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第十一章 フィアホルン攻防戦
92 番外編 8
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その大男は屈んでいた身体を起こし、ユラリとゆっくり立ち上がった。
3メートルを超える巨大な体躯。しかし頭部と胴体で全長の3分の2を占める程の極端な短足だ。全身が灰色の体色で、岩のような四角張った顔に、ゴツゴツした大きく広い肩幅。上半身は裸で、下半身にジーンズのようなズボンを履くのみだった。
「いい加減、しつこいぞ。バグナー」
ゴスロリ少女が、溜め息混じりに呟いた。
「貴女が邪魔をするからよ、エルアーレ。分かっているでしょう?」
そのときゴツい図体からは予想も出来ない、艶かしい声が辺りに響く。
それと同時に空から3本の水流が螺旋を巻いて下りてきて、その水が弾けた時、中から長身の女性が姿を現した。
艶のある淡い黒髪のロングヘアは、毛先を緩いカールに巻いている。切れ長の細い目には、ネコ科のような縦長の黒い瞳孔に赤い瞳。キャバクラ風の黒いロングドレスは、胸元と背中がV字に大きく開き、大胆なスリットが綺麗な美脚を強調していた。
「まー確かにそうなんじゃがの…あんまりシツコイと嫌われるぞ、ルサルサ」
「誰に嫌われようと、何ら影響ありませんよ。エルアーレ」
「ちっ、可愛くないのー」
そう言ってエルアーレが、面白くなさそうに唇を尖らす。
「もっとも水晶湖へは、既に別働隊を向かわせております。貴女のこの奇行も、無駄に終わるでしょうね」
「分かっておるよ。じゃからサッサとお主らを退けて、後を追わねばならん」
「そんな事が、出来るとでも…?」
「じゃからコチラも、手駒を用意した」
「へ…⁉︎」
不意にエルアーレからの視線を受け、白石和真は素っ頓狂な声をあげた。
「あら…居ましたのね、人間。存在が矮小過ぎて気付きませんでしたわ」
ルサルサはあざけるような冷笑を浮かべ、白石和真たち6人を順に見回す。
「こんな数匹程度の人間で何か出来ると、本気で考えていらっしゃるの?」
「どーだかのう…じゃが、出来ないとは限らんぞ」
「では…確かめてみましょう!」
次の瞬間、巨大な灰色の拳が、白石和真の眼前を覆い尽くした。
「ボサッとするな、小僧っ!」
同時にエルアーレが日傘の一撃でバグナーの拳を打ち払い、ギリギリのところでその軌道を逸らす。
バグナーの拳はそのまま白石和真の足元を抉り、広範囲を一気に陥没させた。
その際生じた衝撃波で、白石和真は勿論、鳴神ひかりも騎士団員も、為す術なく吹き飛ばされる。
「アハハッ、エルアーレ。中々頼りになるお仲間ですわね」
そのときルサルサが、右手の甲を口元に添えながら高らかに笑い声をあげた。
「そうじゃろう? 頼もし過ぎて涙が出るわ」
エルアーレも右手の甲を口元に添えると、対抗するように軽やかな笑い声をあげた。
3メートルを超える巨大な体躯。しかし頭部と胴体で全長の3分の2を占める程の極端な短足だ。全身が灰色の体色で、岩のような四角張った顔に、ゴツゴツした大きく広い肩幅。上半身は裸で、下半身にジーンズのようなズボンを履くのみだった。
「いい加減、しつこいぞ。バグナー」
ゴスロリ少女が、溜め息混じりに呟いた。
「貴女が邪魔をするからよ、エルアーレ。分かっているでしょう?」
そのときゴツい図体からは予想も出来ない、艶かしい声が辺りに響く。
それと同時に空から3本の水流が螺旋を巻いて下りてきて、その水が弾けた時、中から長身の女性が姿を現した。
艶のある淡い黒髪のロングヘアは、毛先を緩いカールに巻いている。切れ長の細い目には、ネコ科のような縦長の黒い瞳孔に赤い瞳。キャバクラ風の黒いロングドレスは、胸元と背中がV字に大きく開き、大胆なスリットが綺麗な美脚を強調していた。
「まー確かにそうなんじゃがの…あんまりシツコイと嫌われるぞ、ルサルサ」
「誰に嫌われようと、何ら影響ありませんよ。エルアーレ」
「ちっ、可愛くないのー」
そう言ってエルアーレが、面白くなさそうに唇を尖らす。
「もっとも水晶湖へは、既に別働隊を向かわせております。貴女のこの奇行も、無駄に終わるでしょうね」
「分かっておるよ。じゃからサッサとお主らを退けて、後を追わねばならん」
「そんな事が、出来るとでも…?」
「じゃからコチラも、手駒を用意した」
「へ…⁉︎」
不意にエルアーレからの視線を受け、白石和真は素っ頓狂な声をあげた。
「あら…居ましたのね、人間。存在が矮小過ぎて気付きませんでしたわ」
ルサルサはあざけるような冷笑を浮かべ、白石和真たち6人を順に見回す。
「こんな数匹程度の人間で何か出来ると、本気で考えていらっしゃるの?」
「どーだかのう…じゃが、出来ないとは限らんぞ」
「では…確かめてみましょう!」
次の瞬間、巨大な灰色の拳が、白石和真の眼前を覆い尽くした。
「ボサッとするな、小僧っ!」
同時にエルアーレが日傘の一撃でバグナーの拳を打ち払い、ギリギリのところでその軌道を逸らす。
バグナーの拳はそのまま白石和真の足元を抉り、広範囲を一気に陥没させた。
その際生じた衝撃波で、白石和真は勿論、鳴神ひかりも騎士団員も、為す術なく吹き飛ばされる。
「アハハッ、エルアーレ。中々頼りになるお仲間ですわね」
そのときルサルサが、右手の甲を口元に添えながら高らかに笑い声をあげた。
「そうじゃろう? 頼もし過ぎて涙が出るわ」
エルアーレも右手の甲を口元に添えると、対抗するように軽やかな笑い声をあげた。
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