーラは馬車を停めると、御者台から軽やかに飛び降りた。それからチラリと、荷台の上に残る二人に視線を送る。
「それだけ分かれば充分ネ。後は私に任せるアル」
隣の農村「ジェイエ」に着いた神木公平たちは、村の食堂で昼食を摂っていた。
そこでリーラから告げられた目的地に、神木公平は思わず口の中の食べ物を吹き出しそうになる。
「そんなに心配せずとも、複数ある寝床の中のひとつに過ぎないネ。滅多に姿なんか見せないアル」
「そ…そうなんですか?」
「まーそうは言っても不意の遭遇を恐れて、基本的には誰も近寄らないネ。だからこそ、可能性が高いアル」
リーラは半ば確信めいた瞳で、右手を胸の前でキュッと握りしめた。
「ずっと目星を付けてたアルが、探索に時間をかけるリスクはさすがに負えないアル。だけどメイの言うトーコの能力が本物なら…」
リーラの探るような視線に、佐敷瞳子は困ったような表情を浮かべる。
「サッと見つけて、サッと帰れるアル」
「あーでも、有るとは限らないんじゃー…」
そんな神木公平の弱気な発言に、リーラは仕方がなさそうに小さな溜め息を吐いた。
「無いなら無いで一歩前進アル。その情報だけでも半額にはしてやるネ」
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「ここから先は街道から逸れる分、魔獣との遭遇率がグンと上がるネ。心するアル」
馬車に乗る前にリーラに告げられ、神木公平はゴクリと息を飲んだ。それから厚意で持たせてもらっている魔法道具を確認する。
籠手用ホルスターの腰背部に短刀を収めるポケットが付いていたので、現在はそこに「風の刃」を横向きに収納している。ちょうど右手の後ろに柄の部分が覗いている形だ。
佐敷瞳子も、メイからガンマン風のベルト式ホルスターを受け取っており、右手の側に「水の泡」を収めていた。
「別に荒事には期待してないから、私とオモクロに任せておけば良いアル」
どうやら本気で言われていることに気付き、神木公平は少しムッとした表情になる。
「さすがの俺も、オモクロよりは役に立つと思いますよ?」
「…オモクロを甘く見ると、後でタップリ後悔する事になるネ」
リーラの見せたその笑顔に、神木公平の背中を何故だか冷たい汗が流れていく。
しかし当の黒猫は御者台で丸くなったまま、まるで他人事のように呑気な欠伸を見せていた。
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馬車が山地に近付くにつれて、周りの風景に木々の姿が現れ始めた。
目的の沼地は、山の麓にあるらしい。
人通りなど全くなく、当然街道など整備されている筈もない。剥き出しの荒れ地が続いている。
つまりはリーラの言う通り、この一帯は人の領域ではない事を意味していた。
やがて佐敷瞳子の視界の下隅に、ピコンと黄色いタグが跳ねる。
同時にオモクロの耳がピクリと動いて、ムクっと顔を持ち上げた。
「リーラさん、地面の下に…何か、います。弾丸…穴鼠?」
佐敷瞳子が馬車から身を乗り出しながら、少し大きめの声を出す。
「種類まで分かるとは、恐れ入るネ」
リーラは馬車を停めると、御者台から軽やかに飛び降りた。それからチラリと、荷台の上に残る二人に視線を送る。
「それだけ分かれば充分ネ。後は私に任せるアル」
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