最弱ステータスのこの俺が、こんなに強いわけがない。

さこゼロ

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第八章 決闘!

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翌朝、

神木公平、佐敷瞳子、メイの三人が巡回バスを乗り継ぎ主要門付近にある傭兵組合の本部に着くと、ザイードとチェルシーが表に立って待っていた。

そしてL字型した三階建ての本部内に入ると、そのまま裏口まで突っ切って、学校のグラウンドのような場所に出る。

グラウンドは腰の高さ程の塀で正方形に囲われ、その四隅には本部の高さを超える支柱が立っていた。

周囲には既にたくさんの人々が集まっており、所々に小さな屋台まで出ている。まるでお祭り騒ぎだ。

「えーっと…?」

囲いの中から周囲を見回し、神木公平が若干の困惑した表情を見せる。佐敷瞳子も終始俯いたまま、神木公平の背中から離れようとしない。

「今回の場合は少々特殊な事情であるが、本来決闘とは、騎士や傭兵が己れの信念をぶつけ合う神聖な儀式ですぞ」

ザイードは「ガハハ」と大笑いしながら、神木公平の肩をバンバンと叩いた。

「故に、古来より多くの立会人を設け、己れの是非をその勝負に問うてきた。今や決闘とは騎士や傭兵の花形となり、人々にとっては、ちょっとしたお祭り騒ぎになっておる」

「は、はあ…」

ボクシングや相撲のような感じだろうか…周囲の人間にとっては娯楽と化しているのかもしれない。

そのとき大きな歓声とともに、反対側のゲートからハルベルト、ハイス、ロートの三人が姿を現した。

するとチェルシーが、愛用の木弓を胸元で握りしめながら、弱々しい声を漏らす。

「あのー…本当に私が、最後を決めるですか?」

「まあ可能な限り、その方が良かろう」

ザイードがやや表情を改めながら、ハルベルトたちをジッと見据えた。

「正直、我らの現状は分が悪い。あの御曹子を完膚なきまでに叩きのめすなら、実力の知れているお主が決めるのが望ましい」

「ですが私にそんな大役、とても出来るとは思えないですー」

それは昨日の事、ハルベルトたちが立ち去ったあとに遡る……

   ~~~

「まあまあメイどの、チェルシーが嘘など吐く筈がなかろう。日輪熊を倒したのが本当にそこの兄チャンなら、あの御曹子を倒す事など容易いて」

ザイードが「ガハハ」と笑って胸板をドンと叩く。

その様子を眺めながら、メイが呆れた顔で神木公平の方に振り返った。

「そもそもその話は、どこまでが本当なんだい?」

「いや、まー、何と言うか…」

メイの疑いの視線を受けながら、神木公平は曖昧な表情で頬をポリポリと掻く。

「…ったく、どんな偶然が重なれば、そんな芸当が出来るんだか…」

メイは頭の後ろを掻きながら顔を伏せ、それから大きな溜め息を吐いた。

「とは言え、ハルベルトとお付きの二人と言えば、その実力はハッタリじゃなく本物だよ。いくら日輪熊を倒せたからと言って、そう簡単には…」

「たかだか1500、公平くんの…敵じゃない」

そのとき佐敷瞳子が、いつにも増して強い口調で言い放った。

「トーコ、アンタまさか…」

驚きの表情で佐敷瞳子を見つめていたメイが、やがて納得したように「フッ」と笑う。

「だったらコーヘーが変に手を出すより、そこの嬢ちゃんが勝負を決める方が良い」

メイは頭の後ろで両指を組むと、悪戯っ子のような顔で「ニヤリ」と微笑んだ。
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