最弱ステータスのこの俺が、こんなに強いわけがない。

さこゼロ

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第六章 ワイバーンの寝床

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ガクンレッキ教団とは、人々の生活に深く浸透している宗教団体である。

その支部は、ほぼ全ての街や村に置かれており、信者の分布は大陸全土に及ぶ。

また信者以外にも広く門戸を開放しており、誰でも教会を利用する事が出来る。

そして人々の生活に重要な意味を持つスキルやステータスを確認出来る装置が、全ての教会に設置されていた。

そうしてステータスなどの人生相談を受けながら地域に密着し、その信者数を増やしているのだ。

ちなみにスキルだが、肉体の成長により多少の個人差はあれど、およそ15歳前後で発現するのが一般的である。

大抵の場合はその頃が親に連れられての教会デビューとなり、頻度に差はあれど、人々にとって長い付き合いとなっていく。

ここ王都アインベルには4ヶ所の教会が存在し、中央教会の他に、満遍なく3ヶ所に配置されている。

その中で、メイの店から一番近い南教会に、メイを含めた神木公平たち4人が姿を現した。

「ここでステータスが確認出来るんですか?」

神木公平が、目前の建物を見上げながら呟く。

白を基調とした三角屋根の建物に、鐘つき塔が立っている。十字架こそ無かったが、彼の持つ教会のイメージにかなり近い。

しかし少年のその感想に、リーラが怪訝な視線を向けた。

「そうアルが…何でそんな事聞くネ? 今までどうやってステータスを確認してたアルか?」

「あーえっと、今まではミサさんのトコで」

「ミサさん?」

神木公平の不可思議な返答に、リーラは怪訝な態度を更に強める。

「あー…コイツら一応、騎士団関係者でさ。今まではソッチで確認してたんじゃねーかなー?」

そのとき後方から、メイの呑気な声がリーラの耳に飛び込んできた。

「だとしても、教会を知らないなんて事…」

それでも納得出来ずに、リーラは厳しい表情で振り返る。すると頭の後ろで両指を組んで「ニッ」と笑うメイの視線とぶつかった。

「有るアルか…」

半ば諦めたように溜め息を吐く。

「ま、そーいう事だ」

そう言ってメイは、リーラの腰のあたりをポンと叩いた。

   ~~~

そこは4人も入れば手狭になるような、小さな部屋だった。その向かいの壁に、黒板のような見慣れた装置が掛けられている。

どうやらステータスと云うのは個人情報のような扱いで、他人の前で公開する物ではないらしい。

それでも確認させて欲しいとリーラに頼まれ、神木公平は特に気にする事もなく了承した。

「もしかしたら光るかもしれないので、気を付けてください」

部屋の狭さに少し驚き、神木公平はメイとリーラに注意を促した。

「何を言ってるアル。ボードが光るなんて聞いた事も…」

しかし神木公平に一番近しい佐敷瞳子が、やや俯き加減に顔を伏せている様子を見て、リーラの言葉が思わず途切れる。

「いくら何でも冗談が過ぎるネ」

「だから、訳ありだって言ったろ?」

メイは意味深に笑うと、どこから取り出したのかサングラスをスチャっと掛ける。

「…知ってたアルか?」

「いんや、話に聞いてただけ」

その飄々とした態度に腹立たしく感じるも、リーラは諦めたように小さな溜め息を吐いた。

「それじゃ、いきます」

神木公平は3人に向けて宣言すると、右下の水晶玉にソッと触れた。
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