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第十章 護衛任務
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洞窟内は、所々に散りばめられた星の砂によって、淡い光に照らされていた。
結界の要となる祠のある空間は奥まった楕円形になっていて、アイゼンたちが身を隠す通路からは全体を見渡す事が出来ない。
しかしながらコチラの動きが相手に感知されている気配もなく、部屋の最奥に集まっているだけだ。
ならばここは、奇襲をかける。
アイゼンたち騎士団の3人は、息を潜めて目配せで合図を送り合う。
本来ならば、数人を斬り倒して実力の差を見せつければ、簡単に制圧出来る筈であった。
相手が人間であったならば……
それに気付いたのは暗がりの中、一人一殺で相手を斬り倒した時だ。
一瞬、我が目を疑った。
直後には身長が1メートル程の小鬼にワラワラと詰め寄られ、何体斬っても怯みもしない。いつの間にやら周りも囲まれており、逃げ道さえも防がれてしまう。
そうして目前に現れた大鬼が、3メートル近い体躯で丸太のような棍棒を振り上げた。その圧倒的な一撃に、3人まとめて壁際まで吹き飛ばされる。
比較的体力の少ない女性騎士は、壁際に座り込んだまま、もはや立ち上がる事も出来そうにない。
「すまない、全て私の判断ミスだ」
アイゼンは女性騎士をかばうように立ちながら、横に並ぶ男性騎士に声をかけた。
「それは違います、隊長。この様な状況、誰も予測する事は出来ませんでした……彼らを除いて」
「だが、その言葉を聞かなかったのはこの私だ。せめてお前たちだけでも逃がしてやりたいが…本当にすまない」
「いえ…彼らを上に残してきたのは、結果的には正解でした。これで全滅せずに、仲間とともに王都へと情報を持ち帰れます」
「ハハ、上官をおだてるのが上手いじゃないか。これなら直ぐにでも、出世していきそうだ」
「それは嬉しいですね。それなら次の辞令を楽しみにしておきます」
そのとき再び間合いを詰めた大鬼が、丸太の棍棒をゆらりと頭上に振り上げた。
「逃げて…ください」
女性騎士が掠れた声を必死に絞り出す。しかし、目の前の2人は全く動こうとはしない。
「お願い…逃げて」
懇願するように声を絞り出したその時、通路から飛び出したひとりの少年が大きな声を張り上げた。
「コッチだ、化け物ーーっ!」
~~~
「一体、何があったのだ⁉︎」
後続の馬車が到着したとき、3人の騎兵のうちの一人が騎馬に乗ったまま佐敷瞳子に声をかけた。
「中に…魔物がいる」
「魔物だと…?」
しかし佐敷瞳子の返答を聞いて、男性騎士が吹き出すように鼻で笑う。
「魔物がこんな所にいる筈などない」
「そう言って信じなかった隊長さんたちが、勝手に行って、勝手に死にかけてるんですー」
「……貴様、アイゼン隊長を愚弄するか?」
チェルシーの言葉に腹を立てた男性騎士が、苛立ちを隠さずに剣の柄に手をかける。
「トーコさん、種族と数は分かりますか?」
そのとき馬車から降りたレトが、佐敷瞳子に厳しい表情を向けた。
「たくさんの小鬼と、大鬼が…2体」
「大鬼だとっ⁉︎ 何を根拠に…」
「トーコさんの感知は正確です。しかし大鬼が2体とは…かなりマズイですね」
男性騎士の声を制して、レトが言葉を続ける。
「こんな小さな部隊では対処し切れません。せめて洞窟の外だったなら…」
「大丈夫…もう殆ど、終わってるから」
そうして佐敷瞳子は、洞窟の奥へと視線を向けた。
結界の要となる祠のある空間は奥まった楕円形になっていて、アイゼンたちが身を隠す通路からは全体を見渡す事が出来ない。
しかしながらコチラの動きが相手に感知されている気配もなく、部屋の最奥に集まっているだけだ。
ならばここは、奇襲をかける。
アイゼンたち騎士団の3人は、息を潜めて目配せで合図を送り合う。
本来ならば、数人を斬り倒して実力の差を見せつければ、簡単に制圧出来る筈であった。
相手が人間であったならば……
それに気付いたのは暗がりの中、一人一殺で相手を斬り倒した時だ。
一瞬、我が目を疑った。
直後には身長が1メートル程の小鬼にワラワラと詰め寄られ、何体斬っても怯みもしない。いつの間にやら周りも囲まれており、逃げ道さえも防がれてしまう。
そうして目前に現れた大鬼が、3メートル近い体躯で丸太のような棍棒を振り上げた。その圧倒的な一撃に、3人まとめて壁際まで吹き飛ばされる。
比較的体力の少ない女性騎士は、壁際に座り込んだまま、もはや立ち上がる事も出来そうにない。
「すまない、全て私の判断ミスだ」
アイゼンは女性騎士をかばうように立ちながら、横に並ぶ男性騎士に声をかけた。
「それは違います、隊長。この様な状況、誰も予測する事は出来ませんでした……彼らを除いて」
「だが、その言葉を聞かなかったのはこの私だ。せめてお前たちだけでも逃がしてやりたいが…本当にすまない」
「いえ…彼らを上に残してきたのは、結果的には正解でした。これで全滅せずに、仲間とともに王都へと情報を持ち帰れます」
「ハハ、上官をおだてるのが上手いじゃないか。これなら直ぐにでも、出世していきそうだ」
「それは嬉しいですね。それなら次の辞令を楽しみにしておきます」
そのとき再び間合いを詰めた大鬼が、丸太の棍棒をゆらりと頭上に振り上げた。
「逃げて…ください」
女性騎士が掠れた声を必死に絞り出す。しかし、目の前の2人は全く動こうとはしない。
「お願い…逃げて」
懇願するように声を絞り出したその時、通路から飛び出したひとりの少年が大きな声を張り上げた。
「コッチだ、化け物ーーっ!」
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「一体、何があったのだ⁉︎」
後続の馬車が到着したとき、3人の騎兵のうちの一人が騎馬に乗ったまま佐敷瞳子に声をかけた。
「中に…魔物がいる」
「魔物だと…?」
しかし佐敷瞳子の返答を聞いて、男性騎士が吹き出すように鼻で笑う。
「魔物がこんな所にいる筈などない」
「そう言って信じなかった隊長さんたちが、勝手に行って、勝手に死にかけてるんですー」
「……貴様、アイゼン隊長を愚弄するか?」
チェルシーの言葉に腹を立てた男性騎士が、苛立ちを隠さずに剣の柄に手をかける。
「トーコさん、種族と数は分かりますか?」
そのとき馬車から降りたレトが、佐敷瞳子に厳しい表情を向けた。
「たくさんの小鬼と、大鬼が…2体」
「大鬼だとっ⁉︎ 何を根拠に…」
「トーコさんの感知は正確です。しかし大鬼が2体とは…かなりマズイですね」
男性騎士の声を制して、レトが言葉を続ける。
「こんな小さな部隊では対処し切れません。せめて洞窟の外だったなら…」
「大丈夫…もう殆ど、終わってるから」
そうして佐敷瞳子は、洞窟の奥へと視線を向けた。
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