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第十章 護衛任務
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結界魔法士の調査により、大方の予想通り、魔物の目的は神域の地脈結界であった。
祠を護る結界に干渉の跡はあったものの、発見が早かった為か、要である地脈結界には何ら影響は見つからなかった。
そしてここ最近の魔物の活性化は、この作戦の陽動だろうと結論付けられた。
とは言え本来魔物とは、基本的には組織立った動きを見せるような事はない。
だが今回のように侵攻が大きく動く時、「魔族」と呼ばれる存在が過去に何度も確認された。
その数は決して多くはない。
しかしその計り知れない実力の前に、数々の英雄が敗れ、人類は敗北の歴史を繰り返してきた。
そして今また、その魔族の存在が見え隠れする事態が起こり始めていた。
「魔族…」
帰りの馬車の中で聞いたレトの話を、佐敷瞳子は大浴場の湯船にひとり浸かって思い出していた。
「赤い…タグ」
先程までいたチェルシーは、長湯が苦手なのかサッサと退散してしまった。
そうして佐敷瞳子が湯船の中で手足を伸ばしてリラックスしていると、二人の女性騎士が浴室の中に入って来た。
慌てて手足を折りたたむ。
「せっかくノンビリしてたのに、ごめんなさいね」
感知スキル持ちの女性騎士が、少し済まなそうに苦笑いを浮かべた。
見られてた…
佐敷瞳子は赤面して、顔の下半分をぶくぶくと湯の中に沈める。
「あの…もう、大丈夫…なんですか?」
そのまま暫くそうしていたが、心配になって佐敷瞳子は口を開いた。
彼女は結構な重症で、肋骨も何本か折れていたと聞いている。
「あー…この子のおかげで、もう大丈夫」
そう言って、横で身体を洗っているもうひとりの女性騎士の肩をポンと叩いた。
「いえ、私なんか全然で…結局今までかかってしまいました」
治癒属性の彼女が、身体の泡を流しながら弱々しく笑う。
「それに晩ご飯の支度も、あなた方に任せっきりになってしまって…」
「あ…いえ」
申し訳なさそうな彼女の態度に、佐敷瞳子は首を横に振った。
「騎士の皆さんが、殆どやって…くれたので」
意外に手際の良かった隊長のアイゼンを思い出し、佐敷瞳子は思わず苦笑いする。
「皆さん、ちゃんと料理出来て…凄いです」
「あー、あなたの彼氏、苦手そうだもんね」
そのとき感知スキルの彼女が、意味深な含み笑いを見せた。
彼女のその表情に、佐敷瞳子はムッとなって軽く頬を膨らませる。
「それでも、ちゃんと手伝って…くれます」
「あ、違うの。あなたの彼氏を悪く言うつもりは無かったの。気に障ったなら、ごめんなさいね」
慌てたように訂正すると、彼女は少し俯いた。
「仲が良くて羨ましいわ。私もアイゼン隊長と…」
「えっ⁉︎ 先輩って、そうなんですか⁉︎」
「え……あっ違う、違うのっ! 忘れて…っ、今のは忘れてっ!」
「えー、どうしよっかなー。あー、何だか喉が渇いてきましたねー」
「分かった、分かったから」
どうしよう、出るに出られない…
少しのぼせ始めた佐敷瞳子は、再びぶくぶくと顔を湯の中に沈めていった。
祠を護る結界に干渉の跡はあったものの、発見が早かった為か、要である地脈結界には何ら影響は見つからなかった。
そしてここ最近の魔物の活性化は、この作戦の陽動だろうと結論付けられた。
とは言え本来魔物とは、基本的には組織立った動きを見せるような事はない。
だが今回のように侵攻が大きく動く時、「魔族」と呼ばれる存在が過去に何度も確認された。
その数は決して多くはない。
しかしその計り知れない実力の前に、数々の英雄が敗れ、人類は敗北の歴史を繰り返してきた。
そして今また、その魔族の存在が見え隠れする事態が起こり始めていた。
「魔族…」
帰りの馬車の中で聞いたレトの話を、佐敷瞳子は大浴場の湯船にひとり浸かって思い出していた。
「赤い…タグ」
先程までいたチェルシーは、長湯が苦手なのかサッサと退散してしまった。
そうして佐敷瞳子が湯船の中で手足を伸ばしてリラックスしていると、二人の女性騎士が浴室の中に入って来た。
慌てて手足を折りたたむ。
「せっかくノンビリしてたのに、ごめんなさいね」
感知スキル持ちの女性騎士が、少し済まなそうに苦笑いを浮かべた。
見られてた…
佐敷瞳子は赤面して、顔の下半分をぶくぶくと湯の中に沈める。
「あの…もう、大丈夫…なんですか?」
そのまま暫くそうしていたが、心配になって佐敷瞳子は口を開いた。
彼女は結構な重症で、肋骨も何本か折れていたと聞いている。
「あー…この子のおかげで、もう大丈夫」
そう言って、横で身体を洗っているもうひとりの女性騎士の肩をポンと叩いた。
「いえ、私なんか全然で…結局今までかかってしまいました」
治癒属性の彼女が、身体の泡を流しながら弱々しく笑う。
「それに晩ご飯の支度も、あなた方に任せっきりになってしまって…」
「あ…いえ」
申し訳なさそうな彼女の態度に、佐敷瞳子は首を横に振った。
「騎士の皆さんが、殆どやって…くれたので」
意外に手際の良かった隊長のアイゼンを思い出し、佐敷瞳子は思わず苦笑いする。
「皆さん、ちゃんと料理出来て…凄いです」
「あー、あなたの彼氏、苦手そうだもんね」
そのとき感知スキルの彼女が、意味深な含み笑いを見せた。
彼女のその表情に、佐敷瞳子はムッとなって軽く頬を膨らませる。
「それでも、ちゃんと手伝って…くれます」
「あ、違うの。あなたの彼氏を悪く言うつもりは無かったの。気に障ったなら、ごめんなさいね」
慌てたように訂正すると、彼女は少し俯いた。
「仲が良くて羨ましいわ。私もアイゼン隊長と…」
「えっ⁉︎ 先輩って、そうなんですか⁉︎」
「え……あっ違う、違うのっ! 忘れて…っ、今のは忘れてっ!」
「えー、どうしよっかなー。あー、何だか喉が渇いてきましたねー」
「分かった、分かったから」
どうしよう、出るに出られない…
少しのぼせ始めた佐敷瞳子は、再びぶくぶくと顔を湯の中に沈めていった。
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