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第九章 怪しいご招待
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先日の決闘で負傷した観戦者や通行人は、傭兵組合に所属する治癒術士が優先して治療にあたった。
更に被害のあった家屋にも、その被害状況に応じて傭兵組合から補償が支払われた。
そうして一夜明けた翌日の昼過ぎ、ザイードがメイの店にひょっこりと姿を現した。
「メイどの、居られるかー?」
「…またアンタかい。今度は何用だい?」
店の入り口に陣取る図体のデカい男に、メイは迷惑そうな顔を向ける。
「おや、今日は天使どのは?」
「トーコなら二階さね。言っとくが、手を出そうものなら全力で排除するからな」
言いながらメイは、レジ奥に置いてあるハンマーにソッと手を伸ばした。それを見たザイードが、慌てて両手を左右に振る。
「あーいや、待ってくだされ。用があるのは我ではなく本部長であるのだ。コーヘー殿と二人連れてくるように言付かっておる」
「傭兵組合のお偉いさんが、一体何用だい?」
「それは我も聞いてはおらぬが…」
「まあ、昨日の一件…だろーな」
「おそらくは…」
メイは頭の後ろを掻きながら「はあー」と大きな溜め息を吐く。それから面倒そうな顔で口を開いた。
「仕方ない。私も一緒について行くから、少し表で待ってな」
~~~
「あ、コーヘーさんですーっ!」
傭兵組合本部の一階談話フロアに着くと、チェルシーが神木公平に向けて飛びついてきた。
しかしその瞬間、佐敷瞳子が神木公平の腕をグイッと引き寄せ、チェルシーの身体がスカッと横を通り抜ける。
「…いたんですね、トーコさん?」
「チェルシーこそ、何で…いるの?」
神木公平を挟んで、二人の少女が睨み合う。身動きのとれない神木公平は、困った顔でメイとザイードに助けを求めた。ところがその助け船は、予想外の方向から現れた。
「おや、チェルシー。元気そうで何よりじゃない」
神木公平が声のした方に顔を向けると、膝下まであるタイトスカートを穿いた、紺色レディーススーツ姿の女性が目に入る。
背中まである若草色の髪をハーフアップにまとめ上げ、少し潤んだ翡翠色の瞳が大人の色気を一層際立たせていた。
「これは本部長どの」
その女性に気付いたザイードが、姿勢を正して頭を下げる。
「あっ、お…お母さんっ⁉︎」
そのときチェルシーが、驚いた様子で素っ頓狂な声を張り上げた。
~~~
「私が困ってた時には見て見ぬ振りしてたのに、今更ノコノコと何のつもりです?」
チェルシーが頬を膨らませ、母親への不満をあらわにする。
「だってアナタ、何度言っても傭兵家業を辞めてくれないんだもの。だったらこのままスピアー家に囲われるのも、別に悪くはないと思って」
「な…な…」
満面の笑みを浮かべる母親に、チェルシーは顔を真っ赤にしながら身体をプルプルと震わせた。
「そ…それが、大事な一人娘に対する母親の態度ですかっ!」
更に被害のあった家屋にも、その被害状況に応じて傭兵組合から補償が支払われた。
そうして一夜明けた翌日の昼過ぎ、ザイードがメイの店にひょっこりと姿を現した。
「メイどの、居られるかー?」
「…またアンタかい。今度は何用だい?」
店の入り口に陣取る図体のデカい男に、メイは迷惑そうな顔を向ける。
「おや、今日は天使どのは?」
「トーコなら二階さね。言っとくが、手を出そうものなら全力で排除するからな」
言いながらメイは、レジ奥に置いてあるハンマーにソッと手を伸ばした。それを見たザイードが、慌てて両手を左右に振る。
「あーいや、待ってくだされ。用があるのは我ではなく本部長であるのだ。コーヘー殿と二人連れてくるように言付かっておる」
「傭兵組合のお偉いさんが、一体何用だい?」
「それは我も聞いてはおらぬが…」
「まあ、昨日の一件…だろーな」
「おそらくは…」
メイは頭の後ろを掻きながら「はあー」と大きな溜め息を吐く。それから面倒そうな顔で口を開いた。
「仕方ない。私も一緒について行くから、少し表で待ってな」
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「あ、コーヘーさんですーっ!」
傭兵組合本部の一階談話フロアに着くと、チェルシーが神木公平に向けて飛びついてきた。
しかしその瞬間、佐敷瞳子が神木公平の腕をグイッと引き寄せ、チェルシーの身体がスカッと横を通り抜ける。
「…いたんですね、トーコさん?」
「チェルシーこそ、何で…いるの?」
神木公平を挟んで、二人の少女が睨み合う。身動きのとれない神木公平は、困った顔でメイとザイードに助けを求めた。ところがその助け船は、予想外の方向から現れた。
「おや、チェルシー。元気そうで何よりじゃない」
神木公平が声のした方に顔を向けると、膝下まであるタイトスカートを穿いた、紺色レディーススーツ姿の女性が目に入る。
背中まである若草色の髪をハーフアップにまとめ上げ、少し潤んだ翡翠色の瞳が大人の色気を一層際立たせていた。
「これは本部長どの」
その女性に気付いたザイードが、姿勢を正して頭を下げる。
「あっ、お…お母さんっ⁉︎」
そのときチェルシーが、驚いた様子で素っ頓狂な声を張り上げた。
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「私が困ってた時には見て見ぬ振りしてたのに、今更ノコノコと何のつもりです?」
チェルシーが頬を膨らませ、母親への不満をあらわにする。
「だってアナタ、何度言っても傭兵家業を辞めてくれないんだもの。だったらこのままスピアー家に囲われるのも、別に悪くはないと思って」
「な…な…」
満面の笑みを浮かべる母親に、チェルシーは顔を真っ赤にしながら身体をプルプルと震わせた。
「そ…それが、大事な一人娘に対する母親の態度ですかっ!」
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